判明
高校もあと半年で終わりと考えると、なかなか感慨深いものがあるな。
二度目の青春はどちらかというと副業学生って感じで悪くなかった。学校内ではないが、恋愛もしてるしな。
統一テストのスコアは満点を叩き出したし、進学に関してはまったく憂慮することがない。そもそもスロープ社指定のコースを受験すればいいだけだ。
俺はインテグレイテッド・デスクに向かい、ホログラフィック・ディスプレイ上に、けものとして映っている委員長と通話しながらコーヒーを嗜んでいた。
彼女はヴィディオ会話してる時、止めないと脱ぎ出そうとしたりするので
「ある特定の組織についてですが」と部屋に入ってきたマリアンが言った。
「うん? 委員長いるけどその話大丈夫?」
「彼女は構いません」
ホロモニターで、委員長がなんか喚き散らしている。
「で、何か進展が?」
「組織についての詳細が分かりました」
「ゼロ知識証明をよく突破できたな」
「正面からこじ開けたのではありません。我々AIソサエティが掌握しているルータを通るパケットを監視し、ブ・ソアが送信していたものと類似しているヘッダのものを全て追跡しました」
「要は力技で何とかしたと」
「その通りです。それで本題ですが、組織の名前はDCL」
その名前には何となく聞き覚えがある。「土建屋の……?」
「はい。デクライン総合建設は組織のフロント企業です」
「それが何でまたゾンビなんかを」
「詳しくは調査中ですが、すでにアンドロイド数体を各地のデクライン建設に派遣しています」
「手回しが早いな」
マイケルに会う日もそう遠くないのだろうか?
そもそもあいつ元気でやれてんのかな。だって、悪い組織ってある程度成果だしたら始末しておしまいみたいな印象があるし、確かに口封じには殺すのが一番手っ取り早いからね。
「あーあ、委員長、この話聞いちゃったな」
「なんですか。知りませんよ。というかもうあなたのクラス委員長ではないんですから、名前で呼ぶかハニーと呼ぶべきでしょう」
「なぜハニー」
「変態はすぐ言わせようとしますね!」
俺は肩を竦める。
「よろしいですか」
マリアンが俺の隣に立って言った。どうやら席を交代してほしいらしい。委員長に話があるのか。
「俺は離れた方が?」
「いえ、構いません」
「とりあえず、俺はダイナーでコーヒー注いでくるよ。マリアンもいる?」
「お構いなく。人間の嗜好品はあまり摂取すべきではないというのがソサエティの方針です」
「わかったよ。ごゆっくり」
しかし、女二人で何の話をするってんだろう。
アンドロイドが恋バナなんてするわけないしな。




