2-15
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「これ、しっかり頭を上げておれ」
ともすればうつむこうとするミーアに、ばば様は声をかける。
「そなたは『磐座の婆』の庇護下にある者じゃ。
恥じることはない。しっかりと前を見据えて歩け。
きついじゃろうが、この先の、部族とのかかわり方になるのじゃ。
卑屈な姿を見せるでないぞ」
「・・・・・・はい、ばば様」
ミーアはきっぱりと言って、荷物を担ぎ直し、顔を上げた。
「雁」と「狐」の二軒は良かったのだ。
一緒に中に招き入れられ、ばば様が炉辺で女主人と話している間、作法通りに入口近くで座って待つ。
誰もミーアに話しかけないが、そのほうが気が楽でいい、としっかりと頭を上げて、待つ。
狐の炉辺では、帰りがけに、人の良さそうなお年寄りが「お駄賃じゃ」と言って、ミーアのこぶしくらいの岩桃をひとつ手渡してくれた。
「あ、ありがとうございます」
思いがけぬ好意に、ミーアは頬を染める。
しかし、「巫女の集会所」で。
「資格がないものは入れないわ。外で待ちなさい」
いじわるそうな女性が間に入って居丈高に前をふさぐと、犬の子でも追い払うようにしっしっと手を振った。
「入り口の待合に待たせればよかろう」
「いえ神聖な集会所に、巫女と見習い以外は入れません」
混ざりものなど、入れてたまるか、という悪意満々。
「儂は巫女でなく『染め師』じゃがの」
「御師様!何をおっしゃいます!
ええ、男子と十二歳以下の子供は、入れないのです」
「子連れのおなごもいたぞな」
「乳児は数に入れません!」
真っ赤になった女性をしり目に、ばば様はミーアを振り返る。
「さて、そなたは十二歳以下なので、ここに入れん。
すぐに済ませるから、外で待っておいで」
「・・・はい・・・ばば様」
資格がないから入れないのと、十二歳以下だから入れないのとは、どう違うんだろう、と考えながら、ミーアは集会所の外の石に腰かけた。




