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少し時間が空いてしまいましたが、投稿させて頂きます。

皆クリスマス商戦が悪いんや!!!


ジャンルについてのご指摘を頂きまして、小説家になろう運営様から回答を頂きました。

ジャンル設定は此方に一任する。との事でした。そこで、現在『歴史』ジャンルに投稿中の他作品の傾向を鑑みて、暫くはこのままで行きたいと思います。

もし、余りにジャンルに関するご意見が多い場合は変更したいと思います。


最後になりましたが、感想コメントありがとうございます。

今回までに返しきれなかった感想に付きましても、必ずや返させて頂きます。

これからも、当作品を宜しくお願い致します。

「おう、坊主。呑め呑めぃ!!!」

「え?いや、もう呑めがぼぼぼぼ。」


拝啓、母上様。

私、長寿院盛敦は薩摩に覇を唱える島津家に仕える事と相成りました。付きましては、戦勝会も兼ねた歓迎会に参加しているのですが………

酔っ払いの相手は最悪です。


用意された料理は、お世辞にも上等とは言えない。それを誤魔化すかの様に並べられた、酒、酒、酒。そんな大量のお酒を、大学の新歓コンパ顔負けの強引さで進めてくる島津家の皆さん。世が世なら、マスコミに晒されてるぞ………。そもそも、俺の今の体は11歳のガキの物。そんな大量の酒に耐えられる筈もない。もう一体何度厠に走ったか、酒による酔いも相まって思い出せなくなっている。

………あ、駄目。匂いだけでもう。


「っ!!!」


厠厠ぁぁぁ!!!!


「おろおろおろろろろろ」


何なのあの人たち!!!こんないたいけな坊主を酔い潰すとか、大人らしさとか無いの!?そこらへんの常識とか、桜島の火口にでもポイしちゃったの!?


「盛敦どん。大丈夫け?」


そんな大人たちへの不満を呑みこみ、胃の内容物を吐き出す作業を行っていた所、背後から声が掛けられる。


「と、歳久さま………おぇ。」

「あー、流石に辛いけ?ウチの宴会。」

「はい………すこし。」

「じゃっど、気持ちんよか奴らやろ?」

「まぁ………おぇ。それは、そうですが」


確かに、島津家の面々は気持ちの良い性格の持ち主だ。敗軍の人間である俺に対しても酒をふるまい、そして絡んでくる。

豪放磊落。竹を割ったような性格。昨日の敵は、今日の友。そんな言葉を地で行っている様な人間性だ。宴会に参加して、非常に気持ちの良い酒が飲めたのも事実………前半は。


「こんな人達だと分って居たら、城の女性達を守る必要無かったかも知れません。」

「そいは()ごとるど、盛敦どん。」

「へ?どういうことですか??」

「戦ん時はな、(へご)(おなご)を手篭めにすっとは禁止しぃちょらん。」

「………。」

「戦は戦じゃ。(おい)達も村から無理やりんごつ(へご)を引っ張って来ちょる。じゃっど、島津ん()はそんな(へご)に満足んいく褒美はやれん。貧乏やっど。」


………そうだよな、戦国時代だもんな。綺麗事ばかりじゃ回らないよな。余程有能じゃない限り、負けた人間は生き残れない。陽気に笑う宴会の参加者も、戦場(いくさば)では敵を恐れ、憎み、恨む。

元現代人としては理解し辛いが、今、俺が生きているこの時代で、殺人も略奪も強姦も、決して禁忌ではない。日常では、確かに俺の居た時代の様な人間性が望めるが、戦場でそれは望めない。

………あぁ。あの日本が懐かしい。血の臭いと、相手の骨を砕く感触。そんな物とは無縁の日本が。


「………()いちょっとか?」

「………はい。少し。」

「そぉけ。(おい)はちぃと風ん()たちくっど。なんかあったい、呼んでくい。」

「ありがとう………ございます。」


酒のせいだろうか。心の内にいつの間にか溜めこんでいた、色々な物を吐き出したくなるのは。

こんな時代に再び産み落とされた不満。人を殺してしまった嫌悪感、罪悪感。

そんな俺の叫びは、誰に届く事も無く、吐瀉物と一緒にただただ視界から消えていった。


(わっぱ)?こげな(とこ)(ない)しぃちょっと?」

「はえ?義久さま??」

「お(はん)も今日ん宴ん主役やっど?厠んこもっとらんど、こち来て(わろ)え!!!」

「え?いやいや、今そんな場面じゃ無かったよね!!俺が郷愁の念に裾を濡らしつつ、フェードアウトする場面だったよね!?」

(ない)を言いちょっと?念仏け?」

「いやいや。笑えないヨ?笑えないし、もう飲めないヨ??」

「分らん!!!坊主ん説法はいっちょん分らん!!!」


突然現れた義久様が、顔の引きつる俺を無理やり引っ張って行く。厠に駆け込む事で暗に宴会からのリタイアを示していた人間を戦場(えんかい)に連れ戻すとは、人の行いとは思えません!!鬼!!悪魔!!!鬼島津!!!!

スパン!!!

快音と共に宴会場の襖が開け放たれ、哀れな子羊(おれ)は飢えた(よっぱらい)の群れにぶち込まれ………


「きゃー!止めて!!見ないで!!!」

「げへへ、良い躰してんじゃねぇか。」


イメージで伝えるとだいたいこんな感じの会話が繰り広げられた後に、俺は酔っ払い達の波に呑まれていった。最後の良心たる義弘様に助けを求める視線を投げるも


「ぐっ、んっ、んぐ。ぶふぁ!!!次!!こん島津義弘に勝つる(もん)はおらんか!!??」


あぁ、義弘様。あなたは敵だけでなくお酒にも強いんですね??でも、そんな新事実はどうでも良いので取りあえず俺を助けて下さい。ねぇ!!矢次郎と飲み比べしてる場合じゃないんだよぉぉぉぉ!!!!!


………。

……。

…。


後日談。


「そういえば、歳久さまはお酒も強いんですね?」

「は??」

「え?………だって、この間の酒宴でも顔色一つ変えてなかったじゃないですか。やっぱりお酒に強くないと、島津家じゃやっていけないんですかねぇ。」

「……や。(おい)は酒は(つよ)なか。」

「へ?」

「酒ん席やったい、皆最初は盃持ってくっど。じゃっど、何時ん間にぃか忘れられっと………」

「………。」

「盛敦どん。(おい)はそげん影ん薄いっちゃろか?」

「………………………。」

「何か言っちくいやんね?」


青空。二日酔いに悩ませられながらも、爽やかな朝に、俺は君主筋からの難問を付きつけられる訳となった。


胃が、痛てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!

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