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覚悟は宜しくって?

主人公が、全てを背負う必要は無いと思っています。

 


 代理人が王城から来るまでの間に、俺は何度か魔境に行ったが大した差は無かった。

 それでも、ユニークモンスターが出た森の魔境のモンスターの方が、ユニークモンスターが居ない森の魔境のモンスターよりも強かった。


 そして……


「……平和ねぇ」

「平和だわ」

「そうだな」


 俺達は、ゼタリウス王国の王都に向かっているが、クリムのお陰で、モンスターに遭遇していない。

 勿論、遭遇しない方が良いのは当たり前だが、冒険者の俺に、冒険者としての旅を楽しんでいるソフィアとルシアにとっては物足りない状態だ。


 しかし、口に出した事でフラグが立ったのか魔力察知に反応が出た。


「……ソフィアにルシア。 10時の方向からだ」

「分かりましたわ」

「分かったわ」


 ……数分後に現れた。


「命が惜しければ、服と靴以外を置いて消……」

「いや、女は残れ」


 テンプレの盗賊共だ。


「ソフィア。 ルシア。 頑張ってな」

「ええ」

「うん」


 この後、ソフィアとルシアは魔法込みで盗賊共を討伐していったが、約半数になると盗賊共のボスらしき男が言った。


「先生! お願いします」


 俺の魔力察知に掛かっていた最後の1人が現れた。


 ブレイン=アングラ……ではなく。

 普通の騎士崩れみたいだ。


「俺がやろう」

「お願いするわ」

「任せた!」

「任された」


 俺達のやり取りを聞いていた「先生」は顔を顰めて言った。


「……余裕だな。 だが、その余裕が何時まで保つだろうな?」

「さあな」

「では……野郎は死ね!」

「お前がな」

「……がはっ!」


 ワンパンで済む様に適切な腕力と魔力を込めた一撃で、騎士崩れの「先生」は沈んだ。


「先生!?」

「残りは貴方だけよ。 覚悟は宜しくって?」


 ルシアが悪ノリした台詞セリフを吐く。


「行ってきます」

「行ってらっしゃい」

「早く戻ってねー」


 盗賊共のボスからアジトの場所を聞き出した俺は、ソフィアとルシアに見送られアジトに向かった。


 因みに、侍女であるバレリアとパルマは慣れたみたいで、馬車の中でシリウスのモフモフを堪能していた。


「「モフモフ~」」

「キャン!」


 ……約1時間後に、俺はソフィア達が居る馬車に戻った。


「ただいま」

「遅かったです……」

「遅かった……」

「アジトで、囚われていた少女達だ」


 アジトを発見した俺は、いつも通りにサクサクと処理をしていたが、今回は囚われていた人達が3人居た。


 不幸中の幸いとして、奴隷にして売る予定だったみたいで、一線を越えた性的な被害は受けていないらしい。

 言い換えれば、それだけの「美少女」達だった。


「ライカ、どうするの?」

「どうするって言われても、金貨2、3枚渡して『頑張れ』と、言うしかないだろう」

「それはそうだけど……」

「ソフィアは?」

「私?」

「そう」

「私としとも、ライカの考えが適切だと思うわ」

「でも……」

「ルシアの気持ちも分かったから、目的地に到着したら相談しよう」

「ありがとう、ライカ!」

「それで良いか?」

「……ありがとうございます」


 囚われていた事が辛かったみたいで、アジトから解放されても表情は暗いままだ。


 囚われた人達を馬車に乗せて、今日の目的地である「ドルンダル」の街に向かった。


「それで、何か希望は有るか?」


 ドルンダルの街に到着した俺達は、宿屋に泊まる事にして、バレリア達が納得するドルンダルの街で1位の宿屋に部屋を取る。


 そして、彼女達に質問をした。


「……」


 返答が無いか……


「帰る故郷は?」

「ありません」

「親戚とかは?」

「居ません」


 他の2人も同じみたいだ。


「どうする?」

「家に帰れば、どうとでも出来ますが……」

「同じく」


 ソフィアは王女で、ルシアは公爵令嬢だ。

 確かに、どうとでも出来るよな。


「「「……」」」


 3人は知り合いみたいだが、何かを恐れているのか、名前を教えてくれない。


 ……まあ、その理由の1つが、3人が貴族令嬢だからだろう。


 そう思ったのが、着ている服がドレスで、素材が絹だからだ。

 流石に、宝飾品は奪われたみたいで、身に付けていないがな。

 もしかしたら、俺がアジトで徴収した金銀財宝おたからの中に、彼女達の宝飾品が有るかもしれないが、この世界の法律上は俺の所有物となるから、この話は後に回して良いだろう。


 しかし……


「俺は別に聖人君子でも無ければ、物語に出る様な勇者や英雄じゃない。

 希望も無く、帰る場所が無いのなら、身体1つで出来る娼婦になるか?」

「「「……!?」」」


 そう。

 俺は別に聖人君子や、勇者や英雄じゃない。

 勿論、周りから屑野郎と言われる程の外道でもない。

 だから、盗賊共に囚われた人達が居たら救けるし、出来る範囲での助力もするが、自分からは動こうとしない相手に、良い顔をする程のお人好しでもない。


「一晩、じっくり考えてくれ」

「「「……」」」


 彼女達の部屋から出た俺達は、ソフィア達の部屋に移動した。


「ライカ、どうするの?」

「言った通りだ」

「でも、ライカ」

「俺は、全世界の人々を救う為に強くなっている訳じゃない」

「それは分かっているけど」

「だから、明日の彼女達の答えが、今日と同じなら娼館に売る」

「……分かったわ」

「ソフィアも、それでいいな?」

「ええ」


 ソフィアは、厳しい判断をする立場だった為に簡単に応えた。


 翌日、朝食後に彼女達の部屋で聞いた。


「何か、希望は有るか?」

「「「……」」」

「……そうか」


 返答は、昨日と同じだった。




厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点とブックマークをお願いします。

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