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蜘蛛の糸  作者: 迅幸
9/11

measure 9

 「犯した罪は、償われなければ」

 「それをしないのが、この国なんだよエイミー。守る価値なんて無い」

 「ジョゼ。私見で貶めるな。エイミーにはエイミーの考えがある」

 リオネルが僕を窘める。

 「そうね、私には私の考えがあるわ。でも、だからと言って、貴重な意見を聞き逃す様な愚考もしないわ」

 「エイミー!」

 「もう一度、この国にチャンスを貰えない? ジョゼに好きになって貰いたいもの」

 「僕がこの国を好きになる事はまず無いよ。エイミーには悪いけど」

 「ジョゼ……」

 「でも、エイミーは好きだから、何かするなら協力は惜しまないよ」

 「ジョゼっ!」

 「必然、私も巻き込まれるんだな?」

 盛大に溜め息を吐きつつ、その表情は穏やかだ。


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