第二十話 合流
夕暮れ時の横浜は、潮の匂いと異国のざわめきに包まれていた。
その通りを、左膳、悟空、ちょび安の三人が歩いていた。
「おじちゃん、見ろよ」
ちょび安が路地の先を指差す。薄暗い屋敷の門の前に、黒ずくめの一団が立ち並び、ぞろぞろと中へ入っていくところだった。
その装束には見覚えがあった。かつて自分たちを襲った、あの得体の知れぬ連中だ。
「……なるほど、あの時の残党か」
左膳が片目を細め、刀の柄に手を掛けた。
「罠かもしれねえが、見過ごすわけにもいかねえ」
三人は息を潜めて門に近づき、そのまま屋敷の中へと踏み込んだ。
廊下は薄暗く、奥からは鉄の打ち合うような音と、低い笑い声がかすかに響いてくる。
「おじちゃん、どうする?」
「どうするもこうするも――斬り抜けるだけだ」
左膳が笑うと同時に、黒ずくめの男たちが闇の中から飛びかかってきた。
悟空は棒を振り回し、ちょび安は短刀を構える。
狭い廊下は一瞬にして戦場と化した。
『ちっ、数が多いな!』
悟空が舌打ちし、敵を薙ぎ払う。
左膳は一歩も退かず、片目をぎらつかせて斬り結ぶ。
しばらくして、戦いの最中に背後から声がかかった。
「遅れてすまん!」
現れたのは――天狗の面をつけたクラマ。その後ろに三蔵ちゃんの姿もある。
思わず悟空が叫んだ。
『なんだお前その仮面は!?』
「気にするな」クラマは短く言い、面の奥の瞳を光らせた。
クラマは刀を抜き放ち、黒ずくめの背後に斬り込んだ。
面越しの声は低く、しかし鋭い響きを帯びている。
「敵はまだ奥に潜んでいる。ここからが本番だ」
合流を果たした一行は、さらに屋敷の奥へと進んでいった。
投稿間に合いました。
最終章です。
残りは全て書けてるので、日曜まで一日一話で走り切る予定です。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです。




