↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
断罪終了後に悪役令嬢だったと気付きました!既に詰んだ後ですが、これ以上どうしろと……!?  作者: 一番星キラリ@9/2やられる前に発売:商業ノベル&漫画化進行中
【本編】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
93/311

93:完全なポーカーフェイス

「魔術師レオナルド、もしや今も余裕がないのでは?」


「と、申しますと、王太子さま」


どう見てもレオナルドは落ち着いているようにしか見えない。それなのにアルベルトは「余裕がないのでは?」と尋ねている。まったく理解できない……。


「刺客が去ってある程度の時間が経っていたのに、なぜ刺客たちの足取りを追えたのですか?」


アルベルトがさらに尋ねる。


「それは荷馬車の轍の後が、ぬかるみに残っていましたから」


レオナルドは落ち着いた声で答える。そして二人の問答が続く。


「あの闇の中で、それが見えたのですか?」


「魔法で明かりを使いましたから」


「あなたの後を追うマルクスは、あなたが輝いていたと証言していますが、それは道を照らすほどの明るさではなかったと言っています」


「荷馬車が出す振動や音を感知しました」


「それを感知できる近さまで、迫っていたとは思えないです。それならマルクスがついた時点で、パトリシアはまだ荷馬車にいたはずでは?」


遂にレオナルドが黙り込んでしまう。


「魔術師レオナルド。わたしはプラサナス城で行われた舞踏会で、あることを聞いてしまいました。あの時、わたしは多くの令嬢に請われ、延々とダンスを踊っていました。でもさすがに疲れ、5分ほど休憩をもらいました。その時、ホールを出て、飲み物を取りに行きました。その部屋のテラスで会話する、マルクスとパトリシアを見つけました」


え! ま、まさか……!

衝撃を受け、横に座るアルベルトを見る。

アルベルトは私のことをチラリと見ると、会話を続けた。


「マルクスは、魔術師レオナルド、あなたが自分を律し、諦めようとしていると言っていました。パトリシアはあなたのつがいだと分かっているのに。わたしとパトリシアが相思相愛なら身を引くと」


レオナルドの頬がピクリと動く。

ただ、その顔に表情はない。

完全なポーカーフェイス。


一方の私は。

アルベルトがあの時の会話を聞いていた事実に驚き、そしてつがいの件がこの場で明かされたことに衝撃を受け、心臓があり得ないほどドクドクしていた。


「魔術師レオナルド、あなたが優しい人物であると、よく理解しています。だからと言って、あなたのつがいであるパトリシアを、わたしに任せるなんて……。あなたは自分の番であるパトリシアから、目が離せないはずです。片時も離れられない状態のはず。それでも王都へ戻り、ドルレアン家の悪事を白日の元にさらした。でも限界だったのでは? パトリシアの様子が気になって、気になって仕方なかったのでしょう」


レオナルドは、そんな風に思っていたのだろうか?

気になって、気になって仕方ない……そんな焦がれるような状態に、なっていたのだろうか?


アルベルトはレオナルドを見るが、レオナルドの視線は窓の外を見ている。


「祖先の聖獣の魔力が強ければ強いほど、つがいの存在は、どんなに離れていても感じ取れるとか。さすがにプラサナス城は遠すぎても、旅籠がある辺りなら、手に取るように気配を感じられたはずです。そして番の身に迫る危険を察知した。だから慌てて駆け付けたのでは? 


わたしは文献で読んだことがあります。つがいに出会わなければ、それはそれで平穏な一生となる。だが番に出会えれば、その日から世界は変わる。共にあれば、世界は輝き、失えば世界から色が消えると。番であるパトリシアを助けたい、その一心であなたは王都からこの場所まで、持てる力を駆使し、駆け付けたのではないですか?」


アルベルトが言うことが事実なら……。

紛れもなく私はレオナルドのつがいであり、そうまでして助けたい相手だったということになる。そう思うと……胸が熱くなる。


「わたしは確かにパトリシアが好きです。でもどうもパトリシアの心は、わたしにはない。なぜなのかと悩みましたが……。魔術師レオナルド。パトリシアがあなたのつがいなら、わたしに出る幕はないです。番同士は惹かれ合ってしまうもの。引き離せば、双方が不幸になるだけです。あなたは、わたしとパトリシアが婚約し、王宮にいればそれでいいと思ったのでしょう。つがいの安否を、身近で感じられればと。でもわたしと結婚をすれば、パトリシアには世継ぎが求められます。わたしとパトリシアが毎夜過ごすのを、静かに見守るなどできないはずでは?」


核心に迫る言葉に、心臓がドキドキしてしまう。

それにアルベルトはこんな話をレオナルドにして、何をしたいのだろうか……?

お読みいただき、ありがとうございます。

このあともう1話公開します!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【一番星キラリの作品を紹介】
作品数が多いため、最新作を中心にバナーを並べています(2025年12月の大掃除で・笑)。 バナーがない作品は、作者マイページタイトルで検索でご覧くださいませ☆彡

●9/2発売●
バナークリックORタップで書報ページ
悪役令嬢はやられる前にやることにした
『悪役令嬢はやられる前にやることにした』

●本編完結●
バナークリックORタップで目次ページ
やらかしてしまったモブ令嬢です
『やらかしてしまったモブ令嬢です 』

●新連載●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢に転生!婚約破棄で推しと家族が闇落ち!回避したいだけなのに
『悪役令嬢に転生!婚約破棄で推しと家族が闇落ち!回避したいだけなのに』

●溺愛は求めていませんよ?●
バナークリックORタップで目次ページ
平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!
『平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!』

●紙書籍&電子のコミカライズ化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~
『悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~ 』

●これぞ究極のざまぁ!?●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は死ぬことにした
250万PV突破『悪役令嬢は死ぬことにした』

●出版社特設サイトはコチラ●
バナークリックORタップで出版社特設ページへ
婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!
80ページが試し読みできる特設サイトへ
『婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!』


●出版社特設サイト●
バナークリックORタップで出版社特設ページへ
婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!②
『婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!② 』

●もふもふも登場!●
バナークリックORタップで目次ページ
断罪の場で自ら婚約破棄シリーズ
『断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた』
日間恋愛異世界転ランキング3位!

●壮大なざまぁを仕掛けます!●
バナークリックORタップで目次ページ
婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした
『婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした』

●章ごとに読み切り!●
バナークリックORタップで目次ページ
ドアマット悪役令嬢~ドン底まで落ちたらハピエンでした!~
『ドアマット悪役令嬢はざまぁと断罪回避を逆境の中、成功させる~私はいませんでした~』

●宿敵の皇太子をベッドに押し倒し――●
バナークリックORタップで目次ページ
宿敵の純潔を奪いました
『宿敵の純潔を奪いました』

●コミカライズ化も決定●
バナークリックORタップで書報ページへ
断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない
ノベライズは発売中!電子書籍限定書き下ろし付き
『断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない』


●妹の代わりに嫁いだ私は……●
バナークリックORタップで目次ページ
私の白い結婚
『私の白い結婚』

●[四半期]推理(文芸)2位●
バナークリックORタップで目次ページ
悪女転生~父親殺しの毒殺犯にはなりません~
『悪女転生~父親殺しの毒殺犯にはなりません~』

●現実世界の恋愛物語●
バナークリックORタップで目次ページ
せと恋~瀬戸内の夕陽がつなぐ島の恋~
『せと恋~瀬戸内の夕陽がつなぐ島の恋~ 』

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。