表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/29

9話目!(とある女の子視点!っぽい)

 「よくきてくれたな!異世界の勇者達よ!」


 私達が目覚めるとそこにはキラキラとした高価そうなツボや絵画などがあり、声が聞こえたのでその方向を見ると玉座らしきものがありそこには貫禄のあるヒゲモジャの壮年の男性が座っていた。


 周りには私のほかにもクラスメイトと先生などがいるけど私のたった一人の親友だったあの子がいない以上クラスメイトだろうが先生だろうがどうでも良い。説明も心底めんどくさいですし。


 来ている人数も数えるのが面倒なくらい多いですしそりゃ学校の授業中に突然床が光ったと思ったらここに来ていたのですから学校の生徒職員全員が巻き込まれたのでしょう……。


 「ふむ?どうやら混乱しておるようじゃな。宰相!このものたちに説明を!」


 「はっ!王よ。しばらくお待ちください!」



 どうやらヒゲモジャは王様のようです。そして、宰相と呼ばれた中年のおじさんが一言も喋らない私達に何かの説明をしてくれると言うことらしいです。



 「まずは私の自己紹介を……私はグリンガバイト帝国宰相のディスク・ペリメントと申します。

 あなた方は我がグリンガバイト帝国皇帝であるジョナサン・ハロウズベルト・グリンガバイトによって召喚されました。わが帝国だけでなく東のグリゼルダ聖王国でも同様に異世界より勇者召喚を行っているでしょう……いえもしかすると既に終わっているかもしれませんが……。

 とにかく、あなた方を呼び出した理由は現在魔王と名乗るものが誕生し、全世界が魔物に襲われる危機に瀕しております。それを救って頂く為お呼び出しさせていただきました」



 宰相が説明する中、私は親友だった子の家で読んでいたラノベを思い出した。異世界召喚かぁ。そういえば異世界の勇者よ!ってヒゲモジャもとい皇帝陛下が言っていたよね……。めんどうだなぁ。


 確かラノベどおりだと、たとえば首輪つけられたりして従うようにさせられちゃうんだよね。そんなの絶対ごめんだわ!だから私は自由行動できる頃に逃げようと思う。クラスメイトにも先生にも知られないように逃げたいな。



 宰相の説明後、皇帝陛下からお言葉?を賜った後、私たちは各自部屋に戻ったりスキルについての説明を受けたりしている。私はそのどちらでもなく城の中をうろうろとしている。ちなみに後ろから2人くらい兵士がついてきているのでおそらく監視だと思うだよね。つかず離れずの位置で止まるし。



 仕方がないので私に割り当てられた部屋に入るとすぐにメイドらしき人が現れ、警護の為部屋の鍵を閉めさせてもらいますと言い出しました。


 外から閉められたら逃げれないじゃん!?と言いたかったが実際そういう(逃亡防止)目的だろう。

部屋に入るとカチャリと鍵を閉められたのでようやく一息。

 あっ、そうだ私の自己紹介していなかったですね。


 私の名前は真坂広美。見てのとおり中学3年生!ではなく高校1年生です。何度か出ている親友の名前は

蔵咲理亜。彼女は中学3年生の時下校途中に死んでしまいました。実は私も当時現場近くにいたんです。4ヶ月前のあの日、いつもどおり学校を終えて高速道路下の分岐路で別れて2分もしないうちに理亜の帰っていった方向からものすごい音と爆発音が聞こえました。私はすぐ理亜が心配になり高速道路方面に行くとそこにはおびただしい量の血痕と先ほどまで理亜が持っていたカバン。それを見た後目の前が真っ暗になり意識を失いました。




 これはこれで大事な話ですけど、今はもっと大事なことがありますね。宰相がいうように部屋の机の上には腕輪っぽいのが一つあります。これは身分証代わりになるので常時つけて置くようにといわれていますが、つけたら後戻りできなくなりそうですもんね。なお、今日はもう遅いので明日スキルについて説明をするといってたので、それは聞いておかないとマズイ気はします……が聞く際に間違いなく腕輪をつけているか確認されるでしょう。もしそれをつけていなければ……想像に難くないですよね?

 無理やりつけさせられるか牢屋かどこかに隔離されるかはたまた殺されるか……どれに転んでも地獄間違い無しです。逃げれたとしても強姦されるかもしれないもんね……。


 こういう時、理亜ならどうするんだろう?あの子ラノベ好きだからいろんなシチュエーション想定して動くんだろうなぁ。ラノベにスキルに関してなんて書いてあったっけ?たしか念じるか声に出せば表示される……だっけ?試してみようか。ダメモトで……。



 「メインコマンド!ステータス!メニュー!スキルオープン!」


 どれでヒットしたのか分からないけどそれらしき画面が認識できました。


 真坂広美 ヒューマン

 職業 偽光勇者

 体力 200

 魔力 250

 腕力 90

 敏捷 100

 幸運 45


 スキル【真理眼】【透過】【屈折】【奪光】【幻影】【光魔法】


 偽光勇者 光のある時間帯にのみ力を発揮。作り出された光でもスキル利用はできるがスキル効果は落ちる。


 【真理眼】何者も見通す目。相手の真の姿を見る。道具やアイテムに使うと作者まで全てがわかる。

 【透過】 自身が光と化し光を通すもの全てをすり抜ける。

 【屈折】 光を利用しそこにいる自分を認識させない。熱源探知には弱い。

 【奪光】 相手の光を一時的に奪う。

 【幻影】 そこにないのにあると思わせる。

 【光魔法】光の魔法を使える。



 「……チートだぁぁぁ!」


 私はベッドに顔を押し付けながら叫んだ。ドアの外に聞き耳を立ててるものがいたとしてもウーウー唸っているだけと思うだろう。



 「これって、明らかに私がここから逃げる為にあるスキルよね。いるかどうか分からないけど神様ありがとう!」


 自分でステータスを診ることができると分かった以上、ここにいる必要はないけど今はもう夜中だから明日の朝行動に移すことにしようと思う。



 スキルを使えると安心した私はあっさりと就寝。だけど朝日の光を浴び起床する。時間的には5時くらいかな?携帯を取り出してみると時間は 5:13をさしていた。昨日ねたのが23時だったから十分に寝てるわね。


 目を覚ましたらすぐにスキルの使い勝手の確認を行う。スキルに関しては宰相や王のいる場所で晒すわけに行かないので今すぐにでも脱出しようと思う。


【透過】【屈折】【幻影】の三つを使い腕輪をつけてるように錯覚させ捕まっても大丈夫なようにしてから窓ガラスをすり抜け、自分を見えないように光で調整をした。


 部屋の窓ガラスを抜けると広いテラスとなっていて兵士が数人見回りをしているけど目の前に立っても認識していないようだった。

 これならいける!と確信した私は、まんまと城を脱出し城と隣接している町であるロシエトに忍び込むと、路地裏でスキルを解除し、そこらにいる街の人に話を聞くと冒険者ギルドに登録すればお金稼ぎはできるらしい。特に初回は登録料も掛からないらしいけど一定の戦闘力か技能がないと無理とのこと。


 一応光魔法を持っているし、大丈夫ね!と意気込み冒険者ギルドへ向かいました。ギルドに向かう途中、カバンが売られているのを発見し見覚えがあるようなないような?と思いなんとなく見ていると、徐々にカバンに名称と作者の名前が現れたではないですか!


 どうやら【真理眼】が発動したようですね。私はその文字を読むに連れて4ヶ月前にきえた思いがよみがえってくるのを感じたのだ。


 そこに書かれていたのは


 アイテム名 【保存ボックス 旧名《入れちゃいやん!》】

 作者 リリア(蔵咲理亜)


 の文字。




 「なんで?同姓同名?日本でならともかくこんな異世界で?ありえないわ!

と言うことは本人?。アイテムのネーミングセンス的には本人であることは疑いようがないけど……」



 私はすぐに販売している商人に話を聞くと商人達が数週間後に戻る予定の街で作られたことを知る。


 「この商隊についていけば理亜に会えるかも!できれば乗せてもらえないか交渉してみてダメだったら最悪魔法で姿を消してついていくしかないね。そうと決まれば商隊のリーダーにあわせて貰わないと!」



 リーダーであるカルバレイスさんに会えたのは商隊が出発する2日前だった。私がカバンを作ったリリアに会いたいというとカルバレイスさんは驚いた顔をしていたが、4ヶ月前に別れたきり音沙汰がなかったこと(あっちでは死んでることは確認したので間違いないですよね?)、リリアの特徴などみっちり説明した結果、リリアを狙った悪人と思われずにすんだのです。




 そして商隊が出発する当日護衛に現れた少女を見た私は感激の余り抱きついた挙句泣きじゃくっていました。



 「理亜!会いたかった!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ