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断罪終了後に悪役令嬢だったと気付きました!既に詰んだ後ですが、これ以上どうしろと……!?  作者: 一番星キラリ@9/2やられる前に発売:商業ノベル&漫画化進行中
【本編】

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34/311

34:暗闇に慣れる

午後になると、聖女の衣装として私が希望していた、裾の長いワンピースとベールが到着した。色違いで何着が用意され、早速着てみることになった。


一番好きな色味、セレストブルーのワンピースに白いベールを合わせると、アズレークが魔法で瞳と髪の色を変えてくれる。


髪はプラチナブロンドのストレート、瞳は碧眼。


「わあ、オリビアさま、本当に聖女みたいです。それに別人に思えます」


私の姿を見たスノーは大喜びだった。



翌日。


夕食の後、昨日と同じ、ベッドに横たわるアズレーク相手に短剣スティレットを振り下ろす練習をすることになった。実際、計画を遂行するのは夜で、王太子の部屋の明かりは消されている。だから明かりも消し、カーテンが閉じられた部屋での練習となる。


ただ、十字架のペンダントに、光の魔法をかけるとアズレークは言った。表面を三回こすれば、蛍の光のような明かりが、十字架に灯るとのこと。この淡い光を頼りに、動く練習をするという。


夕食後の予定は決まった。

でも日中は何をするのだろう?

その疑問に対し、アズレークは……。


「聖女は巡礼していることになっている。だからどんな国を巡ったのか、日中はそこら辺の知識を頭に入れよう」


アズレークのこの一言で、魔力を送ってもらった後は、座学に費やすことになった。



夕食の後、まずは明かりをつけた状態で、何度か練習を行うことになった。丁度聖女の衣装も到着したので、その姿で練習に挑む。


繰り返し行い、問題なく動けたので、いよいよ本番に近い状態で練習を始めることにした。つまり、明かりを消し、カーテンがひかれた部屋での練習だ。


そして実際に練習してみると……。

ついさっき動いた時は、なんら問題なかった。

だから例え電気が消され、暗い部屋でも大丈夫だろうと思ったのだが。


明かりがあった時は問題なかったのに、暗くなった途端にスムーズに動けなくなる。


まずは寝室に入り、暗闇に目を慣らしつつ、首につけた十字架のペンダントの表面を三回こする。蛍の光のような弱々しい光を頼りに、部屋の中を進む。


ただ、それだけでもものすごく緊張するし、時間もかかってしまう。

なんとかベッドに辿り着き、そのままベッドに乗ると。


「オリビア、違うよ」


突然のアズレークの声に、心臓が跳び上がりそうになる。


「実物は、今日使わない。だが即効性のある眠りの香の欠片が入ったお守りを、かがせるのだろう?」


そうだった。すっかり忘れていた。

ベッドに辿り着くことに必死になり過ぎて、大切な手順をごっそり忘れている。


「すみません。やり直します」


一度寝室を出て、入るところからやり直す。


蛍のような弱い明かりを頼りに、アルベルトに扮しているアズレークの元へ行く。ワンピースのポケットからお守りに見立てた布を取り出し、横たわるアズレークの鼻元に持っていく。それが終わると布をしまい、心の中でカウントし、アズレークの様子を確認する。


大丈夫。眠りの香りは効いた。

ベッドに乗ろうとすると……。


「違うよ、オリビア」


またも声をかけられ、動きが止まる。


「ベッドに乗る前に、短剣スティレットは顕現させておく、だろう?」


そうだった!

この暗い空間に気が急いて、すっかり忘れていた。


「すみません、やりなおします」


再び部屋を出て……。


眠りの香りをかがせた後、効果を確認し、短剣スティレットを顕現させる。

それからベッドに乗り、アズレークにまたがってから気づいた。


横向きに寝ている……!


必ずしも仰向けに寝ているとは限らない、ということで、どのような姿勢で寝ているか、あらかじめ確認することになっていた。それは眠りの香りをかがせる時にすることになっている。


体の向きを確認し、問題があれば調整する。

それを終えたら、ベッドに乗る、なのに。


「すみません、手順を間違えました……」


「ようやく気づいたか。では」


「やり直します」


こうしてやり直しを続けた結果。


きちんと眠りの香りをかがせ、姿勢を確認し、そして短剣スティレットを先に顕現させ、ベッドに乗った。


ワンピースの裾をつまみあげ、短剣を手に取る。


十字架の淡い光で心臓の位置を確認し、鞘から剣を抜き――。


「成功だ、オリビア」


ようやく成功できた。


でもこの成功の後は、何度繰り返しても間違えることはなかった。暗闇に目が慣れると、一度明かりをつけ、そして消して練習を行った。


「今日はかなり遅くなってしまった。明日は少し起きる時間を遅らそう。スノーが起こしに行くまで、ゆっくり休むといい」


そう言うとアズレークは私を部屋まで送ってくれる。

とっくにスノーは寝ている時間だった。

お読みいただき、ありがとうございます!

次回は本日12時に「いつもと違う」を公開します。

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