エピソード1
この小説はフィクションです。おそらく
本当に晴れやかな日だった
その日だけは格別に晴れやかで
その日だけは外に出て散歩でもしようか、という気がした
そして、それが現在の事態の原因だ
ドカン!!!
詳しい説明は後回しにして
「俺も少し休ませてくれ、魔界のこの幻想的な連中め!!!」
目の前へ飛んでくる、正気じゃいられないような棘付きの鎖を放つ奴から捕まえてから話そう
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ここに来たのは約3年前のことだった
小説で誰もがよく目にする、異世界転生のようなものだ
少し違う点があるとすれば
ここが、教科書でうんざりするほど語られる未来都市のような雰囲気の世界だということだ
そう、ここまではそうだとしよう
だが
[無限に楽しみましょう!無限ジャンオカルビ!]
[疲れていませんか?そんなあなたのために!プラネットバックス!]
目の前にあるこのホログラム広告ウィンドウは何なんだ……
それに、プラネットバックスだの、無限ジンオカルビだの。X輪X社カルビ、XタXスのパクリか?
まあ、ある人なら「おっ!ステータスウィンドウだ!」と歓声を上げるかもしれないが
あれ、他の人たちにも見えている
そうだ、これはステータスウィンドウではなく、ただの広告ポップアップウィンドウのようなものだ
私は膝の埃をポンポンと払い、席から立ち上がった
周りを見回しても、見えるのは広い芝生とピクニックに来た家族、散歩している人たちだけだった
どう見ても異世界ではないような風景だった
それはさておき、周囲に見えるのは木……芝生……石畳……ここは公園なのか?
そうして行き先も定まらない足取りは、やみくもにどこへでも歩き始めた
公園を出て、真っ先に目に入ったのは、空を浮遊する自動車たちだった
たぶん、磁気浮上だろう?
それから目に入ったのは、なんだか……機械のような高層ビルや、サイバー・ファンクのような服を着た人々だった
「あの……」
「はい?」
「ここ、どこかわかりますか?」
「……」
通りすがりの人に無意識に声をかけたが、返ってきたのは狂人を見るような冷たい視線だった
まあ、そうだろうな。普通、こんな狂った質問をしたら、こうなるのが当然だ
そして、歩き始めて3時間ほど経った頃、私はどこか薄暗い路地を歩いていた
そして、いつものように
「おい! お前、何者だ?」
こういう場所は不良たちがうろついている場所だ
その中で、がっしりした体格の不良が私の襟首をつかんだ
「おい~ ここは俺たちの縄張りだぞ? 持ってるものはとりあえず全部出せよ?」
正直、今でもそんな考えが頭をよぎることがある
もし
あの不良を殺すつもりで殴っていなかったら、今とは違う人生を送っていただろうか?
バキッ!
私の腕が不良の腕をねじり、折ってしまった
不良が何か叫んでいたが、よく聞こえなかった
罪悪感はなかった
折れた腕の骨が肉を突き破り、醜く突き出て血を流していた
私は倒れて自分の腕を見つめていた不良の頭を、ありったけの力で蹴り上げた
足に、役立たずの血がべとべとと付着した
他の不良たちは、私の姿を見て怖かったのか、凍りついた
いや、今思えば
私の後ろに立っていた人のせいかもしれない
とにかく、私が不良の息の根を完全に止めようと再び足を上げた瞬間
何かが私の首を打ち、気絶させ、その直後、目の前がぼやけた意識を失う前に聞いた声を、私は今でも覚えている
「……お前は何者だ?」
重厚でタフな感じがする声だと、今も当時もそう思っていた
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再び目を開けた時、私はベッドに横たわっていた
まだぼんやりとした意識を振り切り、その場から立ち上がった私は周囲を見回した
周囲に見えたのは、なんだか古めかしい家具とターンテーブルだった
そして、一番近いドアに向かって歩み寄った私は、静かにドアを開けて外に出た
外はまるで有名なバーに来たかのようだった
人は一人もいなかったが
そしてすぐ横から、意識を失う直前に聞こえた声が聞こえてきた
「もう意識が戻ったか?」
無意識に振り返った先には、顔だけ見れば60代くらいに見える、がっしりとした体格の中年男性が立っていた
白と黒が混じった髭、タフそうな目つき、そして豪快そうな髪型
正直、第一印象はマフィアのボスのような感じだった
「それで、よく眠れたか?」
男の問いに、私は無言で彼を睨みつけた
「まあ…危害を加えるつもりはない…なんて言う必要があるか?」
「あなたは誰ですか?」
男は黙って、私が出てきたドアを見つめた
視線を戻すと、ドアの前には「Master.K」と書かれた看板が掛けられていた
「……マスター?」
「みんなそう呼んでるよ。で、お前は一体どうしたんだ?通りすがりの哀れなチンピラを全治4週間にしたのか?」
「……」
「ふっ……つまらない奴だな、こいつ。じゃあ質問を変えよう。名前は?」
「……」
「気楽に『お前』って呼んでもいいか?」
私は無言で頷いた
「で、お前、孤児か?」
「……失礼な質問ですね」
「つまり、親はいないのか?」
「ここにはいません」
「なら孤児だ」
そして、しばらく何かを悩んでいた男は、本当に唐突な提案をした
「お前、行くところがないなら、ここで暮らすか?」
「……」
悪くない提案、いや、良い提案だった
どうせ行くところもなかったし
「うん」
だからその提案を受け入れたんだと思う
「でも、なんでここで暮らさせてくれるの? 僕はあなたのことを知らないのに」
その質問への答えは簡単だった
「ただ、誰かに似てるから」
それだけだった。そしてその答えを理解するには、かなり長い時間がかかった
そうして居候をしていたある日
「お前も、やっぱり金を稼がなきゃな」
ふとそんな言葉を聞いた
「マスター、でも僕、中学1年生なんですけど」
「だから何だ、この小僧。でね、お前、依頼みたいなのを引き受ける仕事、やってみないか?」
「依頼?」
「その通りだ。誰かの頼みを聞いてやればいい」
「……はい、マスター。それくらいならできます」
「じゃあ、明日からとりあえず体力作りから始めよう」
「……え?」
そして、あの時は知らなかった
その仕事とは、暗殺者だとは……
翌日からが地獄だった
「これからは私を師匠と呼ぶように」
「はい、師匠」
「それで、弟子か? 運動は得意な方か?」
「いえ、苦手なのですが……」
「それなら、とりあえず私の後ろの山から登ってみろ」
「……え?」
「登れ。」
漢拏山に匹敵するほど高い山を、休む間もなく駆け上がり
「さあ、これが修練場だ!」
「一体なぜ、バー(BAR)の内側に落ちれば、蜂の巣をつつかれたように攻撃を受けるような修練場を作られたのですか、師匠……」
落ちれば即死する場所で、現実版のパルクールまでしながら
そうして2年間、死に物狂いで体力を鍛えた
今考えても、二度とやりたくない訓練だった
そしてその後の6ヶ月は
「さあ!選んでみろ!」
「これは……何ですか?」
「体力は十分に鍛えた!次は技術を習得する番だ!」
「……依頼を解決するのに、武器まで必要なんですか?」
「ああ」
「はい……まあ」
私は目に入った武器の中で、最も目立つものを一つ選んだ
「……大型の鎌か」
「はい、師匠、これを一度習得してみたいと思います」
「弟子よ、それは難しいぞ?」
「まずはやってみないと」
正直、鎌には少し憧れがあったので使ってみた
もちろん、その鎌を持って師匠にやられたが
「なぜ本物の鎌を持った弟子が、木刀で戦う師匠より弱いんだ?」
「……もう一度戦ってみましょう」
少し(?)辛かったが、結果的には鎌も完璧に扱えるようになった
そして、初めて師匠に勝った日
「ふふ、2年半ぶりに私に勝つ奴は初めてだな!弟子よ!よくやった!」
「はっ…はっ…はい…」
「お前なら、暗殺者の仕事も立派にこなせるだろう!」
「はい……ちょっと待ってください、え?暗殺者ですか?」
「おや!言わなかったか?」
私は無言で師匠を睨みつけた
「……すまない」
「あの、人を殺すつもりはないんですが」
「何を言っているんだ? 暗殺者が人の命を奪うことばかりしているわけじゃない、弟子よ」
「……? それじゃあ、何をするんですか?」
「文字通り、人々が託した依頼を解決するんだ。暗殺は君も私も嫌だから、それさえしなければいいだけさ。」
「はい…… まあ、そうですか。」
そうして残りの6ヶ月は些細な依頼を処理しながら過ごし、時は現在に至った
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そんなわけで、再び現在から約3時間前
その日も普段と変わらなかった
依頼を解決して時間が余り、公園へ散歩に出かけた日だった
中央公園、正確にはセントラル・パークという名の公園には、巨大な木がある
まあ、人の背丈の4倍程度というレベルではなく
異世界ものに出てくる世界樹のように、35階建ての高さもあるほど巨大な木が中央に立っていた
その日も特に理由もなくそこを通りかかっていたのだが……
「……何だ?」
なぜか、世界樹の近くで違和感を覚えたような気がした
そうして私は木の前へと近づいた
そしてその時
シュッ!
「…!」
地中から現れた木の根が私の足を掴み、地中へと引きずり込んだ
触れた瞬間、武器で切り払おうとしたが、周囲の視線のため到底手出しができず、地中へと引きずり込まれてしまった
そして再び目を開けた時
「……ここは?」
洞窟のような場所の中にいた
すぐに我に返り、周囲を見回した
周囲に見える木の根から推測するに、ここは……
「……さっきの木の内部か?」
とりあえず他にできることもなかったので、洞窟の奥へと続く道へと足を踏み入れた
そしてその先には
「行き止まりか」
塞がっていた
普通なら異世界があるのが当然ではないか?
ああ、そうだ、ここが異世界だったんだ
そうしてここに閉じ込められたのか……と思ったまさにその瞬間
私の目に、木の根が手のひらのような形の穴が見えた
特にできることもなかったので、そこに手を入れてみた
ドンドンドンドン……!
木の根が退き、目の前に広大な芝生が広がった
まるで広大な平原に来たような気分だった
そして真っ先に目に入ったのは、中央にある巨大な木の家……?だった
そしてそこには、黒いローブをまとった、普通の人とは少し違う容貌の人物がいた
私は無言で静かに彼に近づいた
いや、近づこうとした
シュッ!
「誰だ!」
あの厄介な木の枝さえなければ、そうしていたのに
さっき、枝がないことを確認したばかりなのに
「……?人間?」
「……」
「お前、誰だ?人間……ではないだろう」
人間だが
「まさか…また魔界から…私を捕まえろと役人を送ってきたのか?
? それはどういう意味だ
「おい、平和に話している間に帰れ。私は魔界に戻るつもりはない」
いや、俺も帰る道が分からないんだけど?
「…どうやって帰るんだ?」
「戯言を言うな」
「どうやら誤解があるようだが」
「あ~そうやって俺を騙そうってのか?」
何だよ、その疑り深い態度は?
「はあ…いいや、まあ」
よし、話してやろうか
「半殺しにして、魔界へお土産として送ってやる…!」
あ、ちくしょう
ジャーン!
猛烈な速さで鎖が床から飛び出した
その瞬間、鎌で鎖を切りながら後退した
「ついに本性を現したな、どうやら精鋭部隊の連中か?」
「……話し合おうって言ったのに?」
「お前たちが話し合いで問題を解決したことがあるか?」
どうやら完全に誤解しているようだ
こうなると
「言っただろ。話し合いで解決しようって」
私は鎌を正体不明の男に向けて構えた
「そうか、そういう手に出るのか」
そうして戦闘が始まった
先制攻撃として、男の鎖が波のように押し寄せてきた
さっき切った時の感触からすると、強度はそれほど高くないはずだ
それなら…!
シュッ! シュッ!
私は高速で鎖を切りながら男に接近した
「鎖が粗末だな」
「果たしてそうだろうか?」
その瞬間、鎖が方向を変えて私を追ってきた
ジャーン!
紙一重の差で届く直前に、鎌の側面を使って鎖を弾き返したが、鎖は止まらなかった
「……!」
「言った通りだろう?」
しかし、鎌で鎖を払い除け、再び男に近づいた
すると、またしても鎖が私を追ってくるかと思えば……
ジャーン!
私を通り過ぎて男に攻撃を仕掛けようとしたのを阻んだ
カガカガ…!
「……自由自在に操っているのか」
「もっとすごいものもあるんだって?」
その瞬間、鎖が私を包み込み始めた
いつの間にか私を包んだ鎖は、巨大な球体となって私を閉じ込めた
「ちょっとしたら出してあげるよ」
そう言って男は背を向け、家へ戻ろうとしたが
カギギッ!
「…え?」
ササッ! ササッ! ササッ! ササッ!
私が鎖をすべて切り裂いて球体を崩し、外へ飛び出した
「…強さを上げたのに、草を刈るように斬るのか?」
「気楽に戦おうと思っていたんだけど」
「何?」
「気が変わった。とりあえずお前を制圧するしかないな」
「できるなら…!」
男の言葉が終わる前に、私と私の鎌は男の鼻先まで迫っていた
「早すぎるぞ?!」
カンッ!
男はかろうじて鎌を払い除けたが、姿勢が崩れた
姿勢を崩した男に向かって、私は容赦なく鎌を振り下ろした
男は防御するだけで精一杯そうな顔で、かろうじて攻撃をかわした
「こうなってしまった以上……!」
そしてその瞬間
「グゥルル……!」
「……!」
地面から鎖でできた竜が一匹現れ、私を飲み込もうとした
私はすぐにそこから離れ、竜の攻撃をかわした
「今度はさっきのようにはいかないぞ……!」
そして男の背後から、もう一匹の竜が飛び出してきた
「俺も少し休ませてくれ、このクソ魔界の野郎どもめ!!!」
二匹の竜と無数の鎖が、私に向かって飛んできた
もちろん
カチッ!
こんなものにやられたら、この小説を書く意味もないが
シュワッ!
抜刀の構えを取った後、全力で鎌を振り下ろした時、一匹の竜がその場で真っ二つに裂けた
「…何てこった…?!」
そしてその直後、背後から迫ってきたもう一匹の竜の口に鎌を引っ掛け
ズシャッ!
全速力で走りながら、ドラゴンを横一刀に斬り裂いた
「次は君の番だ」
「何てこった…!」
私は飛んでくる鎖をすべて切り払いながら、男に近づいた
これ以上鎖が飛んでこなかったことから推測するに、おそらくもう召喚する体力が残っていないようだった
それなら、受け止めるしかない
「降伏する!」
そして男の叫びと共に、鎌が男の首のすぐ前で止まった
「……そろそろ話をする気になったか?」
「お前……一体誰だ?」
「……」
「暗殺者、エドンンだ」
それが私とディブルの最初の出会いだった
本物の家に行きたい




