開戦
激おこだ。
プンプン丸だ。
合体すれば流行語になっちゃうけど、もうそれぐらいムカムカしてる。
ナナミさんは俺のスマホ覗いてるし。
ヒカリさんだって、ちゃんと止めなかったんだろ?
いじめを傍観してるのと同じだ。
別に勇者は仕事じゃないし。
学校でもない。
無理に顔を合わせる必要もない。
「ムカつく。」
まっすぐ帰宅と思わせてちょっと違うことしよう。
…………………………………。
「おかえりなさいませ!ご主人様!」
「……ただ…いま?」
「はい!ではお席に案内しますね!」
何を思ってメイド喫茶にしたのかは分かんない。
声掛けのメイドさんに連れられなきゃ入店する勇気も無いわ!勇者だけど!
「こちらメニューになります!」
「……っ…パ、パフェと…温かいお茶あります?」
「はい!萌え萌えストロベリーパフェとキュン茶ですね!すぐにお持ちします!」
確認のためとはいえ、メニュー名フルで言われると恥ずかしい…
キュン茶ってなんだよ…緑茶がいいんだよ…
vvvvvv……vvvvvvv……
「しつこい。」
スマホの電源オフ。
ヒカリさんから電話がずーーーっと。
そんな事ねえよとは思うんだけどスマホぶっ壊れる気がしちゃうよねこんだけ電話鳴らされたら。
「お待たせしましたご主人様!こちらが萌え萌えストロベリーパフェです!キュン茶は少し後にお持ちしますねー!」
「ど、どうも…」
「あー!待ってください!美味しくなる魔法をかけましょう!」
「………。」
「私の後に続いて言ってくださいね!せーの!萌え萌え〜!ウマウマ〜!萌えウマ〜!」
「も、萌え萌えー…ウマウマー…萌えウマー…」
「完璧です!それでは、ごゆっくりどうぞ〜!」
恥ずかしくて死にそう。
下手な魔物より手強い。
何あのメンタル。
俺なら10分ももたないよ!
「……あ。萌えウマ。」
……………………………………。
「ナギ君どこにいるのかしら…自宅に伺ってみようかな…」
「すみません。お嬢さん、ちょっと道を聞きたいんだが…」
「はい。目的地はどちらですか?」
「あ〜っと、区役所なんだが…」
「区役所はその道をまっすぐ、大通りに出たら右に曲がって道なりで着きます。」
「あ〜っと、区役所なんだが…」
「…来るのね…ゆっくりしていられない時に…!」
「あ〜っと、区役所なんだが…」
ズゥゥゥゥン…
「……!…炎よ。我が心を燃やせ。そして敵を焼き殺せ!」
((ボルケーノ・ピラー))
キュィーー…ゴオオオオオオオオオオオ!!
「相手してる暇無いの。」
(())ディープ・エンド(())
「……!その魔法は…」
《スイは暑いの嫌い…》
「魔王!!」
《お前が暑いのか…殺す…》
((ボルケーノ・メイル))
(())ウォーター・ショット(())
ジュッ…!
「今回は私の方が上なのかしら…」
(())ディープ・テンペスト(())
「させないっ!」
((ボルケーノ・テンペスト))
ポタ…ポタポタ…サアアア…ザァァァァァ…!!
スゥゥゥ…ゴオオオオオオオ…!
「打ち消せない…」
((ボルケーノ・ブレード))
《暑いの…醜い…》
(())ワイプ・アウト(())
「こんな道じゃ避けれ……!」
ザパアアアアアアアン!!
「…ゴホッゴホッ…」
((ボルケーノ・アロー))
《死ね。》
(())ディープ・エンド(())
(())ブルー・
「おやおや。手駒が言うことを聞かないとは困りましたねえ。」
「…マリオ…!!」
「ヒカリさんを無傷で連れていくと言ったでしょう。どうして殺しに来たのですか?子供の魔王ではそんなことも分かりませんか…」
「…それにしても、なんという天気なんですかねえ。空が燃え、雨が降るとは…。」
(我が身を移せ…)
「ハハハハハ!どうぞ。逃げても構いませんよ?」
「……っ。」
「言ったでしょう。あなたを傷つけることはありません。大人しくついてくると言うならばこの後人間に手出しすることは無いでしょうが…」
「なら…戦力を整えてあなた達を全員返り討ちにしてあげるわ…」
「それも一つの考え方ですねえ。お好きにどうぞ。」
((ムーヴ・ウルトラ))
ヒュン!
「さてさて…狩りの始まりですよ…」
…………………………………。
勇者、俺は勇者だ…!
やってやる!!
「すいません。」
「はい!」
「萌えじゃんゲームを…」
「萌えじゃんですね!相手は私でいいですか??」
「は、はい…」
「それではゲームの説明をしますねー!」
くっ!自殺行為だったか!!
心に刃を自ら突き立てるような…
既に刺さってるような…
抉っちゃってるような…
「それでは!萌えじゃん!萌えじゃん!萌えればイイじゃん!じゃんじゃん萌えるぜジャンケンポン!」
ここで勇者の特権。
球技大会の時みたいにズルしちゃえば勝ち確なんだよ。
卑怯な手を使う勇者で悪かったな!
でもこういうサブイベントはたまーに超めんどくさいんだからな!
…パーか。
「チョキ。」
「あー!私パーです!負けちゃいましたー!じゃあ次!第2ラウンド!」
「…なっ!」
しまった!この恥ずかしいのまだやんのかよ!
…………。
結果5戦もやった。
全勝したけども。
「すごいです!ご主人様!じゃあご褒美のチェキ!1勝につき1枚なので、5枚撮りますね!」
ただジャンケンだけするもんだと思ってた…
地獄かよ!!
「ちょっと横失礼しまーす!」
「ちょ…」
あ、近くで見ると悪くないかも…
そうだよな、中身は普通に女の子してるんだよな。
少し良い匂いする…
「ご主人様!手でハート作りましょうか!」
「え?…こう?」
「はい!撮りますねー!」
アレだ。2人で手を合わせてハートを作るポーズ。
くっそ恥ずかしい!くっそ恥ずかしい!
1回じゃ足りないから2回言ったよ!
…………………。
「行ってらっしゃいませ!ご主人様!」
無事に戦いを終えた…俺は生きてる…!
すごく鍛えられた気がする。
羞恥心が。
「せっかくだし、ヒーローマニアでグッズとか見て行くか。」
俺は新たなる獲物を求めて…
…………………………………。
「なに!?また魔王が出た!?しかも前に殺したヤツが?」
「マリオは何か特殊な魔法で蘇らせたのかと。」
「蘇生魔法は本来死後3時間以内であり体が欠けていない場合に効果が限定される。前はそいつの首を刎ねたんだろ?」
「はい。縫合の後もありませんでした。」
「魔王を蘇生か…マリオのやつ…」
「私が目的のようです。」
「あん?」
「私の体を無傷で手に入れたがっています。投降すれば人間に手出ししないと。」
「んなもん嘘に決まってんだろ…すぐに他のギルドにも連絡して戦力を集める。マリオもぶっ殺すぞ。お前も準備しとけ。」
「はい。」
…………………………………。
Prrrrrrrrrr
「はーい!人々を守る勇者の集い、メシアの受付でーす!…あー!ナナミ様ですかー!…えー!それは大変!ジミーさん行かせますねー!」
ガチャン。
「僕が何?」
「ジミーさん!中央エリアに魔王とマリオ?が出たみたいです!ギルドマスターさんから助けてくれって電話でした!」
「…行かなきゃダメかな?」
「勇者ですから!」
「はぁ…」
「魔王討伐!今回ジミーさんが大活躍したら!」
「…!したら!?」
「………んー…どうしよう。」
「え?」
「じゃあ!ご飯デート!どうですか?」
「今すぐ向かう。僕が世界を救ってみせる。」
「おおー!」
「実戦投入するのにも良い機会だから。いくつか持ってこうか。」
「分かりました!用意しておきますねー!」
「デート…うひ。」
…………………………………………。
「ナナミ様!現在中央エリアに大量の魔物が発生!交戦中です!」
「そうか。"ペット"を呼び出せ。」
「はい!」
…ダダダダっバァン!
「すぐ来たにゃあ!!」
「早いのはいい事だな。」
「はぁ…はぁ…もう、ルナちゃん…!」
「やっぱりあいつは最後なんだよな。」
「みんなぁ〜…」
「揃った所で。お前らも戦闘は慣れただろ?」
「「はい!」」
「にゃ。」
「今ウチのエリアで魔王と裏切り者が暴れ回ってやがる。」
「にゃにゃ!?魔王討伐ですかにゃ!!?」
「お前らにはまだ早い。」
「早いのはいい事って言ってましたにゃ!」
「じゃあ殺されに行くのか?」
「にゃぁ〜…」
「おまけに魔物が大量に湧いてんだよ。お前らには魔物の掃除を頼む。他のやつらが魔王討伐に専念出来るようになるべく早く全滅させろ。」
「あのぉ…魔物の数ってぇ…」
「今日を乗り切ったらお前らに休みを与えるほどには多い。」
「私達だけで出来ますか?」
「俺が育てたんだ。出来るかなんて聞くんじゃねえ。やるんだよ。」
「はい。」
「どうしてもキツくなったら緊急の合図だ。治療師を飛ばすからな。」
「魔物ボッコボコ大作戦にゃ!」
「ああ。頑張れよ。」
ナデナデ
「にゃあ〜!」
「お前らも来い。」
「はい。」
「はぁい。」
ナデナデ…
「よし。行ってこい!!」
「にゃあ!!」
「ミミちゃん、手繋ご!遅れないように!」
「うん!」
「さあて。俺も出なきゃな。」
ガラガラ…
「へへ。笑ってやがる…行ってくるぜ、ハル。」
ガラガラ…カチャカチャ。
「お前らぁぁ!集合しろおおおおおおおおお!!」
……………………………………。
「ヒカリさんの体一つでここまで大事になるとは…ですが、一網打尽と思えば。」
((ジュエル・リリース))
《デエエエエエエッ!》
「加減は無用ですね、私のコレクションも惜しまず披露しましょう…」
((ジュエル・リリース))
「……………………………………。」
「ほら。これは君のでしょう。」
「………俺の…」
「それで敵をなぎ倒してもらいましょうか。キッド君。」
「いえ、"破壊の勇者"の方が聞こえがいいですねえ。」




