……ユリナ達は?
遅れて済みません。
それと少し短いです。
孤児院の子供達の楽しそうな声に誘われて、見える場所まで移動した。
「……楽しそうだな」
暫く見ていると、子供達の不満が口から溢れた。
「偶には腹一杯に食べてみたいなぁ」
「そんなの無理だって分かっている事だろ」
「ごめんね、皆」
「シスターを困らせる事を言うな!」
「……ごめん、シスター」
「いいのですよ」
……そうか。
そういえば、フォレストボアが「倉庫」に大量に残っていたな。
「正門はこっちか」
俺は正門の方に移動したら、先程のシスターとは別のシスターと、ちょうど目が合った。
「当孤児院に、何かご用ですか?」
「はい。 食用のモンスターを、幾つか寄贈したいと思いまして」
「……ありがとうございます」
出会ったシスターに深く頭を下げられて、慌てた俺は厨房への案内を急かした。
「……こんなにも! よろしいのですか?」
厨房の空きスペースにフォレストボアを5匹置く。
「はい。 それと……」
そう言いながら、金貨1枚をシスターに渡す。
「お金じゃないと出来ない事もあるだろうから」
「……! こ、こんな大金を頂く訳には!」
「受け取ってください。 子供達の為に」
「……ありがとうございます! 貴方に神々の祝福があらんことを」
こうして、俺は孤児院を後にしたのだが……
「確かに、やらない善より、やる偽善だな」
実際にやると、やっぱり気分が良いな。
「散歩でもするか」
この後は、適当に時間を潰すと領主館に戻ったのだが、空気がピリピリしていた。
「何が有った?」
通りがかったメイドに聞いてみた。
「申し訳ありません。 お答えする事が出来ません」
そんな答えが返ってきた。
「……ユリナ達は?」
「ユリナ様達は、お部屋に居られます」
「分かった」
俺は、ユリナ達の部屋に向かった。
「ユリナ!」
「戻ったのね、ライカ」
先程の空気をユリナ達に伝えてみた。
「何が有ったか、知っているか?」
ユリナに聞いてみたが……
「ううん。 私達も知らないわ」
「そうか」
不安になったが、それでも時間は経過して俺達は夕食に招待された。
……夕食後に、キカングラ伯爵は言った。
「星屑には、私からの緊急依頼を受けて欲しい」
「詳しい話を聞いてからだ」
「それは当然だ。 実は……」
話の内容は、ガチの大事だった。
北東からモンスターの大群が押し寄せ、王都は籠城戦を強いられているらしい。
しかも、魔王と名乗る者までいるみたいだ。
それで、この情報はモンスターの包囲網が完成する前に得たから、現在、どうなっているか分からないとの事だ。
そこで、王都の状況を知ったキカングラ伯爵は、俺達に緊急依頼を出した訳だ。
王都の状況を実際に確認したい思いと、モンスターから王都を救いたいという思いから。
そして、キカングラ伯爵は緊急依頼を出した理由を話した後、依頼内容を話した。
それを話した後、俺達に聞いた。
「どうだろうか?」
「引き受ける」
依頼内容は常識の範囲内だし、貴族らしからぬ「義」の思いからの依頼だから、受ける事にした。
翌日、キカングラ伯爵の方の準備は出来ていた。
「俺達も何時でも出発する事が出来る」
「では、出発しよう」
俺達の馬車の準備が終わると出発した。
……3日後の午前10時頃に、王都を見渡せる丘に到着した。
「話は聞いていたが……」
聞いた話の通りで、王都はモンスターに囲まれていて、各門ではモンスターと騎士達が戦っていたし、冒険者も加わっていた。
因みに、此処からだと北門は見えないが、北門は神殿の関係者も加わっているから大丈夫な筈だ。
何故、北門だけ神殿の関係者も加わるのかは知らんが、昔からの慣習らしいとキカングラ伯爵が言っていた。
「さて、どう動くか……」
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