終章
目を覚ますと白色の天上が見えた。
左を見ると泣きはらした目をした両親の姿があった。
「右京、心配したんだぞ。」
「左京が死んで、右京まで、と思うと・・・」
母は泣きながら私を抱きしめてくれた。
父はそんな私たちを温かな眼差しで見つめていた。
「私は・・・?」
いまひとつよく分かっていない私に、両親はゆっくりと教えてくれた。
西浦駅行きの電車の中で私が意識を失い倒れていたこと。
どこも悪くないのに意識は戻らないうえに、どんどん心臓の音が弱まっていったこと。
そして、もうダメかと思ったときに突如心音がはっきりと動き始めたこと。
「そういえばそのブレスレットどうしたの?可愛いじゃない。いつの間につけたのよ」
「ブレスレット?これは左京にあげ・・よ・・・うと・・・。」
買ったのと色が番う!
「あっ・・・。」
そこでようやく私は思いだした。
変な切符におかしな車掌。見知らぬ駅で死んだはずの左京と会ったこと。死にたいと言ったら怒られて、左京の分まで生きると決めたこと。そして・・・。
「左京からの、誕生日プレゼント」
「え?」
怪訝そうな目で見る両親を無視して、私は小さな声で呟いた。
「夢じゃなかったんだ」
「どうかしたの?」
急に黙った私を、どこかまだ具合が悪いのかと心配そうに覗き込む両親。
その両親に向かって、私は安心させるために満面の笑顔をみせた。
「なんでもない。」
「そう?ならいいんだけど。じゃあ面会時間も終わりだし、そろそろ私達帰るわね。明日も来るけど、無理しちゃだめよ?」
「わかってるよー。」
手を振り去っていく両親の姿を見て、生きていて良かったと思った。
二人を悲しませなくて良かったと。
私は左手のブレスレットにお礼を言おうとして、大事なことに気がついた。
「そういや左京にお礼いってなかったっけ。」
『遠い遠い空の向こうにいる君に
たった一度だけ、もう一度だけ君に会えるのならば
余計な言葉は何も要らない
ありがとう
たった一日だってきみのこと思わない時はないから
目には見えなくても、
君の心に
ありがとう 』
関ジャニ∞「ありがとう。」から抜粋




