表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/70

帝国

「あなた。これを見て」


 みんなで朝食中ノアから新聞を見せられた。

 その内容は――


「帝国の侵略がもうすぐそばに来てる?」


 帝国はこの大陸で1番大きな国で野蛮な国と言われている。

 何かと戦争が大好きでちょくちょく戦争をしているそうだが、この国とは地続きになっていないのですぐに侵略される事はないと言われていたが……


「この情報の信憑性は?」

「貴族向けの新聞だから信憑性は高いと思う。それにあの野蛮国がこっちに目指してくるのも納得だからね」


 新聞にはこの国と隣の国に強襲し、戦争状態に入ったと書かれている。

 もう既に領地の一部を奪い取ったと書かれているがどこまで本当だか。


「リリアは殿下から何か聞いてない?」

「え~っと。直接戦争の話は出なかったけど、これから会う頻度が少なくなるかもしれないからすまないっとは言われた。だから戦争でなかったとしても国の大きな問題が起きているのか、あるいは起きそうな状況なのは間違いないかも」

「それじゃ信憑性は高いとみていいのか……」


 平凡な日常に刺激が欲しいとは言ったが、戦争が起こってほしいとは全く思っていない。

 もっと平和なイベントなかったのかよ。


「ノアも帝国はこっちに攻めてくると思うか?」

「ええ。あの国は様々な理由で侵略を繰り返してきたからまたかっていうのが正直な所。そして今回の戦争で帝国が勝ったら次は確実にこの国でしょうね」

「随分確信のある言い方だな。何か狙われる理由に思い当たる事があるのか?」

「おそらくこの国の宝物庫、だと思うから」

「宝物庫?」


 お宝のために戦争するってバカじゃねぇの?

 そりゃ様々な資源、鉄や水、食料などで何度も戦争は起きてきただろうがそんなお宝のために離れた国を狙うだろうか?


「ええ、あそこには歴代の王や王族達がもらった贈り物が保管されているから、それを狙っている可能性は高いでしょうね」

「え、ちょっと待って。贈り物って本人以外にそんな幅広く使えるの?例えば俺がリリアに本を渡せば召喚魔法使いたい放題になるの??」


 まさかと思いながらノアに聞くと首を横に振った。


「そこまでではないけど贈り物の力は少し残るの。例えば剣をもらった王が使えば鉄の鎧をあっさりと斬れるほどの威力を持つけど、他の者が使ったらただの切れ味のいい壊れない剣くらいの物よ」

「壊れない剣も十分凄いと思うが」

「とにかくもらった本人じゃないとその力を十分に発揮する事は出来ないけど、それでも同じ召喚士だったり、同じ系統の魔法使いならある程度使いこなす事が出来る。帝国はそういう物を襲っては奪うを繰り返してきた。今の軍事力もそういう奪った贈り物の力を使っているってもっぱらの噂。特に武器の類を重点的に集めて地位の高い者だといくつもの贈り物を持っているって話。例えば剣と鎧とか、弓と望遠鏡みたいな相性のよさそうな贈り物を複数持っているそうよ」


 それは厄介極まりないな。

 まるでゲームの装備品みたいに頭はこのアイテム、鎧はこのアイテムみたいに全身贈り物で固めている奴らがいる可能性があるって事だ。


「そのせいで負けそうになったらすべての贈り物を自ら壊した国もあったみたい。帝国に奪われるくらいなら~ってね」

「その話シャレにならないぞ。本当に帝国は贈り物だけが狙いなのか?」

「あくまでも贈り物が大本命ってだけで大抵は労働力の確保よ。あの国、食糧難になったら必ずと言っていいほど他国を襲うから」

「それって……食料自給率が低いって事か?」

「食料、じきゅう?」

「え~っと、前世の頃に自国でどれくらいの食料を生産できるかっていう数だ。食料自給率が低いって事は自国で生産されている食糧が少ないって事」

「ああ、そういう意味ね。その通り帝国は食料生産は非常に低いわ。元々やせた土地だったから肥沃な土地を求めて戦争を繰り返してたって一般的に言われているけど、その内戦争をしては勝っての繰り返しだったからそこから野心が大きくなってより広大な土地を求めて戦争をするようになったのではないかって考えられてる」

「でも帝国はこの大陸で1番広大な土地を持っているんじゃないのか?それでも食糧生産は上がってないのか?」

「上がっているとは思う。でも少しでも量が少ないと感じたり、飢饉ききんが発生したら即他の国と戦争。食料と贈り物を奪うの繰り返し。ろくに生産なんてしてないと思うわよ」

「金は?金があれば農家に支援して食料生産に回せばいいだろ??」

「財政のほとんどは戦争のために使われているからそっちには回してないみたい。だから戦争をして食糧を奪い、また食糧がなくなれ戦争をするを繰り返しているの」


 な、なんて馬鹿な国なんだ……

 そんな戦争とか言う金食い虫のために金を使うくらいなら少しは食料生産に力回せよ。

 それに土地と人を奪っているというのであれば人口だって増えているはず。

 本当にその人達の腹は満たせているのか??


「よくもまぁ生き残ったな帝国。ちょっと立ち止まって食糧生産に力を回すべきだろうに」

「あいつらの頭の中は戦争する事しか考えてないから。それで奪えばいいって考えが染みついてるの、だから同じ事を繰り返してるの」


 嫌な進歩をした国ってのはどこにでもあるんだな。

 でも確か前に聞いた話だと戦争で攻める側の力は防衛している国の3倍は必要と聞いた事があるが……この世界でも同じなんだろうか?

 あくまでも基準程度に考えておくべきか?

 元々そう言うの詳しくないし、シミュレーション系ゲームもそんなにしてこなかったしな……精々タワーディフェンスくらいか。


「こりゃ一度大負けしないと意識変えられなさそうだな。というか元他国の領民達は反乱を起こさないのか?」

「起こせないのよ。武器になりそうな物は農具だけ、そして作った食糧は税としてほとんどとられて彼らは貧しい生活をしている。これは帝国が意図的にしているの、戦う体力もない状態にして生かさず殺さずの状態で支配し続ける。これが帝国の常套じょうとう手段」


 聞けば聞くほど質の悪い国だ。

 そこに狙われているのだから他人事ではないし、非常に強い警戒心を持っているって事ね。


 という事は陛下が俺を求めていた理由はこれか?

 帝国に対抗するために少しでも強い力を求めた??

 それなら納得できるか……


「お兄様。領地は、家は大丈夫でしょうか」


 リリアが不安になるのも当然だ。

 辺境伯とはこういう戦争の時に最前線で戦うことが義務付けられている。

 つまり帝国が攻めてきたら最初に戦うのはウチの騎士や領民達。領民に関しては絶対ではないがそれでも男と言うだけで戦争に参加させられる可能性は高いだろう。


「今帝国が攻めている国はヘキサグラム領とくっついていないからある程度は大丈夫。でもかなり近づくのも事実。今帝国と戦っている国がどこまで抵抗できるか、それにかかっているとしか言えないわね」


 ノアはそういうがこういう時軍事同盟は結ばれないのだろうか?

 帝国と言う巨大な国から身を守るため、複数の国が手を組んで帝国から身を守るのも選択肢だと思うが……こういうのは王様たち次第か。


 嫌な時代に突入しちゃったな~。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ