塗り替えられた世界
初めまして。
今回は数ある作品の中から見つけていただきありがとうございます。
この物語を、ぜひ楽しんでいただければ幸いです!
ー天界。各種族の神々が集まる場所。ー
「今日も平和だな」
「…そうだといいけれど」
その隣で風神エルゼファはティーカップをゆっくりとおきながら答える。
そして天界の神々は、テーブルの中心にある魔法陣を見る。
そこには、下界の様子が映し出されていた。
ー下界。各種族が生きる場所。ー
都市アストラはいつもより賑わっていた。
「さあさあ!俺の渾身の出来を見てってくれよ!」
「そこのお姉さん!うちの店に寄っていってくださいな!」
それぞれが自分の店を出し、たくさんの人に話しかけている。
「おーいそこの嬢ちゃ‥.」
フードを被った少女。
店主の声も聞こえていないかのように顔を上げず通り過ぎていった。
「なんだあ、あの子…」
軽く頭をかきながら呟く。
少女は下を向いて歩いていた。
すると、話しながら歩いていた獣人2人とぶつかる。
その瞬間、少女が被っていたフードが外れる。
赤い瞳が見えた。
そのとき、獣人は叫ぶ。
「あの赤い瞳…縦に裂かれた瞳孔…」
「竜の目…?!」
ヒソヒソと、周りにいた獣人たちも何かを話し出す。
気づけば、少女は囲まれていた。
「ひぃ!」
「あっ、あっちいけ!都市から出ていけ!」
恐れる声が広がる。
(どっどうしよう…)
少女は冷や汗をかく。
「おっ、おい!みんな!王がいらしたぞ!」
一人の獣人が叫ぶ。
その瞬間、あたりは静まり返った。
王は真っ先に少女の前に立つ。
「その瞳、やはり…!」
「お前が…あの忌々しい竜種の生き残りか!」
王はそう言うなり少女に剣を向ける。
「ちっ、ちが…」
「嘘を言うな!お前のその瞳を見て、誰が竜種でないと言い切れるのだ!」
少女は少し縮こまる。
「忌々しい…お前を消してやる!」
「さすがヴァルク王!」
「早くやっちまえ!」
また周りがざわつく。
王が少女に剣を振りかざしたそのとき。
カンッ!
鈍い金属音がした。
少女が目を開けると、目の前には一人の獣人の男がいた。
「…え?」
思わず声を漏らす。
その男は、王の剣を受け止めていた。
「はあああ!」
王の剣を弾いて、少女の手を掴んだ。
周りの獣人は、いきなりのことで声が出せなかった。
王は、驚いた顔で男を見る。
「こっちだ!走るぞ!」
いきなりのことで状況が理解できずにいた少女は、都市の路地裏で止まった。
「きっ君はなんなの?」
息を切らしながら問う。
「なんで助けたの?」
「なんで私を…」
「いや、殺されそうになっている女の子なんて、ほっとけないだろ?」
少しドヤ顔で言う。
「ていうかさ」
「やっぱり、その瞳…」
少女は慌てて下を向く。
(まただ。また私、目を見られて…)
「俺はゼルク。よろしくな」
「…え?なんで、普通に話してくれて…」
「お前は一人?」
「うん…?」
きょとんとした顔で答えた。
「じゃあさ、俺と一緒にパーティー組まないか?」
「え?」
いきなりのことで、少女は周りをキョロキョロと見る。_______「また無理だったか…」
「…」
(もし、この人も私と同じなら…)
少女は一瞬口をつむぐ。
そしてゆっくりゼルクを見る。
「…いいよ」
ゼルクの目が一瞬きらめく。
「私はクレア。まだ聞きたいことはたくさんだけれど…とりあえずよろしくね」
「…ああ!」
都市アストラはまだ騒ぎが収まってはいなかった。
しかし、そこから少し離れた路地裏で。
恐れられた少女クレアは、新たな仲間に出会う。
これは、少女クレアと獣人ゼルクから始まる、改変された世界に隠された真実に辿り着く物語。
初めまして。
読んでくださりありがとうございます。
少し補足説明です。
•神は6人います。 (水神•獣神•竜神•宝神•風神•人神)
•それぞれの種族には神が存在しています。
詳しいことはこれからの話の中で少しずつ明かしていければなと思います。
これからもクレアたちの冒険を見守っていただけたら嬉しいです。




