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凍原へ
ソルベと雪太の旅はまだ続いている。『氷結の実』は何処にあるのだろう。二人は探しているが見つからない。
二人が辿り着いたのは先程の雪原よりもずっと寒い凍原だった。寒がりの雪太は凍りついているが、それでも進んでいく。
「雪太君大丈夫?」
「うん、平気…」
雪太は雪を被りながら懸命に歩いていた。
凍原には人一人どころか怪一匹も居なかった。歯抜けの櫛のように木々が立ち並んでいるだけだった。荒れる吹雪の音しか聞こえない中、それでも二人は進む。もう立ち止まる事も引き返す事も出来ない。願いを叶える以上その対価として身を投げないといけない。
雪太と手を繋ぎながらソルベは遠くで戦っている両親を思い出していた。今何処で何をしているのだろう。しばらく顔を合わせていないが無事だろうか。この旅から帰って来られたら二人に雪太の話をしたい。その為には雪太の願いに必要な『氷結の実』を手に入れなければならない。そして、ソルベは待つ人の元へ帰らなければならなかった。




