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描いた太陽の輝きは鈍い
あの日の太陽に名前を付けた時、記憶の中の灼熱と決別する覚悟が決まる。
夢幻の空に浮かぶ星、手を何度も伸ばしては空を切る。
確かな感触があるが触れる事はできない。
そんな矛盾に脳が溶けていく。
闇夜に太陽を語ることはできない、月だけがその存在を教えてくれるから。
ただ揺蕩うモノには詩は詠めず、美しさを想像しても本物を描けずに苦悩する。
ああ、一目だけでも。
渇望と焦燥のなか自分の在り方を否定する。
なぜ僕の世界に太陽がいないのか。
胸には灼熱が宿り全身を灼く。
衝動のまま筆を取る。
違う。
あまりにも鈍い輝きに己の挑戦を後悔する。
違う、違うんだ。
自分の不甲斐なさを嫌い、闇夜から抜ける決意をする。
描き続けた太陽を求め、男は進み始める。
月が太陽までの道を優しく照らしていた。




