↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
断罪終了後に悪役令嬢だったと気付きました!既に詰んだ後ですが、これ以上どうしろと……!?  作者: 一番星キラリ@9/2やられる前に発売:商業ノベル&漫画化進行中
【本編】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
16/311

16:人に見せ触れさせる場所ではない

驚く私に、アズレークは静かに頷く。


「起点は、物理的に紋章をそこに刻むことになる。それは魔力の有無に関係なく見えるものだ。でもこの紋章というのは、自由が効かなくてね。最初に定めたものを、一生使うことになる。そして私の紋章は、見る者が見れば、私のものとバレてしまう。だから普段、隠れる場所に刻むのが好ましい。おへその下など、普段、誰にも見せない場所のはず」


な、なるほど。

実に合理主義なアズレークらしい発想だ。

だが、しかし……。

おへその下……。


「パトリシア、後ろを向いて。これから起点のための紋章を刻む。使う魔法は弱いものだ。体への影響はほとんどないと思う。だが、もし何か体に影響があれば、私にもたれてもらって構わない」


「分かりました」


アズレークに背を向けると。


「……!」


後ろからまるでふわりと抱きしめるように、アズレークの腕が腰に回された。


あ……。

石鹸の香りがする。


「……!!」


アズレークの細く長い指が、おへその下に触れた。

ただのおへその下だ。

それなのに、なんだか変な気分になる。


「起点刻印」


……!

おへその下辺りに熱を感じた。

これは……。

くすぐったいような、何か微弱な感覚を、皮膚が感知している。


魔力を送りこまれる時に比べ、全然たいしたことではないのに。


多分、場所が、場所が悪い!

こんな場所、人に見せる場所でなければ、人に触れられる場所でもない。


たかがおへその下なのに……。

気付けば私はアズレークに体を預けていた。


「終わったよ。パトリシア。でもまだ休んでいい。5分も経たずに落ち着くだろう」


テノールの心地よい声が、想像以上に近い場所から聞こえ、心臓が跳ね上がる。


今、後ろにいるアズレークに体を預けているのだ。

声が近くて当然なのだが……。

心臓がドキドキして静まる気配がない。


……!


深呼吸をしようとしたら、アズレークの体から石鹸の香りを感じてしまい、さらにドキドキが止まらない。


リアルな恋愛経験がないのだ。

どんなことをされても、生身の男性と触れ合えば、反応してしまう。


「煌めくダイヤモンドダスト」


アズレークの囁きが、耳元でハッキリ聞こえ、心臓がドクンと大きな音を立てたが……。


「見てご覧、パトリシア」


言われてアズレークが指さす方を見ると。


「綺麗……」


空気の中の水蒸気が凍り、太陽光を受け、光り輝く現象、それがダイヤモンドダスト。


それを魔法で作りだしたんだ……。

青空を背景に見るダイヤモンドダストは、とても神秘的だ。

いつまでも見ていたい。

そんな気持ちになっていると。

その煌めきが、静かに消えた。


「さて、練習を再開しようか」


ゆっくりアズレークが、私から離れた。

その瞬間。

胸がきゅんと震えた。


後ろから、抱きしめられるようにされている間。

なんだか守られているような気持ちがした。

それがなくなり、心細くなったのだろうか……。


「さあ、パトリシア、もう一度やってみて」

「はい」


深呼吸をして、指を腰の聖杯に向ける。

ゆっくり目を閉じる。

魔力をイメージする。

自然と、さっき見ていたダイヤモンドダストが、目に浮かぶ。

そのダイヤモンドダストが煌めきながら……。

おへその下の辺りがジンジンと熱くなる。

魔力がそこへ集中していると分かる。

ダイヤモンドダストに姿を変えた魔力の塊が、聖杯を包み込む。


「ハイド・アンド・シーク」


できただろうか……。


「成功だ、パトリシア」

「……!」


目を開け、腰のリボンを見ると、そこに聖杯はあるのだが、まるで陽炎のごとく揺らめいて見える。


「今日はここまでにしよう。初めての魔力のコントロール、魔法の発動にしては上々だ」


アズレークの笑顔は本当に美しく、そして心から喜んでいると分かった。

それを見ていると……私も嬉しくなっていた。

お読みいただき、ありがとうございます!

引き続きお楽しみください☆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【一番星キラリの作品を紹介】
作品数が多いため、最新作を中心にバナーを並べています(2025年12月の大掃除で・笑)。 バナーがない作品は、作者マイページタイトルで検索でご覧くださいませ☆彡

●9/2発売●
バナークリックORタップで書報ページ
悪役令嬢はやられる前にやることにした
『悪役令嬢はやられる前にやることにした』

●本編完結●
バナークリックORタップで目次ページ
やらかしてしまったモブ令嬢です
『やらかしてしまったモブ令嬢です 』

●新連載●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢に転生!婚約破棄で推しと家族が闇落ち!回避したいだけなのに
『悪役令嬢に転生!婚約破棄で推しと家族が闇落ち!回避したいだけなのに』

●溺愛は求めていませんよ?●
バナークリックORタップで目次ページ
平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!
『平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!』

●紙書籍&電子のコミカライズ化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~
『悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~ 』

●これぞ究極のざまぁ!?●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は死ぬことにした
250万PV突破『悪役令嬢は死ぬことにした』

●出版社特設サイトはコチラ●
バナークリックORタップで出版社特設ページへ
婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!
80ページが試し読みできる特設サイトへ
『婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!』


●出版社特設サイト●
バナークリックORタップで出版社特設ページへ
婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!②
『婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!② 』

●もふもふも登場!●
バナークリックORタップで目次ページ
断罪の場で自ら婚約破棄シリーズ
『断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた』
日間恋愛異世界転ランキング3位!

●壮大なざまぁを仕掛けます!●
バナークリックORタップで目次ページ
婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした
『婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした』

●章ごとに読み切り!●
バナークリックORタップで目次ページ
ドアマット悪役令嬢~ドン底まで落ちたらハピエンでした!~
『ドアマット悪役令嬢はざまぁと断罪回避を逆境の中、成功させる~私はいませんでした~』

●宿敵の皇太子をベッドに押し倒し――●
バナークリックORタップで目次ページ
宿敵の純潔を奪いました
『宿敵の純潔を奪いました』

●コミカライズ化も決定●
バナークリックORタップで書報ページへ
断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない
ノベライズは発売中!電子書籍限定書き下ろし付き
『断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない』


●妹の代わりに嫁いだ私は……●
バナークリックORタップで目次ページ
私の白い結婚
『私の白い結婚』

●[四半期]推理(文芸)2位●
バナークリックORタップで目次ページ
悪女転生~父親殺しの毒殺犯にはなりません~
『悪女転生~父親殺しの毒殺犯にはなりません~』

●現実世界の恋愛物語●
バナークリックORタップで目次ページ
せと恋~瀬戸内の夕陽がつなぐ島の恋~
『せと恋~瀬戸内の夕陽がつなぐ島の恋~ 』

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。