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ある日神の寄越し給ひし異形の獣に撥ねられて失せにければ異世界へ転生仕りき、されど能力の鉄の牛車召喚も黒き神境(?)とやらも使いよう皆無なり!  作者: イグアナ
神界業界編

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黒き神境、鳴きたりしこと

 ぴっ。



 小さき音。



 確かに鳴りたり。



 しん。



 工事現場。



 静まり返りたり。



「……」



「……」



「……」



 全員。



 貴光の手元見たり。



 黒き神境なり。



 画面。



【圏外】



 表示されたままなり。



 しかし。



 確かに。



 音鳴りたり。



「今鳴ったよな?」



 佐藤問いたり。



「鳴ったわね」



 エレノア答えたり。



「鳴ったなり」



 貴光頷きたり。



 その時。



 発明家。



 震え始めたり。



「鳴った」



「うむ」



「鳴った」



「うむ」



「鳴ったぁぁぁぁぁ!!」



 発狂したり。



 職人達。



 歓声上げたり。



「成功だ!!」



「神界だ!!」



「通信だ!!」



 なお。



 何も成功しておらず。



 音鳴っただけなり。



「早すぎるな」



 レン呟きたり。



 その時。



 発明家。



 黒き神境覗きたり。



「何か変化は!?」



「圏外なり」



「ですよね!!」



 知ってたり。



 数刻後。



 発明家研究室。



 発明家。



 黒板前立ちたり。



 何故か。



 大量の数式書きたり。



 意味不明なり。



「見てください!!」



「何なり」



「神界通信理論です!!」



 しん。



 佐藤。



 黒板見たり。



「分かるか?」



「全く」



 エレノア。



 黒板見たり。



「私も分からない」



 その時。



 発明家。



 指差したり。



「ここです!!」



「どこなり」



「この部分です!!」



「分からぬなり」



 当然なり。



 発明家。



 熱弁始めたり。



「つまり!!」



「うむ」



「神界と異世界の境界に!!」



「うむ」



「魔力振動を!!」



「うむ」



「どーん!!です!!」



 しん。



 全員。



 沈黙したり。



「どーん?」



 レン問いたり。



「どーんです!!」



 発明家答えたり。



「理論終わったな」



 佐藤呟きたり。



 その時。



 職人一人。



 駆け込みたり。



「発明家殿!!」



「何ですか!!」



「塔の第七増幅器が爆発しました!!」



 しん。



「またなり」



 貴光頷きたり。



「想定内です!!」



 発明家即答したり。



 想定するなり。



 数刻後。



 塔。



 修理完了したり。



 その時。



 発明家。



 再び水晶起動したり。



 巨大な光柱。



 空へ伸びたり。



 ごおおおおお。



 唸り声のような音響きたり。



「今度こそ!!」



「うむ」



「反応を!!」



 全員。



 貴光見たり。



 黒き神境。



 静かなり。



 数秒。



 変化なし。



 発明家。



 肩落としたり。



「駄目でしたか……」



 その時。



 黒き神境。



 微かに震えたり。



 ぶるっ。



 しん。



 全員固まりたり。



「動いた」



 佐藤呟きたり。



「動いたわ」



 エレノア言いたり。



 貴光。



 画面見たり。



【圏外】



 変わらず。



 されど。



 画面上部。



 一瞬だけ。



 何か表示されたり。



【……界】



 次の瞬間。



 消えたり。



「今何かなり」



 貴光問いたり。



 発明家。



 目見開きたり。



「見ましたか!?」



「見たり」



「見た」



「見たわ」



 全員見たり。



 確かに。



 何か映ったなり。



 その夜。



 発明家。



 眠らず。



 塔を改造したり。



 職人達。



 眠らず。



 働きたり。



 レン。



 遠くから見たり。



「本当に繋がる気がしてきた……」



 勇者。



 少しだけ不安になりたり。



 そして。



 神界通信塔。



 完成へまた一歩近付きたり。

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