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断罪終了後に悪役令嬢だったと気付きました!既に詰んだ後ですが、これ以上どうしろと……!?  作者: 一番星キラリ@9/2やられる前に発売:商業ノベル&漫画化進行中
【本編】

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94/311

94:真意

「王太子さま」


ついにレオナルドが声を挙げた。

ドキッとして、思わず視線を足元へ落としてしまう。


「なんだろうか、魔術師レオナルド」


「確かにパトリシアさまは、私のつがいです」


初めてレオナルドが、自分の口で私を番だと認めた……!


「認めるのだね。パトリシアが自分の番であると」


レオナルドが頷くと、アルベルトは畳みかけるように尋ねる。


「いつ、気づいたのですか? 自分の番であると」


「パトリシアさまは、これまでも王宮に足を運んでいたと聞いています。でもその時には、まったく気づきませんでした。カロリーナさまがかけた『呪い』を解くために、パトリシアさまが必要となり、探しているうちに……。まず、自分のつがいがこの世界に存在していると、気付きました。そしてパトリシアさまの居場所を追うと、番の気配を感じました。そこでようやく、パトリシアさまが自分の番なのではと、理解しました」


するとアルベルトは、不思議そうに首を傾げる。


「王宮にあれだけ足を運んでいたのに。そこで気づかないこともあるのですね」


「そうですね。一つ可能性があるならば、つがいはその体が成熟した時にこそ、その存在を強くアピールするようになると言われていますので……。王宮にパトリシアさまが足を運んでいた時は、まだ学生と聞いています。だから気が付かなかったのかもしれませんが」


そこで言葉を切ると、レオナルドは紺碧の輝くような瞳で、アルベルトをじっと見た。


「パトリシアさまと王太子さまが、相思相愛であると思ったのは、事実です。ただ、それは過去の話で、現在は気持ちが違っていると、昨晩ようやく理解しました。騙すつもりはありませんでしたが、結果として騙すことになり、それは申し訳なく思っています。その上で、パトリシアさまが私のつがいであることを認めさせた王太子さまのその真意は、どこにあるのでしょうか?」


アルベルトは、楽しそうにクスクスと笑う。

レオナルド同様、意図が分からないので私も困惑していた。


「真意などと、堅苦しいものではないですよ。わたしはただ、王宮付きの魔術師として、身を粉にしているあなたに、幸せになっていただきたいだけです。自身にとっての唯一無二の存在を、いくらわたしが王太子であるからといって、譲ろうなどと思わないでいいということです。お互いに好きなのですから、結ばれて欲しいだけですよ。魔術師レオナルドとパトリシアに」


思いがけない言葉に、アルベルトをただ見つめることしかできない。

アルベルトは私を見て、悲しいけれど嬉しいという、複雑な笑みを見せる。


「パトリシア、あなたと再会し、以前以上に気持ちが強まったのは事実です。ただ、あなたには心からの笑顔でいて欲しいと思います。それはあなたを愛するからこそ、です。私の隣にいるあなたは、心から笑えないはず。レオナルドを探し、求める気持ちは、その心から消えないでしょう。だから本当の幸せを掴んでください」


「……王太子さま……!」


アルベルトは涙ぐむ私の頭を優しく撫で、手をぎゅっと握った。


プロポーズされたらどうしたらいいのか。

そんな風に悩んでいたことが、バカバカしく思える。


すると。


レオナルドがコホンと咳払いをした。


「王太子さま。今の言葉に、二言はありませんか?」


「もちろんです」


「……王太子さまにこんなことを申し上げるのは、失礼であると承知した上で、言わせていただきます」


とても真面目な顔をしているのに、レオナルドの頬はうっすらと赤くなっている。


アルベルトと私は、思わず不思議な面持ちで、その顔を見てしまう。


「そのパトリシアには……不必要に触れないでいただきたいのです」


「えっ」


アルベルトと私の声が重なり、レオナルドは耳まで真っ赤になった。

お読みいただき、ありがとうございます!

次回は本日12時に「同じ眼差し」を公開します。


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