叶わぬ叫び
それから、星藍と篤矢は地上で音羽の戦闘を見守っていた。
「知らなかった、まさか音羽君が僕達を見張っていたなんて。」
二人が音羽と過ごした時間は長かった。音羽については大抵ほ分かっていると思い込んでいたが、どうやらそれは間違いだったらしい。
二人の横には見知らぬ人が立っている。一見人間のようだが上空で戦う音羽を動じずに見守っている。
「それで、あなたは一体…」
「クォーク、冥界で生きる死神だよ。」
クォークは青年の姿をしていたが、髪は銀色だった。
「僕達と違って、人間じゃないんですよね?」
「そうだともいえるし、そうではないともいえるね。僕達の遠いご先祖様は現世からやって来たらしいから。」
「そうなんですか?」
クォークは頷いていた。
「本当はすぐにでも現世に帰すべきなんだけど、もう少しだけ彼の覚悟を見守ってくれないか?君達は僕が守ふからね。」
クォークは鎌を取り出した。水晶で出来ていて透明だった。
「二人を帰そうと音羽君も頑張ってるんだ。」
二人は空を見上げた。怪は空を覆っている。
「音羽君、頑張って!」
ところが、その声は音羽には届かなかった。怪の群れが音羽を覆ってしまったからだ。




