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理を統べる転生者~獣耳少女(嫁)を守ります~  作者: ナギ@にわか
生贄の子狐
29/30

28話『仲間達の実力』

遅くなりました。

面白い内容が思いつかなくて……

「わぁ……この馬車全然揺れませんね?」


「あー、うん。これな、魔法でクッション性のある空間を作ったんだよ。……意味わかんないよな」


 首を傾げながら頷くシャル。

 お忙しい事で。むしろ、横に振ってるように見えるな。


「ま、それは気にしなくていい。自慢できるような事でもないからな」


 特に何もせずに使える力とか、罪悪感が半端ない。まあ、それでも使わせて貰うけどな。


 それから数十分程で、噂の場所に着いた。

 ワイバーンが出ると聞いてるせいか、少し不気味だ。というか、フィエナはさり気なく隠れるな。


 ――バサッバサッ


 翼の音が聞こえる。

 そっちに目を向けると、早速ワイバーンが来ていた。どうやって飛んでいるかは気にするな。ファンタジーだ。

 

「どうやって倒しますか?」


 エニファにそう聞かれて、少し考える。鑑定してみると、どの仲間でも一体一なら勝てるステータスだ。


「よし、どうせまだ居るし、一人づつやるぞ」


「えっ?そんなにいる?」


 居る。気配察知で囲まれているのは分かっていた。一体だけ変なのが混じっているが。

 軽く10体以上だ。体長は7m程。


「他は俺が抑えておくから、まずはシャルから行こう。後にすると緊張でガチガチになってそうだし」


「は、はい!頑張ります!」


 既にガチガチではある。

 そんな状態で戦っても、勝てるか微妙なところなので、少し声をかける。


「安心しろ。何かあってもちゃんと守るから。俺だけじゃない、他の皆もいる。」


 そう言われたシャルは、皆を見回して頷いて貰うと、目を閉じて深呼吸した。


「……頑張って来ます!」


 今度はいい感じの緊張感で、肩に力が入りすぎていない。先程は、観察力に優れている訳では無い俺でも、分かりやすく緊張していた。


「……私は……足場に……」


 何やらフィエナが呟いでいるのだが、シャルの方を見ていたせいで、聞き逃した。


 そして、シャルは行動を起こす。

 シャルの真っ黒な炎が、ワイバーンに迫る。

 それを回避するワイバーンだが、シャルの攻撃は続けて放たれる。


「グォォォ!!」


「あわわっ」


 ワイバーンは翼で風を起こし、シャルをよろめかせた。すかさず攻撃する。


 しかし、


「私はこっちですよ?」


 最初の黒い炎を出すタイミングで、幻惑魔法を使っていたシャルは、ワイバーンの後ろに。

 それに慌てて尻尾で攻撃しようとするワイバーン。


「残念でした」


 しかし、それもまた本物では無い。


 本命は、


「さよならです」


 上からの特大炎。

 もがくワイバーンだが、シャルの炎から逃れる事は出来ない。大きすぎて。


 普通に戦っても勝てたとは思うが、シャルは確実に仕留める為、幻惑魔法を駆使した。

 それはいい。


 だが、


「よくやった。でもな、消し炭にされると討伐部位とか取りようが無いんだよな……」


「あ!ご、ごめんなさい!」


「いや、いいよ。シャルの炎で追加のワイバーンも寄って来たみたいたし」


 なお、全て重力魔法の餌食だ。邪魔はさせない。そして、一体だけ解放する。


「次は私かな?」


「それでいいんじゃないか?」


 2人が頷いたのを確認して、ワイバーンへと向かうシエラ。シエラの真面目な戦闘は見た事がない気がする。盗賊戦は速攻で終わっていたのでノーカンだ。


「ふふっ……さあ、かかってくるといいよ」


 そう言って腰のレイピアを抜くシエラ。

 接近戦をするつもりらしい。


 そう思っていたのだが。


 ワイバーンが目の前に来た瞬間、その頭に岩が落ちる。


「「「「え……」」」」


「はい終わり!」


 体制を整えようとするワイバーンの首を、スパッと斬ってしまうシエラ。


「何で微妙な顔してるの?勝ったのに……」


 不思議そうな顔をしないで欲しい。

 剣で戦う姿を見れると思っていたのに。


「まあ、いっか。次はどっちがやる?」


 ワイバーンを死体を回収しながらそう聞く。


「では、私が行っても?」


「……ん、いい。」


 という訳で、エニファの番だ。


「あ、そうでした。……んしょ……」


 何かを思い出して服を脱ぎ出す。

 それは、狼の姿になれば、服が破れてしまう事だ。

 脱いですぐにいつもの服があると思ったのだが、数秒だけ全裸状態になっていた。

 すぐに服が現れたのだが、エニファ以外の視線が集まる。


「「「「見た(ました)?」」」」


「……悪い。割とガッツリ見た」


 今のを見ていないというのは無理があるので、潔く白状する。誤魔化しても仕方ないというのもある。


「別に主は良いですよ?」


 俺に絶対服従みたいなところがあるエニファは、人の姿でも、俺に見られるのはいいらしい。ちなみに、他の男に見られるのは気持ち悪いそうだ。


「グォォォ!」


「ほら、ワイバーンが呼んでるぞ」


「では、行ってきます」


 神狼の姿になりつつ歩いていく。

 さて、どう戦うのやら。


 まずは、雷魔法で牽制。

 そして、雷を体に纏う。

 その姿は、ジン〇ウガのようだ。


 先程から学習しないワイバーンは、またしても突っ込んでくる。勿論、即死だ。


 エニファのスキルである守護ノ雷は自動迎撃してくれるのだが、その威力は反則的だ。

 それに加えて、エニファ自身が放った雷魔法も合わさり、こんがり焼くことに成功。


「終わりました!」


「おつかれ。思ったより、まともな戦闘にならないな」


「まあ、あれ飛んでるしね」


「……じゃあ、任せて」


 フィエナには、何か作戦があるらしい。

 無音でワイバーンの下まで歩いていく。

 ……暗殺者?


「……落とす」


 そう呟いた直後、木に隠れて、ワイバーンから見えなくなる。木から出ても、気配隠蔽により見えなくなった。


 すると、突然木に登り始めた。


「まさか……」


 そして、1番上に着くと、未だにフィエナを探しているワイバーンに、


「……ふっ!」


 飛びかかった。


 ここまで来れば流石にワイバーンにも気づかれるが、気にせず切りに行く。

 だが、流石に回避された。


 そのまま地面に落下するかと思われたフィエナだが、飛んだ先に別の木があった。

 これは、偶然ではなく、フィエナがそうなるように角度を調節して跳んだのだ。


 俺の速さで翻弄するスタイルとは違い、木に隠れて後ろから襲っている。

 ここだけ聞くと、犯罪者っぽいな。


 そうやって何度か続けていると、致命傷では無いものの、ダメージを与えられている。

 しかし、いい加減イラついていたワイバーンは、周りの木を薙ぎ倒し始める。


 だがそれは、フィエナへの反応が遅れるという事でもある。そして今、後ろから跳んできたフィエナに気づいていない。


「……勝ち」


 その勢いのまま、こっちに落ちてきた。

 当然、衝撃を与えないようにキャッチする。お姫様抱っこで。


「お疲れ様。いい戦い方だったな」


 どう見ても、暗殺者やら忍者の戦い方だが、ちゃんと戦っていたのは事実。

 フィエナも、一撃で消し炭に出来たのだが、それをせずに頑張ってくれたフィエナ。


「……ご褒美に、少しこのまま……」


「ずるい……」


「フィエナさんだけ……」


「だ、大胆です」


 シャルだけは赤くなって見ていた。


「じゃあ、残りは俺が殲滅するか」


 フィエナを抱っこしたままなら魔法……いや、ちょっと試しにやってみよう。


 魔力を放出。

 それをそのまま物質化させる。

 出来るかどうかは知らない。


 だが、


「……剣?」


「おう、剣だな。魔力の」


『スキル【幻影刃】を取得しました』


 しかも、ユニークである。

 透明な魔力の剣。魔力である為、空中でも自由自在に操れる。これだけでもチートだ。


「切れ味も良いみたいだな」


 試しにそこのワイバーンを切ってみたら、かなりすんなりいけた。そのまま他のワイバーンも倒していく。


「わー、こんなにあっさりと……」


「お兄ちゃんが強すぎます……」


 2人が遠い目をしているが、一般人からすれば全員別次元の強さだと思う。

 それに、これは職業の力だ。俺のでは無い。

 チートを貰えて嬉しいと思う気持ちもあるのだが、頑張った結果じゃない分、申し訳なくなる。


「……気にする事、ない。才能だって、与えられたもの。それなら、その力はナギサのもの」


 随分と俺に都合のいい話だ。

 でも、フィエナが俺の為にそう言ってくれた。

 表情を見ただけで考えてる事も察してくれた。


「ありがとう、フィエナ……」


「……ナギサ」


 自然と頬が緩む俺。

 2人は見つめ合い、ゆっくりと顔が近づいていき……


 ――オオオオオオ!!


 触れ合う寸前に、謎の咆哮が響いた。


 目を向ければ、遠くから飛んでくる巨体が。

 軽く10mはある。

 やがて、俺達の前に降りてくる。


『貴様らか。我が配下を殺したのは』


「……ワイバーンの事か?それなら合ってるけど、それ以外なら知らないぞ」


 念話が飛んできた事に驚いた俺だが、冷静に返答する。


『ならば、貴様らにも死んでもらおう。我が名は火竜イグニス。消し炭にしてくれる!』


「は?急展開過ぎるだろ……」


 急いでフィエナを降ろし、全員戦闘態勢をとる。これは、追加報酬を貰う必要がありそうだ。

無難に戦闘させておきました。

理由は、ランクアップの為にです。

にしても、唐突な竜の登場。

次回、どうなるんでしょうか

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