表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/26

25.ビスからの手紙


 親愛なるクルトンへ


 怪我は治りましたか?

 昨日、壊れた塔から降りるときに、君の足がすごく傷だらけになっていてすごく心配しました。ボクもまた傷だらけで同じような感じだったけれど、ボクはすっかり大丈夫です。いえ、大丈夫って胸張って言えるほど大丈夫でもないんだけれど、ともかく、心配はいらないくらいになっているので、もし少しでも心配していたら、安心してください。

 君も花の町の様子を見てきたと思う。ねぼすけな君だけど、昨日あんなに寝たんだから今日くらいは早起きして町の様子でも見て来たんじゃないかなって思ってたんだ。何故なら、ボクも見てきたからね。キャンディちゃんと一緒にだよ。君も誘おうと思ってお家に訊ねたんだけれど、あいにく君は外出していたんだ。さてと、そろそろ本題に入らせてもらおうかな。あのあと、キャンディちゃんとも話して、町の人達にいろいろ話を聞いて感じたことなんだけれど、ボクとキャンディちゃんが覚えている事と、町の人達が覚えていることがちょっと違うんだ。そうそう、フレイズ・ベリーっていう女の人がいたじゃない。あの人は、用心棒だって。警察ってあった気がしたんだけれど、ボクとキャンディちゃんの覚え違いなのかな? もしかして、君もこの手紙を読んで奇妙に思っていたりするのかな? そうだったら、すごく心細いな。

 ねえ、クルトン、親愛なるクルトン、君は覚えていますよね?

 今日の朝、キャンディちゃんと合流する前に、コスモス爺さんのところに行ったんだけれど、自分がつけたメドサって星のことすら忘れちゃってるんだ。他の人も……そうそう、《歌姫》のリィも、あの曲ばかりを歌っていたことをすっかり忘れちゃっているんだよ。昨日の夜の事を覚えているのは、ボクとキャンディちゃんだけなんだ。キャンディちゃんすら、夢だったのかしらって言い始めちゃうくらいだし。

 ねえ、クルトン、親愛なるクルトン、君は覚えていますよね?

 不思議な旅人のこと。ただの風来坊だとしかボク達は思っていなかったけれど、キャンディちゃんによると、剣とか抜いていてすごくかっこよかったんだって。その彼のこと覚えているよね? 町の人はみんな忘れているんだ。あんなに人懐こい旅人だったのに、話しても全然通じないんだ。

 おかしいよ。なんか、変だよ。おかしいくらい、今日の花の町は活気溢れているし、おかしいくらい今日の花の町は綺麗なんだ。

 ねえ、クルトン、本当に君は、覚えていますよね?

 もし、覚えていたら、覚えていなくても、この手紙にお返事をくれたらすごく嬉しいです。最後になったけれど、読んでくれてありがとう。


 あなたの大親友 ビス=ケット


 追伸・花の町って本当に素敵だね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ