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ミニヨンウォーズ 教室の皇女と高校生ヒーローの3人  作者: ドットオー
第2章魔法少女編
22/52

第22話「剣身一体〜超特急合体スーパーソードライナー〜」

桐川コーポレーション ハンガーデッキ

作業員たちが大破したAGX-Ⅱツヴァイキャノンの破損状況の確認をしている。


***

同 通路

「待って下さい!桐川博士ッ!」と、負傷した織田ラルフが足を引きずりながら

先を歩く桐川トウカの後を追う。

「(立ち止まって)かすり傷で済んだそうだな」

「はぁ……」

「我が社のコックピットの安全性は確かな様だ。パイロットから戦死者が出なくなるのもそう遠くはない」

「相変わらず、転んでもタダでは起きないですね」

「礼はいらんぞ」

「そんなことよりAGX-Ⅱの状況は?」

「修復は難しい。それに興味は無い」

「は⁉︎」

「ふん、まあ、AGX-Ⅱを超えるものを作ることには興味がある」

「では⁉︎」

「今、コアとなる学習システムX(エクス)を取り外させているところだ。このままヘイムダルの製品にやられたままにしておくか」

「桐川博士、僕も手伝います」

「頼むぞ」

「しかし、あの機体……」

「どうやら、プラットフレーム構造で武器、装甲を戦況にあった換装でどの様な戦場でも使えるようにするコンセプトのようだ。

同じフレームを作ればいいわけだから量産ができて今回のコンペ最大のテーマである大幅なコストダウンが可能だ。先ほどのあれは宣戦布告というわけだ」

「なるほど、本体フレームを安く売って、高いオプションパーツで利益を出すわけですね。

それにしてもパイロットの柊紫月という女、魔法少女たちと行動をともにしているようですけど、

ヘイムダル社といったいどんな関係が……」


***

ドルス国際評議場 国際警察機構長官室

執務机で書類に判をしている国際警察機構長官グールド・グレモリー。

林田誠一郎が書類を手に入ってくる。

「潜入させているロード・スクリーム巡査部長のレポートをお持ち致しました」

渡された書類に目を通すグールド。

「柊紫月……生きていたのか?」

「私も驚きました」

「……ヴィダルファングにはこのこと伏せておけ」

「はッ」

「あと、事件後の柊紫月の足取り洗っておいてくれ」

林田は一礼をして執務室を出て行く。


***

3日後

スメラギ国 とある公園

噴水前のベンチに座る私服姿の直江尊。

「(日曜の昼下がり,俺は……)」

「直江くーん」と、手を振りながら魔法少女のアイリがやってくる。

「待った?」

「いや……」と、素っ気ないふりで答える尊。

「(女の子と待ち合わせをしている⤴︎)」

「誘ってくれてありがとう」

「(やべ、バクバクしてる。どうしよう)クトゥルーを倒すためだ、仕方ない。魔法少女のこと今までのことを聞かせて欲しい」

敵対していとはいえ、はじめての女の子とのデート。興奮を抑え顔を赤くしながら必死にクールに振る舞おうとする尊。

「お散歩、しましょうか?」


***

公園内の遊歩道を並んで歩く尊とアイリ。

「(や、やべぇ、ほ、本当に何話せばいいんだ?ど、どうしよう)」

チラっとアイリの顔を見る尊。ふいに目が合って胸がドキッとする。

「(実はちょっと前から……いや、何考えているんだ俺。とにかくりりかのこと、じゃなくてニャルラトホテプのこと……

ダメだ、空気が重くなる。にしてもツカサの奴、アルテと2人きりのときでもよく平気でいられるな。あ!そうか、本当に何とも思ってないんだ。

この立場になって分かった。あいつ結構ドライなんだな。違う、違うツカサのことなんてどうでもいいんだよ。とにかく話しなきゃ」

「直江君、家族は?」

「えッ⁉︎」と、突然話しかけられてビックリする尊。

「え?あ……弟や妹たちがいたかな」

「いた?私は妹が2人と弟1人」

「お姉さんなんだ……」

「はい」


***

3年前ーー

直江尊 回想

魔法少女のアイリの問い掛けにふいにあいつらのことを思い出してしまった。

たしかに俺には兄弟たちがいた、みんな血の繋がらない兄弟たちだった。

日本の東京にある地区に戦争孤児たちだけが暮らす、スラム街があった。

俺が流れ着いた地区は、10歳が2人、9歳が2人、8歳が3人、7歳が3人、5歳1人、4歳1人が住んでいて俺が年長だった。

バラバラに生活していたあいつらをまとめ上げて13人兄弟で生活することを決めた。これで俺は弟が8人、妹が4人できた。

やはりバラバラだったから、下の小さな子たちは食糧もろくにありつけていなかった様子だった。

5歳の男の子"カズ"と4歳の女の子"ハル"は、よく喧嘩するけど2人はいつも一緒だった。

危なっかしいけど、1番働いて、食べ物見つけてきてくれたかな。

「たける兄ィこっちだよ」

「こっち、こっち」

と、2人はいつも手を繋いで俺の前を歩いた。

今にも崩れそうなスクラップ品の山だったり、ときどきとんでもないところへ連れてかれたけど、

そこから使えそうなものを拾って生活が潤ったな。

拾ったガスコンロを囲んで、あり合わせの鍋料理を兄弟たちで食べたな。

貧しかったけど幸せだった。

だけど……幸せは長く続かないものだった。

俺が、兄弟たちのために始めた新聞配達のバイト。

そこから戻ってくると、血だらけで倒れている兄弟たちが待っていた。

手に持っていた買い物袋を落として、俺は動かなくなった兄弟たちに必死に声を掛けた。

「カズとハルがいない⁉︎」と、気づいた俺は、路地裏を必死に探した。

「生きててくれ、2人とも」と、願った。願いながら探した。

すると、「このガキィ!」と、ドスの効いた男の声が聞こえてきた。

声がした方に行くと「噛みつきやがって」と負傷した手を抑える神父がいた。

神父の足元には血だらけで倒れるカズとハルがいた。

カズはハルを庇うように被さって倒れていた。

この神父は、後で知ったが近くで孤児院を経営していて、兄弟の何人かはそこから脱走していた。

虐待の噂が絶えないところだったらしい。

俺は近くにあった鉄パイプを手に取って、神父に襲い掛かった。

だが、この頃の俺は弱かった。

あっさりかわされて、腹に一発食らって、あっという間に地面に寝ていた。

「お前も痛ぶられてぇようだな」と、神父は執拗に蹴りを入れてくる。

「お前、これで俺をどうしようとしてたんだ?」と、俺の落とした鉄パイプを拾い上げて

「死ねぇ!」と、俺の頭めがけて振り下ろしてきた……。


***

夕方の公園

「何も聞けなかった……」と、ブランコに座って項垂れる尊。

手にしたスマホの通知には"またあさって"とある。


***

夜、街灯の灯りしかない薄暗い通り道を酒に酔った様子でフラ付きながら歩く中年の男。

男の背後にルルイエ空間を造るオーラが忍び寄るーー。


***

翌朝

男は、死体で見つかる。

所轄の刑事本田と若手刑事が検分に当たる。

「(免許証を見ながら)こいつどこかで見たことあると思ってたが、極星会の構成員だな」

「チンピラですか?」

「ああ、金がらみで何やらかしたか知らないが1年前に破門になっている」

「でも、外傷は無いようですね」

「酒も入ってたようだし、病死で片付くな」

本田たちのところに上司がやってくる。

「本田、この仏さんどうやら地域課のところに児童相談所からタレコミがあって

家族へのDVで目を付けられていたらしい……」

「DV……」

「え?てことは、DVや虐待の疑いのある人物が変死体で見つかったのってこれで4例目になるじゃないですか⁉︎

……つまりこれは連続殺人?」

「……」と、3人顔を見合わせ沈黙する。


***

キサヒメ学園 理事長室

話をしているフェリス・グレモリーと柳生ロード。

「てなわけで、殺された親たちに虐待を受けていた子供達は、みんな近くの施設で幸せに暮らしているそうよ」

「めでたし、めでたし的な言い方で閉めないで下さいよ」

「警察の捜査情報ですわ。なぜこんなこと、あなたに話したかお分かり?」

「これは警察のお仕事でしょ?」

「警察のお仕事……だから、あなたに依頼しているの」

「え?」

「生活安全部に潜入しているのは、もちろん警察のお仕事。その生活安全部を使って、この連続殺人の捜査をする。

それはつまり警察のお仕事でしょ?」

「なんなんですかその理屈は?」



***

児童養護施設を柊紫月が訪れる。

庭で遊んでいた子供達が「しづきお姉ちゃんだ!」と、気付いて駆け寄ってくる。

「またプレゼント持って来てくれたの?」「今度はどこに行っていたの?」

と子供達から質問責めを受けていると外の騒がしい様子に中から、「みんなどうしたの?」と、

職員の格好をしたアイリが出てくる。

「しづきちゃん……」

「お前は……」


***

ベンチに座って話しをしているアイリと紫月。

「ひと月に一回、贈り物を届けてくれる人がいると聞いていたけど、しづきちゃんのことだったのね」

「いつからだ?いつからここにいた?」

「3ヶ月くらい前かな……」

「そうか……」

「しづきちゃんは、もしかしてここの……」

「いや……妹だ。妹が育った場所だ」と、耳に付けているイヤリングをさする紫月。


***

紫月はあの日を振り返る。

ひまりからの情報で廃工場に突入の準備を進めていた紫月たち。

「ひまり、あと30分で向かうわ。あなたはそのまま待機をお願い」

「待たないよ」

「ひまり待ちなさい」

「いつものように先に行って懲らしめてるから、紫月たちはゆっくり来てね」

「ダメ!!あなたはいつもそうやって突っ走るんだから」

「私、みんなより強いんだよ。知っているでしょ?」

「言うことを聞きなさい!」

「ねぇ、紫月。もうじき誕生日近いよね。プレゼント用意したから。楽しみにしてて」

と、通話が切れる。

「ひまり……」


***

廃工場の大爆発から数時間後

瓦礫から這い出てきた紫月は、「ひまりッー!」と叫んで辺りを見渡す。

瓦礫のすき間から光る物体があることに気付いた紫月は、瓦礫をどかしてみると、そこに翼を模したイヤリングを発見する。


***

「私行くね。明日からまた子供が1人やってくるの。準備しないと」

「そんな頻繁に子供が預けられてくるのか?」

「(首を横に振って)ここ最近よ。知っている? 子供を虐待していた親が変死体で見つかる事件が起きていること」

「クトゥルーの仕業……」

「亡くなられた親御さんには申し訳ないけど、ここに預けられたことで以前より幸せに暮らしているわ。随分と偽善なクトゥルーもいたものね」


***

夜ーー

自動販売機を蹴りながら苛立った様子で通話をしているホスト風の男。

「あ?ガキの夜泣きがうるせぇ?そんなの2、3回ひっぱたけばおとなしくなるだろ。くだらねぇことで電話してくんなよ!」

男は通話に気を取られている間に背後から忍び寄るルルイエ空間に飲まれる。

触手に絡みつかれる男は悲鳴をあげて助けを乞う。だが、蛇のような頭部を持った人型で大型のクトゥルーは意に返すはずもなく口を大きく開けて男を放り込む。


***

翌日ーー

児童相談所の女性職員に連れられて6歳くらいの女の子がやって来る。

うつむく女の子に出迎えたアイリは「もう大丈夫だよ」と、語りかける。

「もう痛くする大人はいないから、ここでみんなと仲良く暮らしましょ?楽しいよ」

「パパ、約束した。ちゃんと働いてママに優しくするって……」

「亡くなられたお父さんは、お母さんに手をあげられていたこの子を庇うために奥さんに

暴力を振るってしまっていたそうよ。暴力の連鎖という悪循環ね」

「(声を震わせて)そうか……そうか……私の独りよがりだったのね……」


***

市街地

大きな爆発と共にルルイエ空間を食い破った蛇のような頭部の大型クトゥルーが現れる。

そのクトゥルーをビルの屋上から観察する間宮ヒト(ニャルラトホテプ)。

「素晴らしい成長だ。さぁ君のすごさを見せてくれ」

そこに颯爽と駆けつける、グランドザウラー、ローズライダー、ソードライナー、ドライグライナー。

「お約束通り、お出ましだね。生活安全部。だけど……」と、ヒトは種子を放り込む。

グランドザウラーとローズライダーの前に、中型のイモムシクトゥルーが数体現れると、

飛びついて、粘着性のあるゼリー状に変化してグランドザウラー、ローズライダーをビルに貼り付けてしまう。

「なんだこれッ!動けねぇ」と、がんじがらめのグランドザウラーとローズライダー。

「グランドザウラーさえ、封じてしまえば、あとはたいしたことはない」と、

不敵な笑みを浮かべるヒト。

「ここは2人きりで乗り切りましょう」

「言われるまでもない!」と、ソードライナーは鞘からライナーブレードとライダーブレードを取り出して

クトゥルーに攻撃を仕掛ける。

だが、背後からの光線による攻撃に「なんだ⁉︎」と、振り返るとそこにはヴァナディス・ソードエディションが銃口を向けている。

「そのクトゥルーには手出しはさせない」と、ソードライナーに襲いかかる。

「何のつもりだ!お前」

「彼女はやらせない」

ビルの屋上から見ているヒト「さぁ、アイリ。目の前の邪魔ものを蹴散らすんだ」

アイリクトゥルーが雄叫びをあげると背中の触手の表面から無数の針のようなモノが飛び出して

3体に降り注がれる。

持っている武器で弾き返す3体だが、あまりの数に返しきれず体中に被弾する。

地面に倒れこむソードライナーに、アイリクトゥルーは追い討ちをかけるように触手をムチのようにして叩きつけてくる。


***

神父から執拗に殴られた時のことをフラッシュバックするソードライナー。

「死ねぇ」と、神父は尊の頭部めがけ鉄パイプを振り下ろすーー。

尊は覚悟してグッと目を固くとじると"カランカラン"と鉄パイプが転がってくる。

見上げると神父は頭から血を吹き出し倒れる。

そして振り返ると「危なかったなぁ。小僧」と、日本刀を手にした直江カネツグが立っている。

その背後には複数人のサングラスをした黒服の男たちがいる。

「悪かったな。俺がもうちょっと早く通り掛っていたらあの子達も助けてあげられたのにな」

「……」

「なぁ、小僧。強くなりたいか?泣くな、簡単なことだ。勝つために手段を選ばなきゃいいだけのこと悩むことはねぇ。

俺のなまくら刀をいっちょまえに使えるようになるくらいは教えてやるよ」


***

ドライグライナーが触手を切り落としてソードライナーを救出する。

「このままじゃマズイ。不本意ながら君にスクリーム流の極意を授ける」

「何様だ、後輩」

「超特急合体だ」

「うまくいった試しがないじゃないか」

「だけどこのままだと勝てない」

「勝つためには手段を選ばないか」

「行くぜ、超特急合体!」と、2人が声を重ねて叫ぶソードライナーとドライグライナー。

合体シークエンス。

ドライグライナーは、全身が上半身から腕にかけて左右に、下半身から脚にかけてが左右に、ウィングとで5つのブロックに分かれる。

ソードライナーの足裏に、変形したドライグライナーの脚がドッキング。

クレーンが装備されたドライグライナーの左腕が変形してソードライナーの左腕にドッキングする。

そしてドリルが装備されたドライグライナーの右腕が変形して、ソードライナーの右肩にドッキングする。

ドライグライナーのウィングがソードライナーの背中にドッキング、胸飾りがドッキングして

「スーパーソードライナー!」と名乗りをあげて完成する。

「出来たのか!スーパーソードライナー。すげぇ」と、グランドザウラーも興奮気味に驚く。

アイリクトゥルーは再び触手から無数の針を射出する。

「スクリーム流の極意それは"剣身一体(けんしんいったい)。刀身と剣を扱う者の体が一体となること。

己が一振りの剣となることでどんなものでも刃にできる」

左腕のクレーンからワイヤーを射出させて、そのワイヤーを振るって次々に針を破壊していく。

触手をも切り裂くとそこに、ヴァナディス・ソードエディションが砲撃しながら向かってくる。

スーパーソードライナーは、ライナーブレードを投げつけてヴァナディスがそれをかわした隙に、

右肩のドリルをフル回転させて、「ドリルハリケーン!」と、竜巻攻撃でビルに叩きつける。

スーパーソードライナーはライダーブレードとチェンソーブレードを合体させてナギナタブレードにする。

「スクリーム流の創始者は剣を極め、剣の姿となったそれこそが剣士の頂き!」

スーパーソードライナーに大きな剣のイメージが重なってアイリクトゥルーを真っ二つに切り裂く。

「(ロード)剣士とは剣であり、剣とは剣士である。どうだこれがスクリーム流の極意だ」

「(尊)……」

紫月はスーパーソードライナーに反撃するためにヴァナディスを起動させようと必死にレバーを動かすが反応しない。

ヴァナディスの背中にライナーブレードが刺さっていることが分かると

「さっき投げたのは囮では無かったのか!」

投げたライナーブレードは、刀身を上にしてビルに突き刺さっていた。

そこにはヴァナディスが落ちて来ていた。

「(ロード)卑怯なッ!」

「(尊)俺は、勝つためには手段を選ばない」

「(ロード)君という男は!」


***

紫月の肩に掴まって歩くボロボロのアイリ。

「いつからだ?」

「レベル6になってしばらくして……うすうす感じてた。それがりりかちゃんを見て確信したわ。

私には、ほんのいっときだけ、弟がいたの。4年前、私が15歳のとき、お母さんが新しいお父さんを連れて来て

そのとき、一緒にやって来た子が2つ下の弟。体にアザが出来ていて、冷たい目をしていた。

話しかけてみても返事もしてくれなくて。ひと月も経たないうちに家を飛び出してしまったわ。

そこから、新しいお父さんは私たちに暴力を振るうようになっていた。怯える妹を見兼ねて、私はお父さんを刺してしまったの。

命に別状は無かったけど、それっきり家を出て行ったわ。私は、ずっと弟が気になって今の仕事を始めた。

どこかで助けを求めているんじゃないかって。弟みたいな思いをしている子供たちが他にもいるんじゃないかって、

だから……だから私はクトゥルーになってしまったのね」

その場に倒れこむアイリ。

マヤ、すずめ、なでしこが駆けつける。

「お、お願い私を殺して……」

「何言ってんだアイリッ!」

「そうだよ。アイリ姉ぇ!」

「クトゥルーに……なりたくないよぉ……」

「やだ、出来ない……」

「何か方法があるはずだ」

「そうですよ。アイリさん、諦めないで下さい」

泣きすがる3人の前で紫月はグッと堪えるように刀でアイリの首を斬り飛ばすーー。


***

夕方の公園

ブランコに座ってアイリが来るのを待つ尊。

ふと、4年前のことを思い出す。

「(そういえば、俺に姉さんがいたな。一言も口を聞かずに家を飛び出してしまったけど……

それからあちこちを転々としてあいつらに出会ったんだよな。元気してるかな。その姉さんも妹たちも。

今思えば誰かに似ている気がする。誰かに……)」


つづく
























































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