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IFルート

 ヴァンス王国と帝国の戦争は勇者を使われ当然のごとく帝国の勝利で終わった。

 帝国は暗黙のルールを破ったとして他の国から責められることになるが、当然勇者がいない国に負けるわけがなかった。勿論勇者を召喚して攻めてきた国もあったが、勇者の質が違いすぎたために帝国は勝利していた。


 勇者達は心が壊れていた。

 自分たちが人間を切った感触、燃やした感触、様々な理由はあるが、皆が人間を殺した感触を忘れることが出来ずに心がズタズタに壊れてしまった。

 その中にも心が壊れていない者もいるがそれは時間の問題だろう。


「俺達は、魔王を倒すために召喚されんじゃねぇのかよ......」

「なんで、なんで、私たちと同じ人を殺さなきゃならないのよ」

「俺達は戦争の道具じゃないんだぞ」


 暗い部屋の中でそんなことを呟いていたりとしているがそんなのは関係ないとばかりに焦った様子の人がくる。


「た、大変です!」

「うるせぇ、もう俺達は戦争の道具になんてならねぇぞ!」

「ち、違います、魔王が......攻め込んできました」

「魔王......だと?」

「魔王を倒したら私たち帰れるんだよね?」

「あぁ、確かにそう言っていた」

「早くそんなやつ倒しちゃおうよ......それで早く帰ろう、皆で」


 皆が帰れる、帰れるんだと、動き出すのは早かった。

 それ故に帝国のもの達はこれで何とかなると安心していた。

 そして勇者達が外を見るとそこには、スケルトンだったり、魔獣だったりと、色々な奴らがいたが勇者にとっては本来であればざこ同然だった。


「なんだよあれただのスケルトンじゃねぇか、強そうな魔獣も居ねぇし、楽勝じゃねぇか」

「えぇ、少なくとも人間を相手にするよりは簡単なはずよ」


 そしてそのスケルトンや、その近くにいたもの達、ヴィラやランドル、スチュが魔法を打ち込み、ものの10秒もしないうちに勇者達がいた城は、城とは言えないような形になっていた。


「な、なんだよあれ、なんでスケルトンが魔法を使ってるんだよ! リッチでもないただのスケルトンが」

「私に聞いたって知らないわよ」

(あの魔族......雪くん似てる......)


 逃げ惑う人々、ただ、その人々は1人たりとも逃げ切ることは出来なかった。

 雪の作りだしたスケルトンの身体能力は異常だったため、スケルトンだと、侮ったものや、逃げようとしたもの、1人残らず死体となって転がっている。


「クソっ、おい、誰でもいい、まずは魔法を打ち込むんだ!」


 勇者達も魔法を打ち込むのだがそんなものは関係なしとばかりにスケルトンは避ける素振りすら見せずに魔法に当たる。


「よし、この調子でーー」


 そう思ったのもつかの間、スケルトンは無傷で爆風から出てくる。

 このままじゃだめだ、そう思い、魔戦士の女は城とは呼べない形の城から飛び出した瞬間、城が崩れ落ち、勇者達の悲鳴が聞こえてくる。

 魔戦士の女は絶望からその場に膝から崩れ落ちる。

 そこに歩いてくる1人の人影、その人影には角がある事が影からもよく分かる。

 女のま戦士は恐る恐ると言った感じに聞いてくる。


「雪君?」

「久しぶりだな、めぐみ」

「なんで......? その、頭の角は何?」


 状況が理解できないと言った感じで聞いてくるが、何と言われても雪にはそのまんまだと答えるしかないだろう。


「なんで、とは? この角は俺がここに来た時からあった」

「雪君が魔王なの? やめようよ、こんなこと、今ならまだ間に合うよ?」


 泣きそうな顔でそんなことを言ってくるが何が間に合うというのか、雪には理解できなかった。


「最後にいいのこす言葉はそれでいいか?」

「な......なんで? 私達幼なじみで、仲良しだったのに......最近は喋ってなかったけど......」

「たしかに、お前と幼なじみだと言う理由で俺はいじめられていたな」

「な、なにそれ! そんなの私知らないよ......」

「お前に気づかれないようにやってたんじゃないの? どうでもいいけど」

「ご.....ごめんなさい、私のせいで......」

「めぐみ、謝らないでくれ、俺は怒っているわけじゃない、これは、仕方の無いことだ、お前は勇者で、俺は魔王、こうなる運命だったんだよ」

「何を......」

「どんな物語だって魔王と勇者は戦っているだろ? 仕方ないことだ、受け入れろよ、人間」


 その瞬間、雪の冷たい目線と一緒にめぐみの首がはねられる。

 そして、雪は歴史に名を残す魔王になるのだった。

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