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第十八話 仮定の侵食

遡る事1日前.....

コンコンコン

ノック音が静かに響く

美月「入るよ、学園長」

学園長「……許可はしていないがな」

美月「細かいね」

学園長「で、用件は?」

美月は迷いなく言う

美月「私をEクラスに落として」

一瞬の沈黙

そして....

学園長「……却下だ」

学園長「お前はプレデターだぞ」

学園長「そんな簡単に落とせるわけないだろ」

美月は肩をすくめた

美月「ランクはそのままでいいよ」

美月「任務もやる」

美月「ただ——」

美月は少し笑い

美月「居場所を変えたいだけ」

学園長「……理由は?」

美月は私の目を見つめ

美月「面白いのを見つけた」

そう言った

私はしばし考え

学園長「……なるほどな」

少しの沈黙

そして....

学園長「いいだろう」

美月「話が早くて助かる」

学園長「ただし条件が二つある」

美月「条件?」

学園長「一つ目は分かった事があれば報告を上げろ」

学園長「そして——」

学園長「壊すな」

美月は笑う

美月「へえー?」

美月「それ無理かも」

学園長「……本気で言っているのか?」

美月「だってさ」

美月「壊れるかどうかって、触ってみないと分からないでしょ?」

学園長「.......」

学園長「彼は才能がある」

学園長「お前の玩具じゃない」

学園長「若い芽を摘もうとするな」

美月「へぇ」

美月「じゃあ尚更気になる」

美月「遊ぶだけならいいんでしょ?」

学園長「……度を越えるなよ」

美月は背を向けた

美月「善処するよ」

ドアに手をかけ

美月「ねぇ」

一瞬だけ振り返る

美月「壊れそうになったらどうするの?」

学園長「……その時は」

学園長「お前を止める」

美月は満足そうに笑い

美月「楽しみ」

それだけ言い残し学園長室を後にするのだった


担任「じゃあ連絡事項も話したしな」

担任「お前達授業ちゃんと受けろよ」

「はーい」

担任「て、言いたいところだがな....」

担任「今日はEクラス昇格初日だしな」

担任「お前達には実力検査も兼ねて模擬戦をやってもらう」

担任のその言葉で教室が一気にざわついた

「マジかよ!」

「Eクラスっぽくなってきたな!」

担任「ルールは簡単だ、戦闘不能か降参で負け」

担任「過度な殺傷はNG」

担任「お前達準備ができたやつから屋外闘技場にこい」


そして僕達は各々闘技場に向かった

担任「さて、でははじめるとするか」

担任「ペアはこちらが勝手にくじで決めた」

担任「では一組目——」

そうして戦闘が始まった

数戦

爆音が響き渡り

衝撃により地割れが起こり

砂煙が舞う

入れ替わり試験を経験したEクラスはFクラスの頃とはレベルもやる気も段違いだった

そして....

担任「次、神谷」

クラスはざわついた

「零だ、どんな戦い方するんだ...」

「御影に勝ったんだ、すげえ戦い方すんじゃねーのか」

そんな声が聞こえてきた

僕はそんな言葉に何も返さず闘技場に入った

闘技場の中央対戦相手は

筋肉質の男子生徒だった

男子生徒「正直なめてたけどよ」

男子生徒「あの御影に勝ったんだ」

男子生徒「最初から本気でいかせてもらうぜ」

零「あぁ.....」

僕は短くそう返した

担任「開始!」

担任がそう宣言すると...

男子生徒「最初からフルパワーでいく」

男子生徒はそう言うと体に力を入れた

すると....

身体中の筋肉が肥大化した

零「身体強化、か」

男子生徒は僕に向かって一直線に攻撃してきた

男子生徒「おらぁぁぁ!!!」

男子生徒が飛びかかってきた

その時...

.....あれ?なんだこの感覚.....

僕はそのおかしな感覚を感じた

次の瞬間

男子生徒「あ?」

僕はその攻撃を無意識に回避していた

零「あ....れ?」

その後もその男子生徒は連続で攻撃してきたが

僕はその攻撃を全て回避していた

あぁそうか....

体が覚えているんだな

御影との戦いで久しぶりに勇者の力をフルで使った

それにより勇者だった時の感覚を思い出したのか

クソがっ.....

どうやっても勇者が僕の体から離れない

しかしこの力がないと僕は戦えない

僕はそんな事を考えながらも攻撃はちゃんと回避していた

やがて痺れをきらした男子生徒が

男子生徒「はぁ....はぁ.....はぁ....」

男子生徒「くそ、ちょこまかと....」

男子生徒「次で決めてやるよ!」

そして男子生徒が大きく踏み込み

振りかぶった

そして....

同時に僕も相手の懐に踏み込み

ここだな....

剣を振るうようにそいつの首元に

ストンッと

静かに手刀を振り下ろした

そして....

男子生徒「あ....」

男子生徒は地面に膝をつき

そのまま立ち上がる事はなかった

それを見た担任が

担任「そこまで、神谷の勝利」

そう宣言し

僕は剣を使わずして前世の感覚だけで勝利するのだった

その瞬間....

クラスはざわついた

これで御影にも勝ったのかと盛り上がる声

無能力者が...と訝しむ声

様々な声が上がった

そんな声が上がる中

美月「へぇ....」

と、小さく呟き

ニヤリと笑う美月がいるのだった

そして模擬戦は順調に進み

担任「ラスト水瀬」

場は静まりかえった

プレデターがEクラスにいる

その現実をまだ受け止めきれずにいた

美月「はーい」

そんな軽い気怠そうな返事

歩く

コツコツと靴音だけが場に響く

男子生徒「よ...よろしく...」

対戦相手の男子がそう言った

しかし...

拳を握る手は震えていた

美月は興味なさそうに

美月「ん」

と、だけ呟いた

担任「開始!」

担任がそう言うと

美月「ねえ?」

男子生徒「?」

美月は戦闘中なのにも関わらず口を開いた

美月「こんな事思った事ない?」

美月「自分が戦わなくても何か障害物とか降ってきて勝てないかなーって」

男子生徒「.....ないよ」

美月「そう?」

美月「私は思うんだけどなー」

美月「例えばさ...」

美月「この上に鉄骨あるじゃん?」

美月「<もしも鉄骨が落ちてくれば>なって」

男子生徒「何言って....」

その瞬間....

ゴゴゴゴッ!!

そんな轟音を立てて

鉄骨が男子生徒に向け一直線に落下した

男子生徒「!?」

男子生徒は回避が間に合わないと感じたのか、能力を発動し防御に全振りした

そして....

ドオオオオオン!!

そんな音を立てて鉄骨は男子生徒に直撃した

10秒ほど経ったが男子生徒が反応を見せる事はなかった

担任「おい!水瀬!過度な殺傷はNGだと言っただろう!!」

美月「別にこの程度で死ぬならその程度の人間だったって事ですよ」

担任が止めに入り戦闘は中断された

担任は鉄骨をどかし男子生徒の生死を確認した

幸い男子生徒は防御系の能力を持っていたため死んではいなかったが意識はなかった

担任「.....一応戦闘不能だ」

担任「よって水瀬の勝利とする」

担任「これにて模擬戦を終了とする....」

担任のそんな宣言により模擬戦は幕を下ろした

負傷者は医務室へ運ばれ

会場の後始末が行われた

クラスメイトが寮に帰るなか

僕は動揺して動けずにいた

なぜならば....

零「なんでお前が.....」

零「なんでお前が<その力>を使えるんだよ!!!」


第十八話 終了

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