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落星物語  作者: 間々 ようこ
果て
42/42

落星

「おじさまー!」

 キャッキャと瞳の可愛い女の子が走ってくる。龍はそれを抱きとめると、高い高いしてぐるりと廻る。

「重くなられましたな、椿さま」

「お母様がずっとお待ちでしたよ。今度の旅はどちらへ行かれていたのですの?」

「都だよ」

「ミヤコ?」

 椿はくるくる瞳を動かして、考えている。

「椿さまは都に行きたくございませんか」

「どんな所なの?」

「行ってみればわかります。恐ろしい所です。悲しい所です。でも、愛する人が見つかるかもしれません」

「あら、でも」

 椿が指差す方に、まじめそうな男の子が立っている。

「わたし、結婚する相手がいるの」

「おや、椿さまはおませですね」

 ははは、と龍が笑う。蓮殿の中から、白い衣の尼僧が出てくる。

「星さま」

「龍殿」

 二人はしばらく見つめあって立ち尽くした。古いなじみの顔に、お互い思う所があった。池の蓮の上から、カエルが跳ぶ。ぽちゃんと音がする。

「お入りになってください。あれから五年です。昔語れぬことも、今は語れるかもしれません」




 あるところに、かつてやんごとなき身分だった尼僧がいた。彼女は名を星と言ったが、人々は落ちた星「落星」と呼んだ。

 そしてまた、一連の争いを彼女がまとめた物語を、落星物語という。


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