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氷結の実


 ソルベと雪太(ゆきた)は長旅(ながたび)の果(は)てに遂(つい)に目的(もくてき)のものを見(み)つけた。『氷結(ひょうけつ)の実(み)』が成(な)る木(き)を遂(つい)に見(み)つけたのだ。凍原(とうげん)に根(ね)を張(は)る巨木(きょぼく)は、凍(こお)りついた果実(かじつ)を一(ひと)つ実(みの)らせている。

 雪太(ゆきた)は木(き)に登(のぼ)り、実(み)をもぎ取(と)った。そして、木(き)から飛(と)び降(お)りてソルベに手渡(てわた)す。

「ありがとう、これでアイスが作(つく)れるよ。」

ソルベは道具(どうぐ)を取(と)り出(だ)し、アイスを作(つく)り始(はじ)めた。それを待(ま)つ雪太(ゆきた)は、木(き)を眺(なが)めている。

「あの木(き)、もう枯(か)れてるみたい。」

「じゃあもう実(み)は成(な)らないの?」

ソルベは『氷結(ひょうけつ)の実(み)』の種子(しゅし)を土(つち)に埋(う)めた。時間(じかん)は掛(か)かるが、また新(あら)たな木(き)が育(そだ)つだろう。


 寒(さむ)さでアイスはすぐに完成(かんせい)した。ソルベは自分(じぶん)の分(ぶん)を取(と)り分(わ)けず、全(すべ)て雪太(ゆきた)に差(さ)し出(だ)した。

「いいの?」

「材料(ざいりょう)が一個(いっこ)しかなかったから、一番(いちばん)に雪太(ゆきた)君(くん)に食(た)べさせたくて。」

「ありがとう」

雪太(ゆきた)はすぐにそれを食(た)べ、身体(からだ)の変化(へんか)を確(たし)かめた。ところが、すぐに変化(へんか)は表(あらわ)れない。

「今(いま)の所(ところ)変化(へんか)は見(み)れないけど…」

「そっか、すぐに変(か)わると思(おも)ったのに…」

雪太(ゆきた)は残念(ざんねん)がった。実(み)を食(た)べれば雪乃(ゆきの)のように強(つよ)くなれるはずだったが、裏切(うらぎ)られたようだった。そんな雪太(ゆきた)の手(て)をソルベは引(ひ)く。

「帰(かえ)ろう、お母(かあ)さん達(たち)が待(ま)ってる。」

「そうだね、帰(かえ)ろう。」

二人(ふたり)は凍原(とうげん)を抜(ぬ)け、白銀(はくぎん)の村(むら)に帰(かえ)ろうとしたその時(とき)だった。雪(ゆき)の怪物(かいぶつ)が行(ゆ)く手(て)を阻(はば)んでいた。







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