表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
砦の日々  作者: 花屋
《降臨編》
68/68

62.ミュンミュンちゃん(=非常食)

Side:シン


 魔族や人間を殺すのと、魔獣を殺すのとどう違うだろう?


 魔族や人間とは会話ができる。……だが、高位の魔獣だって意思疎通ができる。

 魔族や人間は俺たちと同じ姿かたちだ。……だが、血のつながりでいえば、俺たちは魔獣のほうに近い。

 魔族や人間は悲鳴をあげる。……だから何だ?


 俺たちの存在は、上のほうの魔族は知っていた。そいつらでよく、俺たちを異常に危険人物扱いする奴らがいた。目が合えば殺されるんじゃないだろうか、とか。俺たちは血や死体が大好きな奴らだろう、とか。


 勘違いしてもらっては困るが、俺たちが狂うほどに求めているのは、「戦う」ことだ。それが目的であって、殺すことや殺されることはさして問題ではない。だが、あっさり死なれると戦っている気分がしない。虐殺っていうのも悪くはないが……それほど楽しくないな。殺されるのも困る。それ以上戦えなくなるじゃないか。


 つまり、何かっていうと、だ。


「強ければ殺す。弱ければその場の気分。で、いいか?」


「いいよー!!」


 ナグサから元気な返事が返ってきた。他の奴らも不満はなさそうだ。


 だが、殺すことになる確率は高い。アメが発見したのが住人……魔族の形をしていたからだ。

 俺たちの先祖は、魔族と魔獣が交わった。だが魔獣そのものが魔族と交わられるわけがなく、高位の魔獣は魔族の形をとっていたと考えられている。

 ということは、だ。今回発見した住民たちが、魔獣が魔族の形をとったものならば、彼らは高位――限りなく強いに違いない。


 正直に言う、わくわくしている。




Side:ナグサ


 ということで、先住民の住む村への道中♪


 今あたしたちは魔獣に乗っている。別に自分で走ってもいいんだけどね。だって今なら、馬と夜中ずっと並走してても、全然平気な気がするんだもん。


 でも、出発するぞー!って時に、この魔獣を見つけたんだ。おっきい鳥さんの羽を鱗にした感じ。鱗の色が透き通った黄色ですごく綺麗。鱗があるけどドラゴン…じゃ、ないと思うんだよね。可愛いから、どっちでもいいけど!

 最初は殺そうとしたんだけど、戦闘中にこの鳥さんの上に乗ってみたら、すっごく乗り心地がいいの!それで、殺さずに屈服させることにして、捕まえたのがこの6匹。

 あたしが乗ってるのがミュンミュンちゃんね。ミュンミュンちゃんは最初にあたしが乗っかった子。乗っかったら大人しくなったんだけど、それまでが大変だった。だって凄く抵抗するんだもん。風を生み出す翼を両方とも切り落として、くちばしも殴って半壊させないと駄目だった。後からカエデちゃんとナグサちゃんに怒られたよぅ。


 でももしお腹がすいたら解体バラして食べることもできるよね。あたしって頭いい!


「なあなあ、あれじゃねー?」


 セドが遠くを指差す。目をこらすと、村みたいなのがあった。


「おそらくあれだな」


 シンと相乗りしてるアメちゃんがこくりと頷く。

 らぶらぶでいいよね。カエデちゃんとアケビちゃんは、まだ付き合ってない、って文句言ってたけど。よくわかんないや。


 その村はよくある村だった。こっちから見えるのは門だけだから中は見えないけど、木でつくった簡素な杭に囲まれた村。あたしは人間界でも魔界でも色々町を見てきたけど、あんなぼろい村初めて!

 本当にあの中に強い魔獣が暮らしてるのかな。


「よっし、レッツゴー!」


「あっ、ナグサ先行くなよッ」


 ミュンミュンちゃんと一緒に風を切るのがとても気持ちいい。

 なんだかね、あーいいなあ。自由だなぁ。そんな感じ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ