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SAVE A MALL ―セーブ ア モール―  作者: 福山直木
二幕 成り行きだけど、とりあえず頑張る
10/21

始動!救世主タチ!6日目

八重からのメールはとある提案だった。

《看板商品をつくりたいのですが、私のところだけでは話題作りにならないので皆さんでやりませんか?》


後日、見世さんにその旨を伝えた。

「そうね。じゃあ、森本さんを連れてきてくれる?詳しいお話を聞きたいから」

「わかりました。いきなりなので呼べるかわかりませんが、声を掛けてきますね」

「あっ、そうそう田中さんがこれから来るみたいだから、協力してもらおっか?」

「はい。お願いしてもいいでしょうか?」

「もちろんよ」


田中さんも話し合いに加わることになった。

あくまで八重たちの意見を聞くだけであって、正式な決定ではない。だが、情報を共有できる人が居るに越したことはない。


八重と共に事務所に行くと田中さんが待っていた。さっそく本題に入る。

「はじめまして。森本八重です」

少し固い表情で自己紹介をした。

「はじめまして、私は見世と言います。こちらは実行委員の田中さんよ」

「よろしくね」

田中さんは八重の手を取り、握手をした。

「よろしくお願いします」

八重は握手に応じながら、頭を下げた。


「それで、メールの件だけど…」

「はい。その……私のお店は特徴のない普通の食堂なので、何か看板商品を作りたいと思ったんです」


「看板商品…。それは具体的にどのようなもの?」

田中さんが尋ねる。

「B級グルメみたいなものができないかと考えているのですが。単に食堂だけのもので終わらず、いろんなお店で出して盛り上がれたらいいなって……」

「確かに、この街には名物と呼べる食べ物がないよね」


田中さんが言う通り、この街には名物グルメがない。


「食べ物といっても、幅広いわね。」

見世さんが意見を言う。

「とりあえず、候補はあるんですが…」

「何?教えて!」

見世さんが食いつく。


「紫芋コロッケ、ブルーベリーチーズケーキです。商店街の名前である藤の花から連想させたんですが…」

「いいんじゃないかしら」

見世さんは異論なく承諾する。


「インパクトには欠けるかもだけど、話題づくりとしてはいいんじゃないかな」

田中さんはB級グルメとしての不安を口にしつつも承諾する。

「とにかく話題作りができればいいんです!私はここが好きです。だから、少しでも商店街の為になることをしたいんです。もちろん、お店の為にも……。だから、よろしくお願いします!」

八重の必死さが分かる。


「次の会議に提出して、実行委員と店主会の人たちでもっと具体的にしていかないとね。次の会議には八重さんも参加してね」

見世さんが今後の流れを説明する。

「分かりました」

「また一から説明になるし、もっと具体的な話になると思うから、船場くんと田中さんはサポートしてあげて」

「はい」

「了解」


こうして、商店街の人々の希望を形にする仕事が始まった。

これから何度も繰り返すことになるだろう。簡単なこともあれば、難しい案件もあるはず。

どんな要望が来るのか、期待と不安が入り交じっている。

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