都市プロメヌス
「やっと着いた」
ふう、と一息ついてクレアは顔を上げる。
目の前には空高くまである門。
門の両端には、警備兵が立っている。
「相変わらず賑わっているんだな」
腕を組みながらそう言うゼルクを、クレアは驚いた顔で見る。
「相変わらずって…ゼルク、前にも来たことがあるの?」
静かに頷く。
「まあ、前に行った時はこんなに賑わってはいなかったがな」
「賑わう?祭りか何かってこと?」
「入れば分かるさ。さあ、行こう」
ゼルクは前へと歩き出す。
周囲を見渡しながらクレアはその後ろを歩いて行く。
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「都市プロメヌス。人間の多くが暮らす都市だ」
「都市プロメヌスは歴史を大切にしておってな、ここには古代の書物などがたくさんあるんじゃ」
都市に入ってすぐ、二人がなんとなく入った酒屋。
そこの店主だろうか、見た目に反して若々しいお爺さんが都市のことについて色々と教えてくれた。
「で、お主らは何をしにこの都市へやって来たんだ?」
「今では収まったとはいえ、また前のようなことが起きないとは言い切れんしな…」
お爺さんは俯く。
「収まった?何が?」
クレアが真剣に問う。
「…つい最近まで、この都市は魔物の被害に遭っていてな。それも1匹だけならいいものを、群れで来たんじゃ」
「都市の兵がほぼ全員加勢するほどだった」
「何日もの時間をかけて、やっと追い払ったところなんじゃ」
「それからというもの、都市の住民には活気というかの、賑わいというかの、まあそれらが戻って来たんじゃ」
「…だがな、魔物が襲って来たという噂は瞬く間に広まってな。今都市に来る人はなかなかいないんじゃよ」
「だからお主らがここへ来た目的が気になった」
「なるほどね」
クレアは納得したように頷く。
「…俺たちは、この都市にある古代の書物を読みたいんだ」
「書物とは、一体どのようなものなのじゃ?」
「それは…」
少し間が開く。
「…100年前に起こった、天地戦争についてだ」
お爺さんの反応を気にしてか、ゼルクは少し躊躇するように言った。
「天地戦争?」
「ああ。この都市に、天地戦争の書物はないか?」
「うーん。すまないが、わしにはよくわからん。が、」
クレアとゼルクは息を飲む。
「もしかしたら、大図書館にはあるのかもしれんな」
お爺さんは手を組み、考えながら言う。
「大図書館…分かった。ありがとうな、爺さん」
そう言うと、ゼルクは真っ先に外へ出ようとする。
「あっちょっ待って…」
いきなりで焦りながらも、クレアはゼルクに続いて酒屋を出る。
「どっどこに行くの?」
追いついたクレアが少し早歩きをする。
「大図書館」
「え?」
「そこにはあるのかもしれないんだろ?天地戦争についての書物が」
「確かにそうだけど…」
「なら行こう」
そう言い、ゼルクは指をさす。
その指の先には大きな建物。
大図書館。
外見は言うほどボロくはないが、どこか年期が入ったような雰囲気。
建物自体、5階ほどあるのだろうか。
太陽の光を反射し光っている窓が多くある。




