物語が動き出した時
なかなか飛ぶ描写に移れない・・・
バスに乗り込んだ俺は、教室と同じ視線を浴びていた。理由はもちろん隣の座席に葵が居るからだが。
「わっくわ~く、わっくわく!」
なんか紙とかペットボトルとかでオモチャを作ってくれそうなオジサンの名前を連呼している。俺は紙箱で作るカメラが一番気に入ってるんだが、みんなはどうだろう。
「狩人、一体どんなところ何だろうね!」
なんで葵はこんなにハイテンションなんだろう?朝方良いことでもあったのか?・・・占いで1位とか・・・か?
「なあ葵」
「なんだい?」
「今日なんか良いことでもあったのか?」
わからないから聞いてみることにした。
「そりゃあもちろん、PU航空「あ~ごめん知ってた」ちょっと遮らないでよ」
まあ予想はしてたが見事的中とは。俺将来占い師になろうかなぁ。
「さーそろそろつくぞ!全員降りる準備しとけよー。それと後ろでゲームやってる奴。没収ー」
前の座席の陰で携帯ゲーム機をしてる奴が鬼瓦先生に注意を受ける。没収された生徒はしぶしぶゲームを手渡す。はっ、いい気味だ。でもなんで先生はわかったんだろうか。
「この見学が終わったらあとで職員室に来いよ、クリアして返してやる」
・・・鬼だ。やっぱ鬼だからか。
バスが駐車場に止まり乗っていた生徒全員が降りる。降りた先には高さは無いが横幅のある、大きな建物が目に映った。丁度正面には人が横に5人は並んでも余裕がありそうなほど広い玄関があり、その上にはデカデカと『ようこそ!学生のみなさん!』と書かれた看板があった。
「全員いるかー?おくれずついてこーい」
先生先導の元、自衛軍の建物に入っていく。あれ、向こう側から案内役の人とかこないのか?時たますれ違う航空団の人たちが鬼瓦先生に挨拶、いや、敬礼している。
この様子にはみんな驚いたようで口がパクパクしてる。俺も口を開けはしないが、メチャクチャ驚いている。
「ん?ああ、これか。私は元PU航空団にいて、部隊長をやっていたんだ」
マジか・・・。たしかに訓練の授業の時(俺は隅の方で見学してたけどな)、やったら強いなこの先生、とか思ってたけど軍にいてさらに隊長か。・・・うん、想像できる。厳しい中にも優しさのある良い隊長って感じが。
「ついたぞ。全員よく見ておけ!」
先生の隊長姿を想像してたらPUを格納しておくハンガーに着いたようだ。
ハンガーには横一列にユニットが並んでいる。大体5mの間隔で置かれていて所々に工具を持った人がユニットを整備している。その作業は遠目から、そして素人目から見ても無駄が無く、それでいて早く正確に作業しているのがわかる。
また、別のところでは、ユニット操縦者が実際に動かし不備がないか試運転しているのも伺える。
戦線は遠いフィリピン海上空なのにここまでしっかり気合いが入ってるなんてスゲーな、余裕じゃん。俺はそんな気持ちだったが、ふと違和感を感じた。なんだ?よくよく見れば、別に余裕ムードなんかこの人たちから出ていない。じゃあこの違和感はなんだ?
そしてうまい具合に整備、操縦している人たちのほとんどがこっちを向いたとき。
気づいた。
緊張や不安、といった心にはプラスにならない感情が、全員の表情にあった。
なぜだ?ここは前線じゃないし、そもそも不安になる要素がわからない。それに今気がついたが、時々こちらをチラチラみてくる人もいる。
別にこのクラスは野次とか飛ばしていないし、比較的常識のある(一部腐ってるが)クラスのはずだ。見られただけで緊張させるような眼力を持った奴なんて・・・。
そこまで思った俺は、周囲を見渡す。やっぱりそんなは・・・。
「ねえねえ狩人!みてよあのユニット!深緑色でいかにも日本って感じがするよね?ああっ、あっちのはついこの間ニュースで写った奴だよ~!」
居た。
「狩人はどんなのが好き?ボクはやっぱり『日本機 N-31サムライ』だよ~。うう~かっこいいな~」
目をキラキラさせながらハンガーの、ある機体を食い入るようにみている。そうか、緊張は良いとして不安とかはこいつの『期待の目』のせいだな?確かに星をバシバシ飛ばしてくるあの視線は『重い』。というかさっき言ってたサムライとかいう機体が葵の視線からでる星で傷がついてたぞ!?
「目からビームはその辺にしとけ」
「はうっ・・・」
鬼瓦先生が葵の頭にチョップをかます。というか葵、はうっ、はないだろ、男で。
だがクラスの大半の奴が鼻にティッシュを詰めていた。驚いたことにその比率は男8、女2だった。うそだろ!?と女子の方を見てみると目から血の涙を流して「可愛い・・・負けた・・・」と何かに耐えるように震えていた。
ちょっとまえの俺の言葉を訂正しよう。比較的常識のあるクラス改め、比較的変態が居るクラス、に変えることにする。といかクラスの連中に対する認識を変えないといかんな。
「さてここの見学はこれくらいでいいだろう。次はここの航空団の部隊長から話があるから移動するぞ」
クラス全員がハーイ、と返事をして移動し始める。葵はまだまだ見たりない様子だったが先生に睨まれたためしぶしぶ移動を始めた。
おっと俺も遅れないようについてかなくちゃな。
そして見学生がいなくなったハンガーに静寂が訪れる。誰もが俯き、涙を流していた。
一人のユニット操縦者が言う。
「ここに・・・ヤツラが・・・」
いつから物語が動いたのか。それはかれらビジターが来たとき、はたまた狩人たち学生がここへ見学しに来たことか。
その両方ともいえるし、それ以外の原因かもしれない。
だが確実に、空野狩人の、彼の物語は今日この瞬間から、たしかに始まったのである。
ある雑誌のとある項目2
では次の質問です。昔は素肌をさらして空をとぶ女の子のアニメがありましたが、PU制作でこういった仕様には出来なかったんですか?
「ちょっと考えましたね(笑)」
やっぱり、好きそうな顔してますもん(笑)
「あはは、でもそういったアニメって、素敵魔法力で何とかなるとか、これをつけている間は人間やめれるとか、そーゆーの多かったじゃないですか」
まあ魔法でなんとかなる、っていうのはアレですよね。
「でもやっぱり肌色成分ほしかったなぁ」
博士が言っちゃった(笑)
「だって夢ですから(笑)」
ではこれ以上は長くなりそうなので、つぎの質問に行きたいと思います・・・




