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流星と遊星

  

 星(ほし)の海(うみ)が広(ひろ)がっている。天空(てんくう)には静(しず)かな時(とき)が流(なが)れている。しかし、下界(げかい)では禍々(まがまが)しい怪達(かいたち)が暴(あば)れ、混乱(こんらん)を極(きわ)めている。

 穏(おだ)やかな時間(じかん)が流(なが)れていたはずの冥界(めいかい)は戦場(せんじょう)となり、既(すで)に幾(いく)つかの町(まち)が壊滅(かいめつ)した。普段(ふだん)から怪(かい)と戦(たたか)っているはずの死神達(しにがみたち)も大勢(おおぜい)の怪(かい)を前(まえ)に苦戦(くせん)していた。

 昴(すばる)は上空(じょうくう)からその様子(ようす)を見(み)ていた。すると、子供(こども)が怪(かい)に追(お)われている。昴(すばる)は子供(こども)の前(まえ)に立(た)ち、怪(かい)に鎌(かま)を突(つ)き刺(さ)した。怪(かい)は黒(くろ)ずんで崩(くず)れていった。

「昴様(すばるさま)、ありがとうございます!」

昴(すばる)は子供(こども)を安全(あんぜん)な場所(ばしょ)に運(はこ)び、怪(かい)の前(まえ)に立(た)った。

 不死性(ふしせい)を持(も)つ怪(かい)を完全(かんぜん)に消滅(しょうめつ)させるのは難(むずか)しい。しかし、昴(すばる)はその怪(かい)を葬(ほうむ)り去(さ)る事(こと)が出来(でき)る。

「この怪(かい)の大群(たいぐん)を今(いま)から消(け)し飛(と)ばす」

「こちらに居(い)る怪(かい)全(すべ)てをですか?」

昴(すばる)の横(よこ)で控(ひか)えていたグルーチョが顔(かお)をしかめた。

「今(いま)の俺(おれ)の力(ちから)じゃ時間(じかん)掛(か)かるけどな」

昴(すばる)は光(ひかり)の槍(やり)を顕現(けんげん)させ、空(そら)に投(な)げた。すると槍(やり)は雨(あめ)になって怪(かい)に降(ふ)り注(そそ)いだ。その雨(あめ)を浴(あ)びた怪(かい)は蒸発(じょうはつ)していった。

「お前(まえ)のを参考(さんこう)にしてもらったよ」

「流石(さすが)です」

「見(み)てるだけじゃなくてお前(まえ)も戦(たたか)え」

グルーチョは本来(ほんらい)の姿(すがた)である竜(りゅう)の姿(すがた)になると、空高(そらたか)く舞(ま)い上(あ)がった。そして、大地(だいち)を揺(ゆ)り動(うご)かすような咆哮(ほうこう)を上(あ)げると、グルーチョの視界(しかい)に居(い)た怪(かい)は皆(みな)姿(すがた)を消(け)してしまった。

「流石(さすが)、鬼界(きかい)でも相当(そうとう)な実力(じつりょく)を誇(ほこ)ってただけはあるよ」

「今(いま)まで様々(さまざま)な主(あるじ)に仕(つか)えてきましたが、ここまで人使(ひとづか)いが荒(あら)いお方(かた)は初(はじ)めてですよ」

「ああ、冥府(めいふ)の奴(やつ)らにも同(おな)じ話(はなし)をされたよ」

昴(すばる)はグルーチョと同(おな)じ空(そら)に立(た)った。そして、二人(ふたり)で別(べつ)の場所(ばしょ)へと飛(と)んでいく。

 眩(まばゆ)い光(ひかり)を放(はな)つ流星(りゅうせい)とそれを眺(なが)める遊星(ゆうせい)。冥界(めいかい)の空(そら)をどこまでも飛(と)ぶ二人(ふたり)の姿(すがた)はそれに見(み)えた。


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