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境界駅  作者:
11/11

終章

目を覚ますと白色の天上が見えた。

 左を見ると泣きはらした目をした両親の姿があった。

 「右京、心配したんだぞ。」

「左京が死んで、右京まで、と思うと・・・」

 母は泣きながら私を抱きしめてくれた。

 父はそんな私たちを温かな眼差しで見つめていた。

 「私は・・・?」

 いまひとつよく分かっていない私に、両親はゆっくりと教えてくれた。

 西浦駅行きの電車の中で私が意識を失い倒れていたこと。

 どこも悪くないのに意識は戻らないうえに、どんどん心臓の音が弱まっていったこと。

 そして、もうダメかと思ったときに突如心音がはっきりと動き始めたこと。

 「そういえばそのブレスレットどうしたの?可愛いじゃない。いつの間につけたのよ」

 「ブレスレット?これは左京にあげ・・よ・・・うと・・・。」

 買ったのと色が番う!

 「あっ・・・。」

 そこでようやく私は思いだした。

 変な切符におかしな車掌。見知らぬ駅で死んだはずの左京と会ったこと。死にたいと言ったら怒られて、左京の分まで生きると決めたこと。そして・・・。

 「左京からの、誕生日プレゼント」

 「え?」

 怪訝そうな目で見る両親を無視して、私は小さな声で呟いた。

 「夢じゃなかったんだ」

 「どうかしたの?」

 急に黙った私を、どこかまだ具合が悪いのかと心配そうに覗き込む両親。

 その両親に向かって、私は安心させるために満面の笑顔をみせた。 

 「なんでもない。」

 「そう?ならいいんだけど。じゃあ面会時間も終わりだし、そろそろ私達帰るわね。明日も来るけど、無理しちゃだめよ?」

 「わかってるよー。」

 手を振り去っていく両親の姿を見て、生きていて良かったと思った。

 二人を悲しませなくて良かったと。

 私は左手のブレスレットにお礼を言おうとして、大事なことに気がついた。

「そういや左京にお礼いってなかったっけ。」

 

 



 

 『遠い遠い空の向こうにいる君に


たった一度だけ、もう一度だけ君に会えるのならば

余計な言葉は何も要らない

ありがとう


たった一日だってきみのこと思わない時はないから

目には見えなくても、

君の心に

ありがとう                    』






関ジャニ∞「ありがとう。」から抜粋


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