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第三十九話 勇者なき世界でのリベンジ

魔王「ハッ!」

魔王はそんな俺の言葉を笑い飛ばした

魔王「勇者でも勝てなかったのにお前が勝てるとでも?」

魔王「自惚れるのもいい加減にしろ」

魔王「そんな弱体化した剣で何ができるんだ!」

零「....お前はさ....」

零「攻撃力1のスライムがいるとしよう」

魔王「....なんだ..急に...」

零「まぁ、聞けよ」

零「そのスライムの攻撃力は1、対して自分の体力は一万」

零「スライムは一撃与えようが一ダメージしか与えられない」

零「だが....」

零「もし、そのスライムが死ななかったらお前は勝てるのか?」

魔王「.......」

零「簡単な話だろ」

零「俺のこの剣は確かに弱体化してるかもしれない」

零「あの頃の勇者には到底及ばないかもしれない」

零「でも.....」

零「なら俺は何回だってお前に攻撃するだけだ」

零「何度殺されようが」

零「俺の攻撃力が1だろうが....」

零「俺はお前の死に様見るまで絶対に死ねない」

零「だから....」

零「勝つのは俺なんだよ」

零「決着を付けようぜ」

零「現魔王vs勇者の力を持つ人間の最終決戦を」

魔王「.....だまれ」

そんな圧のかかった一言

魔王「お前と話していたら気分が悪くなる」

魔王「もう喋るな」

魔王「何が死なないだよ」

魔王「なら死にたいと思わせるまでだ」

その瞬間

魔王の体が大きく動いた

気づけば魔王は眼前にまで迫っており

黒い剣を振り上げていた

俺は咄嗟に剣を振り上げガードした

しかし....

零「くっ....!」

魔王の圧倒的な力に押されていた

俺は一度大きく後ろに飛び上がり魔王と距離を取った

魔王「なんだ?あんだけ大口叩いてやる事は回避?」

零「....お前は攻撃が飛んできたら回避しないで全部受けるのか?」

零「そりゃあまりにも脳筋バカすぎるな」

俺は鼻で笑ってやった

魔王「てめぇ...」

魔王は斬撃を繰り出した

俺はなんとかそれを受け流した

次の瞬間...

零「はやっ——」

斬撃を防いで前を向いた瞬間

魔王はすでに眼前にいて

あまりの速さに防御が間に合わず

零「あがっ!」

魔王の蹴りが俺の腹部へ深々と突き刺さり

俺は森の方へ吹っ飛び

木を何本も薙ぎ倒しやがて衝突し止まった

身体中が激痛で体を上手く動かせなかった

零「はぁ....はぁ...はぁ...」

肩で息をする

あぁ...昔からそうだった...

こいつの一番怖い所は能力でも剣でもない

この圧倒的な身体能力だった

極限まで鍛え上げられた肉体は、異能の力をも超越した

俺が木に寄りかかりながらそんな事を考えていると...

ザッザッザッ

木をふむような音が聞こえ

そして...

魔王「....生きてたか」

魔王が木陰から顔を出した

零「....なんとかな」

魔王は剣を振り上げ

魔王「1回目」

魔王「後何回お前を殺せば...」

魔王「お前の心は折れるんだ?」

そして...

ザシュッ!

心臓部に一突き

俺の意識は朦朧としてきた

薄れゆく意識の中で...

魔王「....がっ!」

俺は魔王の足に剣を突き刺していた

零「一ダメージは....与えとかねえとな....」

そして俺の意識は完全にシャットダウンし

そして

そして....


零「っ!!」

俺は意識を覚醒させ

剣を回収し後方に大きく飛び上がった

零「さて...こっちは死ぬ程の痛みを感じたが....」

零「全回復だ」

零「そっちは...」

零「あぁ、悪い悪い」

零「足、痛そうだな」

魔王は足を引きずりながら歩いていた

魔王「....舐めるな..これくらい!」

魔王はこちらとの距離を詰めてきた

しかし....

零「遅い」

先程と比にならない程スピードが落ちており

ザシュッ!

魔王の腹部に剣を突き刺した

魔王「あがっ!」

魔王「.....くっ!」

魔王は力を振り絞って

ズァッ!

零「あっ——」

魔王の左腕が俺の腹部を貫通していた

零「ごほっ!」

口からは血が出てきた

零「あの傷からこの威力かぁ...」

零「こりゃ命が一つの勇者じゃ勝てないな...」

零「まぁ...」

.....

.....

零「俺なら勝てるけどな」

俺はゆっくりと体を起こし魔王に視線を送った

魔王「なんなんだ...お前は...」

魔王「なんで死なないだよっ!!!」

魔王は数歩後ずさる

俺も一歩一歩と魔王に近づく

魔王のこんな恐怖している顔を見るのは初めてだった

零「なぁ...魔王」

魔王「.......」

零「なんで虚飾の能力は七つの大罪じゃないか知ってるか?」

魔王「....知るか」

零「虚飾は傲慢に組み込まれたんだよ」

零「そんな俺の下位互換みたいな能力で....」

零「俺に勝てる訳ねーだろ」

俺は剣を構え

一閃

ザシュッ!

魔王の首を切り落とした

その終わりは何十年も続いたとは思えない程あっけなく終わり

零「.......」

俺は魔王が死んだ事を確認し夜空を見上げた

零「....見てる?勇者」

零「勝ったよ、俺」

零「長い長い戦いを終わらせた」

零「勇者の力と意思を引き継いだ...」

俺は胸に手を当て満面の笑みを浮かべた

零「この神谷零がさっ!」


第三十九話 終了


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