↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
砂漠の織り手  作者: 葉月秋子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/57

2-15

2-15



「これ、しっかり頭を上げておれ」


 ともすればうつむこうとするミーアに、ばば様は声をかける。


「そなたは『磐座の婆』の庇護下にある者じゃ。

 恥じることはない。しっかりと前を見据えて歩け。

 きついじゃろうが、この先の、部族とのかかわり方になるのじゃ。

 卑屈な姿を見せるでないぞ」


「・・・・・・はい、ばば様」


 ミーアはきっぱりと言って、荷物を担ぎ直し、顔を上げた。




「雁」と「狐」の二軒は良かったのだ。

 一緒に中に招き入れられ、ばば様が炉辺で女主人と話している間、作法通りに入口近くで座って待つ。


 誰もミーアに話しかけないが、そのほうが気が楽でいい、としっかりと頭を上げて、待つ。


 狐の炉辺では、帰りがけに、人の良さそうなお年寄りが「お駄賃じゃ」と言って、ミーアのこぶしくらいの岩桃をひとつ手渡してくれた。

「あ、ありがとうございます」

 思いがけぬ好意に、ミーアは頬を染める。




 しかし、「巫女の集会所(ロングハウス)」で。


「資格がないものは入れないわ。外で待ちなさい」

 いじわるそうな女性が間に入って居丈高に前をふさぐと、犬の子でも追い払うようにしっしっと手を振った。


「入り口の待合に待たせればよかろう」


「いえ神聖な集会所に、巫女と見習い以外は入れません」


 混ざりものなど、入れてたまるか、という悪意満々。


「儂は巫女でなく『染め師』じゃがの」

「御師様!何をおっしゃいます!

 ええ、男子と十二歳以下の子供は、入れないのです」


「子連れのおなごもいたぞな」


「乳児は数に入れません!」


 真っ赤になった女性をしり目に、ばば様はミーアを振り返る。


「さて、そなたは十二歳以下なので、ここに入れん。

 すぐに済ませるから、外で待っておいで」



「・・・はい・・・ばば様」



 資格がないから入れないのと、十二歳以下だから入れないのとは、どう違うんだろう、と考えながら、ミーアは集会所の外の石に腰かけた。


 




  


 


 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。