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断罪終了後に悪役令嬢だったと気付きました!既に詰んだ後ですが、これ以上どうしろと……!?  作者: 一番星キラリ@商業ノベル&漫画化進行中
【本編】

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43/311

43:実戦経験を積む

そういう事情があるのか。


アズレークが沢山のゴーストを魔法で出してくれたので、練習は重ねていた。でも本物のゴーストを退治した経験は、まだない。ならば城でいきなり本物のゴーストの相手をするのではなく、ここで実戦経験を積むのは、いいことかもしれない。


「分かりました。お困りのようですし、私で力になれるなら、協力しましょう」


「ぜひ、お願いします!」


店の中に入り、持っていたトランクを預け、スノーと二人で店内の様子を探ることにする。


王族が利用するだけあり、店内は重厚な作りになっている。フロアに敷かれている真紅の絨毯はフカフカで、歩き心地がとてもいい。天井に飾られているシャンデリアも、城のホールを照らすような、豪華なものだ。テーブルに飾られている薔薇の花も美しく、椅子も立派で、格式が感じられる。


その時だった。


「オリビアさま、何かがいます!」


スノーが指さす方を見ると、一瞬、黒い影のようなものが見え、それが白いクロスの敷かれたテーブルの下に、隠れるように消えるのが見えた。


スノーと二人でそのテーブルに近づき、クロスを持ち上げると……。


テーブルの下の暗がりに、沢山の目があった。

ギョロギョロした目が一斉にこちらを見る。

い、いる、ただのゴーストではない。

モンスターゴーストだ。


私はすぐさま叫ぶ。


「聖杯よ、顕現せよ」


おへその下の紋章に魔力が集中し、熱を帯びている。

聖杯は無事、顕現した。

離れた場所にいるミネルバが、驚いてこちらを凝視している。


聖杯を手にすると、杖をスノーに預け、さらに魔法を唱える。


「聖杯に聖なる水を。遥かなるオケアノスよ、その水を杯に満たせ」


瞬時に聖杯に聖水……塩水が満たされる。


次の瞬間、クロスが風に揺れたようにはためくと……。

沢山の目を持つモンスターゴーストが、姿を現した。


テーブルの下に収まっていたのに、出てきたら、巨大!

こうなったら、聖杯ごと投げつけよう。


ということで、沢山の目を持つモンスターゴーストに向け、聖杯を投げつけると……。


効果覿面(こうかてきめん)だった。

まるで蒸発するように、その姿は瞬時に店内から消えた。

スノーが聖杯を素早く拾い、私に戻してくれた。


「聖女さま、今のは!? 何か巨大な靄のようなものが、うっすら見えたのですが」


ミネルバが顔を青ざめさせながら、私を見る。


「はい。モンスターゴーストでした。沢山の目を持つ、不気味な姿をしていました。でも今、退治しました。これで安心して王太子の一行を、迎えることができると思いますよ」


「そ、そうなのですね。聖女さま、ありがとうございます!」


喜んだミネルバは、御礼に御馳走したいと申し出てくれる。ありがたくその申し出受け入れ、昼食をいただくことにした。でも今日は、王太子の一行が貸し切りにしている。だから従業員がまかないを食べる部屋に、スノーと私を案内してくれた。案内されるとすぐに、料理がテーブルへと並べられる。


「オリビアさま、ゴースト退治をすると、美味しいものを食べられるのですね。スノーは今後、モンスター退治を、オリビアさまと生業にしたいです」


スノーはキッシュを頬張りながら、嬉しそうな顔をする。


「そうね。そんな風にできたらいいかもしれない」


でもそうなるには……アズレークに魔力を送ってもらわなければならない。


だがそれは無理な話で……。


修道院で主(しゅ)への祈りを深めたら、聖女になれたりするのだろうか?


そんなことを思いながら食事を続けていると、厨房の方がにわかに騒がしくなった。驚いて様子を見に行ってみると……。

お読みいただき、ありがとうございます!

引き続きお楽しみください☆

このあともう1話公開します!

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