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三八話 最強くんの異世界蹂躙劇1

残り三話です。

次の話から鬱展開になります。苦手な方はこの話が終わってからブラウザバックを推奨します。

「あの勇者さま。これは一体どういうルートですか?」

「森の中を一直線に通っているだけだが?」

「いえ、それは百歩譲っていいとしましょう。しかし、道中にいた聖竜を轢き殺しましたよね」

「なんかいたな、雑魚が俺の邪魔をしただけでも生きる資格はねぇだろ」


 土を空港にある動く歩道を地面に適用させて自動車並みの速度で移動している。

 最初は暴れていた司書子だったが、次第に諦めて黙っていた。だが、移動中に邪魔してきたテカテカ光るドラゴンみたいなやつを地面に埋めて殺したら、またうるさくなった。


「んで、その異世界の神とか名乗っている女はどこで出現したんだ?」

「この方向にある町です」

「ふーん。そうか。じゃあ、殺さない方がいいか」


 俺たちの道を塞ぐように白髪の女が立っていた。


「ケイちゃん!」

「私の名前を知っている方に会えるとは、実に面白いですね。さて、雑種のあなた方には死んで貰いましょうか」

「あー! もう、ケイちゃん。どんだけ能力使っちゃったの? ねえ」

「こいつを制圧すればいいんだな」


 魔法を出そうとしているが、俺の方が早い。


「《火球・青》」

「少し大人しくしろ」


 手払いで炎を消し、土のツタで拘束した。


「もう。僕がいないと能力使っちゃダメってあれだけ教えたのに」


 抵抗する女に笹岡が《洗脳》を掛けた。


「……ご迷惑をお掛けしました。()()()思い出しました」

「すべて? それって何歳ぐらいから?」

「てめぇらの事情はどうでもいい。他に転移した奴らはどうした?」

「かどっちゃんは、この先の町で変な女に囚われてます。里川さんは……」


 坪川は転移してからの事を話した。


「ハハハ! やっぱりあいつはそう行動するよな。能力に関する記憶が消されているのに根っからのバカだな! じゃあ、とっととお前らの友達を助けに行くか」


 俺たちは町に向かった。


 ―――――


「なんだこれは?」

「みなさん、私たちの事が見えてないのでしょうか?」


 変な町に入った。


 そこではまるでゲームの中かと思わせるように人々が一定の行動を取り続けていた。俺たちのことは存在していないかのような扱いで、動画でも再生しているのかと思った。


「とりあえず、あの城っぽい所に行けば分かるだろ」


 俺たちは門を破壊して、城に侵入した。


「魔族がいます。ここは怪しいですよ」


 警備兵には角の生えている奴もいて、なかなかに面白そうな事情を抱えてそうな場所だな。

 俺たちは特に戦闘をすることもなく主の部屋を蹴り破った。


「ゴスロリの女か」

「ひぃ。こ、怖そうな人が入って来たよ。で、でも、無駄だよ」


 フラフープみたいなものが俺を縛った。


「お、お座り」


 おっ。足の力が少しだけ抜けた。


「神の力か。なかなかに強力だな」


 俺はフラフープを砕いた。


「ま、魔王でも解けなかったのに……」

「とりあえず、お前の主人をこっちに連れてこい。できるだろ?」

「か、神さま!」


 女に何かが憑依した。

 それと同時に霧が発生し、俺たちを分断した。


「なんで、君がここにいるのさ」

「俺の事を知っているってことは管轄が広いタイプか。俺の友達の場所を知らないか? 知っていたら、この場はお前の好きにさせてやる」

「生憎、僕の目的は君の友達なんだ。こればっかりは譲れないんだ」

「そうか、なら神は神と対話してな」


 俺は帰ろうとすると、女が頭を下げた。


「ま、まさか。君は神と交流を持っているのかい!?」

「ルールを知っているぐらいにはな。お前みたいなこの世界由来じゃねえ世界を行き来できるタイプの奴らは世界に干渉しちゃいけないんだろ?」

「流石に分が悪いかな。君はあの魂を連れ戻す気なんだろう。なら、交換条件で彼を少しの間、分けてくれないかな? それでいいなら、居場所を教えてもいい」


 この神はあいつに惚れているのか。それはお気の毒だな。


「分かった。1週間は好きにしろ」

「君が話が分かる人間で良かったよ。彼は今、魔王城にいるよ。あと、もうこの体はいらないから好きにしていいよ」


 それを最後に神が消え、霧が晴れた。


「捕まっていたうちの子は回収できたよ」

「か、返せ。私の王子様を!」

「お前の王子じゃない! 僕たちの仲間だ!」


 笹岡が能力も使っていない純粋な拳で女を殴り倒した。


「俺は魔王城に行く。お前たちは帰る為のアイテムでも探していろ」

「そうさせて貰うよ」


 俺は司書子だけを連れて魔王城へ向かった。


 ――――――


「これは酷いな」


 魔王城近くに行くと、隕石が落ちた跡があった。


「この跡はあいつだな」


 このサイズの隕石の衝撃は大地を大きく揺らすが、俺も気づかないレベルまで威力を落とされている。健人の奴、《イタチザメ》を使ったな。


「ゴーレムか」


 隕石の破片が立ち上がった。


「お前がゴーレムを作ったんだな」

「教会の女と、あなたは誰ですか? オレはカイトっていいます」

「自己紹介どうも。俺はカオルだ。少し遊んでやるよ」


 似た能力を持つ男と戦うのは久しぶりだ。ここは少し遊んでやるか。



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