貴方と出会った世界の中で
ソルベと雪太は雪の怪物に向かって行った。
「僕達は帰らないといけないんだ!」
ソルベは鎌を取り出し真っ先に怪物に向かった。雪太もそれに続く。
凍原の雪は更に強くなった。雪を食べて怪物は更に大きくなる。
「寒くなってきたけど大丈夫?」
「今は平気だよ」
寒さな苦手のはずの雪太だったが、長旅もあってか平気そうにしていた。その様子を見てソルベは安心した。
世界は白と灰色で覆われている。ソルベと雪太の戦いはまだ続いていた。
怪物は雄叫びを上げ、仲間を呼んだ。二人は怪物に囲まれ、動けなくなった。
すると、雪太は吹雪を自身の手に集めた。そして、氷で何かを造っている。
「これは?」
雪太が氷で造り出したのは、ソルベの鎌とよく似た剣だった。しかも、以前に造った刀よりも大きい。
「この力、もしかして『氷結の実』を食べたからなの?」
「それと関係あるのかは分からないけどね」
雪太は氷の剣を怪物の一体に突き刺した。すると、先程まで暴れていた怪物が凍ったように動かなくなった。それをソルベが鎌で斬り裂き、ようやく怪物を一体倒す事が出来た。
「一体一体確実に仕留めよう!雪太君、いける?」
「うん!またこの剣を造ればいいんだね?」
仲間意識が低いのか、仲間の一人が倒されても怪物達は動じていない。何事も無かったように二人に襲い掛かる。
雪太は先程と同じ剣を複数造り出した。そして、同時に怪物の群れに突き刺す。
「それにしても、どうして雪太君の剣が怪物に効いたんだんだろう?」
「僕は妖の力を宿しているから、それが怪物に効いたのかもしれない。」
そして、二人は協力して怪物の群れを倒した。
長い吹雪がようやく止んだ。二人は雪を掻き分けながら凍原を後にする。
「やっと、家に帰れるね。」
ソルベがそう言うと雪太は頷いていた。
「それにしても、雪太君の力にはびっくりしたよ。妖と怪が長く敵対関係にあるって習ったけど、まさかここまで力が効くなんて知らなかった。」
「僕も妖と怪が仲良くないって教えてもらったよ。だけど、妖の全員が怪を嫌ってはいないんじゃないかな?そうでなきゃ僕は生まれてないから。」
雪太は妖と怪という異なる存在の間に生まれた子供だ。そのような存在は非常に珍しい。その子供は両者からも虐げられ、生き残る者は少ない。
「雪太君と出会えて良かったよ。」
「僕も、ソルベちゃんと出会わなかったら死神がどんな存在か分からないまま大人になってたかもしれないよ。」
二人は笑った。そして手を繋いで家へと帰っていった。




