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8話目! 護衛依頼。

 依頼を受けた翌日、私は商隊の出発するという北の門にきています。そこには同道すると思われるたくさんの馬車とその馬車に荷物を積み込む下っ端の人が大勢いました。

 私はとりあえずマイカさんに聞いた商隊の責任者の人を探していると、商隊の中盤部分に一際大きな馬車があったのでたぶんコレだろうとアタリをつけ接近していきました。


 「すみません。ギルドから護衛依頼を受けてきたんですけど……」


 私が声をかけたのは30代位のメガネの似合うナイスミドルな男性(実はちょっと好みです)

その人は私を見て思うところがあったようだがやり手の商隊のリーダーらしくそれを表情に出さず適切に応対をしてきた。


 「……君がかい?悪いけどギルドカードを見せてもらえる?」


 「はい、どうぞ」



 私はギルドカードをその男性に渡すと私のカードの情報を見て驚き、すぐにカードを返還してくる。



 「あぁ、確認した。マイカさんから一応話は聞いていたけどまさか女の子でこんなに若い子とは思っていなかったのでね……。あと君が作ってくれた保存ボックスのおかげで最近我が商隊の売り上げもうなぎのぼりだよ感謝している」


 「……私が発案したことは内緒のはずなんですけど?」


 「あぁ、私以外は知られていないよ。実は保存ボックスを流通させる時に一枚噛ませて貰ったおかげで君の名前を聞いたんだよ」


 「そうですか。ですが他の人にはバレないように配慮して頂けるとありがたいです」


 「任せてくれ。コレでも商隊のリーダーをしているんだ口は堅いよ。っと、済まない自己紹介をしていなかったね。私はこの商隊のリーダーをしているカルバレイス、他の人からはレイスと呼ばれているよ。よろしく」


 「あ、コレはご丁寧に……私はリリアです。魔狩人ですので基本は遠距離攻撃ですが接近されても棒を使った戦闘もできるのでお任せください」




 お互いの自己紹介が終わった所でレイスさんは他の護衛依頼を受けたメンバーにも会っておくように言い、私を既に何人か集まっている冒険者の下へ案内してくれた。



 「……なんでここにいるかなぁ?」


 「あぁ!リリアさんじゃないですか!お久しぶりです。もしかしなくても護衛依頼でいらしたんですよね?」


 「そうだよ?ハルトたちは先週別の依頼やったばかりなのにこんな長期の依頼を受けても良かったの?」


 「それはですね、その依頼の報酬を分配後にマックのバカが全部酒代に使っちゃいましてこのままではヤバイと泣きつくのでこの依頼を受けることにしたんです」


 マックはドワーフだから定番通りお酒がすきなんだね……。ハルトも私と同じような感想を抱いていたらしく私と同じような冷たい視線をマックに向けていたのだった。




 ということでそこにいたのは真紅の暁の面々と知らない冒険者が2組。一組は珍しく女性3人で編成されていて年齢的には私とそう大差はないと思われる。もう一組はいかにも……な感じのごつい男性含む冒険者4人のパーティで話してみると見た目に寄らず誠実そうな人たちだった。




 女性冒険者3人は《薔薇の明星ローゼス・ヴィーナス》と言い、全員が銀5というランクもちでした。名前はリーダー兼魔法使いのナリア18歳、前衛の剣士ベリル16歳、盗賊のミト16歳だという。三人は1年半前から冒険者を始めており最近やっと全員が銀5になったといっていた。


 私としては話しやすさでいうとこの3人の方が良いので、基本はこの3人と行動をともにしている。というのも今のままだとハルトたち4人、男性冒険者の4人なので私達が4人で行動を共にすると言うことになったのだ。



 私としてはソロのほうが楽だし無理に組まなくてもいいです!とレイスさんに言ったのですが、残念ながらその希望は聞き入れてもらえず依頼主権限を発動され組むことに相成りました。



 長く大きい商隊なので一塊で護衛をするわけにもいかないので配置を相談。男性冒険者4人は前衛3人後衛1人なので商隊の前の方の護衛担当、真紅の暁は商隊の中盤、私達は残った後方の担当となりました。



 出発までの間はファニーも入れて女5人で仲良く喋っていましたが、商隊の出発の号令が聞こえるとファニーは名残惜しそうに中盤へ戻っていった。





 商隊の移動は片道2週間もかけて北にあるグリンガバイト帝国の中でも大きい都市ロシエトに向かうこととなる。道中盗賊が2回モンスターの襲撃3回あったが特に問題なく討伐できた。この戦いで私も人を殺すことになったけど特に忌避感は起きなかった。


 一回目の盗賊の首領が女冒険者4人と言うことで私達のところに来たのだけど、ナリアの魔法で首領さんは死んでしまいました。


 二回目の盗賊の首領さんも私達のところに来たのですが、全員が目視した瞬間を見計らい私が矢を放ち討ち取りました。実はもっと早く気づいており倒そうと思えば倒せたんですけど働き次第で報酬が増えることを思い出したのであえて全員に首領の姿を確認させました。



 一回目の獣型モンスターの群れに関しては男性冒険者パーティと真紅の暁が問題なく討ち取り、二回目と三回目にきたゴブリンや獣の混成軍の襲撃は多方向から来たのでそれぞれのパーティが応戦する。ナリアが大規模魔法を使えれば私より射程距離や攻撃範囲は広いのだろうけど、生憎まだ彼女は100m先にちょっとした範囲魔法を発動できる程度だというので、今回は私のアローレインを披露することにした。



 「さてと……今回は特性の【追跡】を使用しつつ【分裂・貫通・火属性】でいいかな。遮音をつけたら味方が避けれないもんね。追跡のおかげで当てる気はサラサラないけど……」


 そう言いながら一本の矢を取りだし番えると空に向かって放つと仕事は終わりとばかりにその場に座る。それを見ていて驚いたのは薔薇の明星のメンバーたちだ。


 「え?ちょ?なんで空に向かって矢を?それも一本しか射ってないのに座るとかなに考えてんの?もうモンスターがそこまで来てるのよ!!」


 「リリアさん!もっと矢を撃って下さいよ!」


 ナリアとベリルは私に向かってそういうがミトだけは違った。盗賊らしく私の放った矢の起こしている変化に目が釘付けとなっており言葉を発せないでいるのだ。




 「ナリアさんにベリルさん。そんな事を言わなくても戦いはもう終わりますよ?」


 私がそういってモンスターの群れを指差すとそこには空から落ちてきた大量の矢が意思を持つかのようにほぼミスなくモンスターに突き刺さっているのだ。私達が担当するエリアには動くモンスターの姿はない。



 「え?なにこれ?どうなってるの?」



 ナリアさんが驚きながら聞いてきたので説明しようと口を開いたとき、ミトが代わりに言葉を発する。



 「リリアさん……もしかして魔具の矢を撃ったんですか?」


 私は、ん?と思ったけどスキルの説明をするより、魔具として説明する方が納得してくれそうなので頭を働かせ魔具の矢である方向で説明をした。


 「そんな魔具があったんですね」


 薔薇の明星の3人はあっさり納得した。もしかして何でも魔具のせいにすれば解決できるんじゃ?とひそかに思ったのは内緒。




 なお私の矢に対して驚いたのは薔薇の明星の面々だけではない。当然ながらその護衛対象である商人たちにも目撃されているわけで……。商人たちは素早く私の放った矢を回収しに行ったのだけどいざ引き抜こうとしたらその矢の姿は消えうせていった。勿論理由は【分裂】の効果が切れた為である。そして運よく本体の矢を取得した商人はすぐに解析能力をかけたがそこにはもう魔力の欠片も残っていないただの鋼の矢だった。



 男性冒険者たちや真紅の暁の面々も実は私の矢による所業を遠めにだが見ていた者がいる。


 「なんだよあれ!?後方って一番魔物の数が多かったのにもう終わっちまってるんだ?」

 「おぉ!?さすがリリアさん!湿地帯の時よりも矢の威力が上がっている気がするぞ!」


 前者は男性冒険者、後者はハルトだ。それぞれ配置はバラバラだが同じようなことを言っていたらしい。数分後リリアたちは後ろの護衛商人たちから頼まれ手助けに入ろうとしたが前の方は魔物が既に壊滅状態、真紅の暁たちも湿地で見たときより動きが良い感じがしたので、危なくならない限り手を出さない方向にした。



 あとレイスさんはと言うと魔法を使えるらしく、魔物討伐に参加していたことには驚いた。威力は高くないようだが牽制には役立っていたらしい。



 全員が頑張ったかいもあり、多少冒険者数人が怪我をしたが死者はでなかったのでよかった。

こうして片道2週間の旅が終わりロシエトに到着したので商人たちは商品取引に忙しくなるので私達はとりあえず1ヶ月はここで過ごすことを余儀なくされた。


 レイスさんに聞いたところ町の中では護衛はいらないので他の冒険者稼業をしていても良いと言い、その条件として出発予定日には必ず戻るようにと念押しされた。ちなみに護衛代金に関しては護衛終了次第の支払いなので基本お金のない私としては狩りに出ざるを得ないのです。


 なのでとりあえず最初の1週間はロシエト冒険者ギルドに話を聞き周辺のモンスター狩りとスキルの習得に努め色々覚えました!

 ロシエトは寒い地方なので、少し足を伸ばせば氷山や氷海に行き当たるのです。よって倒したモンスターからは【耐寒】と【絶氷】といったスキルに加え幾つか頂きました。とはいえ述べたもの以外は魔具に付与しない限り使えそうに無い物ばかりでしたけどね。


 【耐寒】は文字通り寒さに関する適応力や水・氷魔法耐性が上がり、【絶氷】は氷魔法のようなものですね。この世界には氷魔法というのはないのですが……(全て水魔法に括られています)



 そうそう、あと魔物でユキヒョウというのがいたのですが、その子からは【地獄爪殺法】をいただきましたね。毒やマヒを引き起こす謎の爪が生えるスキルです。【腕力強化】と組み合わせて取っ組み合いになったときに役立ちそうです……。まあ個人的には変身した状態で雪や氷の上を走るのに役立つ方の意味合いが大きいですけど。人型だと動きにくいんですよね。……ドンドン人じゃなくなってるけど気にしません。バレなきゃ良いのですから……。


 とこういった感じで最初の一週間は過ごしました。


 え?宿はどうしたのかって?そこはレイスさんが用意してくれました。他の作業を受けてもいいとはいえ現在はレイスさんに雇われている身ですから雇用者の責任問題じゃないかと……。

 蔵咲理亜 ヒューマンLV25

 職業 魔狩人

 体力 389

 魔力 501

 腕力 182

 敏捷 274

 幸運 91


 スキル:【棒術】【鑑定】【隠れ身】【採取】【気配察知】【弓術】【魔具製作】【空間魔法】【交渉】【変身】【生活魔法】【調理】【腕力強化】【疾走】

【火魔法】【水魔法】【風魔法】【土魔法】【異臭(封印)】【嗅覚上昇】【分裂】【槍技】【水陸両用】【幻夢】【耐寒】【絶氷】【地獄爪殺法】


 職業スキル【隠蔽】【遮音】


 職業特性【追跡】【魔獣・獣特攻】

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