エピローグ
これで最終回となります。最後までお付き合いいただきありがとうございました!
いつもの展望デッキのあるこの丘にやってくると、今までのことを振り返りたくなる。ベンチに鞄を置いて、展望デッキから見える景色を一望する。いつも見ている景色なのに、違う景色に錯覚しそうになる。
あれから春也は引っ越して行った。始まった引っ越しをそう簡単に止められる筈もなく着々と進み、家族で引っ越して行った。でも春也のご両親は最初に会った時よりもすっきりとした顔をしていた。春也も笑顔で手を振ってくれた。ようやく家族と再出発出来たみたいだ。
私はベンチに戻り、一度腰を下ろした。そして空を見上げた。夕焼けに染まりかけた空が見えた。
あの後、私と秋夜はそれぞれ先生達から無断でさぼったことにお叱りを受けた。でも私だけは担任からお礼を受けた。やはり担任も日頃から春也の両親には参っていたみたいで、まさか手続きをしないで引っ越すとは思ってもいなかったらしい。あれから春也の両親から連絡があり、謝罪を受けたという。
鞄に目を向け、鞄のファスナーを開けると、中から一枚の手紙を取り出した。そう、この手紙は春也から届いた手紙だ。
春也の両親が規則を見直し、スマホでやり取り出来るようになったけど、春也からの希望でそのまま手紙でのやりとりをすることになった。普段からスマホ使わなかったせいかスマホの扱いに慣れていないそうだ。今時手紙のやり取りなんて古風かもしれないけど、私は手紙のやり取りは嫌いじゃない。むしろ自分の本音を書ける手紙は大好きだ。毎日はさすがに無理だけど、毎週春也の手紙が来るのが楽しみで仕方がない。まさかこんなに楽しいと思える日が来るとは思ってもいなかった。
あ、そうだ、その前に一言言わせてください。
私はベンチから立ち上がり、手紙を持ったまま展望デッキに向かった。そして、思いっきり叫ぶ。
「バレンタイン大嫌いなんて言ってごめんね! バレンタインありがとう!」
あの頃よりも心持ちが軽くなって、変わることが出来た。バレンタインの事、好きになれそうです。
完
これで遅めのバレンタインはひとまず一区切りとなります。
勢いで始めたこの作品ですが今気づいたことは、連載を開始してから12年が経過しておりました(やばい、そんなに経過していたのか……)
そんな中変わらず読んでくださった皆様には感謝しかないです。
次書く時はきちんとプロットを完成させて、書き溜めしてから連載しようと思います。今になって予約投稿の便利さに気づきました……。
まだこの先の展開というか番外編みたなものを書くかは未定ですが、書けたら書こうと思います。
では次の作品でお会いしましょう!




