第五十六話 真実の断片
やがて...
俺達はビルについた
今日の任務は本当に緊急なのかランク付けのためなのかは知らないが、学園長も同伴だった
学園長はビルに指を向け何かを数え出した
学園長「1、2、3....」
やがて数え終えたのかこちらに向き直った
学園長「お前達にぴったりの任務じゃないか」
学園長「ビルはちょうど7階だ」
学園長「一人一階を担当してもらう」
学園長「誰がどの階を担当するかは自由だ」
零「....細心の注意を払えって言った割には大雑把に任務を進めますね」
学園長「やられたのはたかがテロリストだ」
学園長「忘れたか?」
学園長「お前達は一人一人が国を陥没させる事が出来るほどの実力を要してる」
学園長「そんなお前達がこんな所でやられるとは思えないな」
零「.....」
司希「では、その方針で行こう」
司希「お前ら、どこの階を担当したいとかあるか?」
凛「じゃ、私3かーい」
美月「じゃあ、私は2階担当で」
悠「じゃあ、俺は4階見るかなぁ」
湊「....5階回ります」
紫苑「.....6階」
次々と埋まっていく担当の階
まぁ....
正直どの階に犯人がいるかなんて分からないから運任せなんだがな...
零「じゃあ、俺は一階で」
司希「.....俺が最上階、か」
学園長「担当する階も決まったようだな」
学園長「では、プレデター」
学園長「任務兼ランク付け試験....」
学園長「開始だ」
そのまま俺達はビルの中へ侵入し、俺は一階を
他の人達は階段を駆け上がり、自分の担当の階へと行くのだった
美月「......」
私は2階を担当していたわけだが....
正直何もなかった
つまらないお化け屋敷を体験させられている気分だった
一個一個部屋を周り、たまに出てくる意識を飛ばした能力者を無力化する
ただ、それだけの任務
美月「私の階はハズレかなー」
一人、そう呟くのだった
凛「......」
私は3階担当だった
こんな簡単な任務私には余裕...
凛「なわけがないでしょ!!」
とにかく怖いのだ
私は学園長が言ってたテロリストを一掃したやつなんかよりもこの場の雰囲気の方が怖かった
凛「電気ぐらいつけようよぉ」
私の思いも虚しく、そのまま調査を進めるしかないのだった
悠「うわー雰囲気あるなぁ」
俺は4階に立っていた
悠「んーこれだけ膨大な数の部屋を一個一個確認していかないといけないのか....」
正直だるい
そう思ったが...
悠「今回は任務でもありランク付け試験だからね」
悠「流石にここで能力使っちゃったら俺の成績がひどい事になりそうだしな」
俺はそう思い直し、部屋を一個一個確認するのだった
湊「......」
俺は5階の担当だった
しかし...
湊「随分としけたビルだね」
正直何も面白くなかった
特に俺が許せないと感じる事もないため能力も発動できない
ただ目の前に立った敵をフルスイングでぶん殴る
湊「これがプレデターの初任務とか....」
湊「この先が思いやられるっての」
ぶつぶつと文句を言いながらも、俺は先に進むのだった
紫苑「......」
バァン!!
ヒューー!!
ボンッ!!
ドオオオオオン!!
紫苑「........」
司希「......」
俺は最上階を探索していた
部屋を確認し、雑魚は蹴散らした
残るはこの会議室だけ
でも...
司希「.....ここ、だろうな」
俺はその会議室の中からとんでもない禍々しさを感じていた
司希「どうやら俺は<当たり>を引いたようだな」
司希「まぁ...やる事は変わらない」
司希「俺はこいつを殺るだけだ」
俺はそう呟き
そのドアノブを捻りあげるのだった
零「......」
俺は一階を探索していた
だが....
連日命を賭ける程の勝負をしていた俺からしたらこんなの遊びにすぎなかった
部屋を探しては、雑魚を見つけそいつらを叩き潰して行く
零「アハハッ、一回こんな事あったな」
零「あれは確か....俺がEクラスの奴らをボコボコにした罰としてプレデターの任務に加えられたんだっけ」
零「懐かしいな」
零「あの時は、能力はおろか剣の力すらまともに使えなかったな」
零「ハハッ...」
俺は自分の掌を見つめる
俺、ちゃんと強くなれたんだな
....少しは兄さんに追いつけたかな
そんな事を考えていたその時...
零「....?」
俺は違和感を感じた
俺が今踏んだ地面だけ、感触が違う...?
俺は試しに違和感のある地面と普通の地面を両足で踏んだ
左足にはしっかりとしたアスファルトの感触が伝わり
右足には何か柔らかいものを踏んだ感触があった
零「....ものは試しだよな」
俺はその違和感がある足場に
零「ふんっ!」
剣を突き刺した
次の瞬間....
パリンッ!
と、そんな音と共に床が割れた
しかしその下から現れたのは地面ではなく....
零「階...段...?」
地下一階へと繋がる階段があった
そこはまるで...
絶対にバレてはいけない場所と言わんばかりに厳重に隠されていた
零「......」
俺は数秒程悩んだ末に....
零「行くか」
下に降りる事にした
俺は位置情報が分かるという小型機械を手に取り
次の瞬間
俺はそれを地面に投げ捨て踏みつけた
零「....生憎と、成績よりも気になるものが見つかったもんでね」
俺はそう呟き、その階段を降りるのだった
地下に降りると...
零「デジャヴだな」
そこは前回、あの不死身の実験体と戦った場所にそっくりだった
壁にはヒビが入り、部屋中に割れたカプセル
一つだけ違う点があるとするなら...
ここには古びた資料がたくさん積み上げられていた
俺は一番上にあった資料を手に取り、読んでみた
そして....
零「なっなんだよこれ!?」
そんな声をあげるのだった
第五十五話 終了




