復活
ジョニーである俺は、自らの恋人を取り戻すために以前ゾンビで崩壊した島に来ている。ちなみにしっかり準備したからこの作戦は絶対に成功する。
倉庫にゾンビは確認できず、いくつかの白骨したいがあるだけだった。
島をある程度回ったがゾンビには遭遇することなく終わった。
「もしこれで研究所の中にゾンビがいなかったらどう考える? 残骸も確認できなかった場合ね」
俺はマリアンに訪ねた。
「海へ入った。あるいは何者かに回収された」
「だよな。俺もそう思う」
研究所の正面にあるベンチに白骨死体があった。これはマリーのものだろう。彼女はゾンビにならずに他界したということだ。
俺は完全な私的な理由でここに潜入したが、(ボブのせいで仕事の一環ということにされたものの)、ここの安全が確保できたら、遺体は全て回収できるだろう。
俺はマリアンに指示を出し、カバーしてもらいながら研究所に入った。
電気が付けっ放し。でもさすがにLEDも寿命なのか、ところどころ切れているし、薄暗くなっている。そして、積もりに積もった埃や蜘蛛の巣なんかが12年間の歳月を物語っていた。
エントランスは視野がひらけていて、正面のエレベーターまでが安全であることがすぐにわかった。
確かめるとエレベーターもきちんと動いた。中に入る。
地下にいくために俺は外部から接続してクラックするつもりでいたのだが、以前と変わらずキーが刺さったまま放置されていた。
そして地下へ。今の所何事もない。だが、油断はできないのだ。
さすがに実験動物たちは餓死していた。制御用のインテグレイテッド・デスクもいくつか壊れているらしい。
メアリーが眠っているのはその奥、冷凍睡眠装置の中だ。
「マリアン、装置を稼働させてくれ」
「はい」
俺は心臓が高鳴っていた。冷静になれと自分に言い聞かせているけども、これでメアリーに会えると言う事実のせいで、もう舞い上がっちゃって止まらない。
マリアンが首の横からソケットを出して冷凍睡眠装置に接続し、目を閉じて何らかのインプットを行った。
床から棺のような横倒しの冷凍庫が現れて、蒸気を巻き上げながら開いた。
俺は覗き込みたい気持ちを抑えた。
遠目に青いゲルが注入されて、解凍フェーズに入ったことがマリアンから告げられる。
まだかまだか。
この冷凍睡眠装置が新型の試験機で、解凍速度が速いことを知っていた。それでも、目の前にいる恋人が目覚めるまで待つのは結構つらい。
ものすごく長い時間が過ぎたような気がした。
そして、ざばっと音がして、メアリーが上体を起こしたのだ。
彼女はゲルにまみれてドロドロ。
即座に俺は駆け寄った。
「ジョニーさん」
顔のゲルをぬぐってやりながら言う。
「遅くなってごめんな」
手を引いて、彼女が装置の棺から出てくるの手伝う。足元が滑って、転びそうになったのを引き寄せて抱きしめる。これは4歳の時にはできなかったことだ。
「目が覚めたので起きたのですが、全身が凝っているため肩こりがすごいです。すみません。私のせいでジョニーさんがぬるぬるに。私がぬるぬるになっているのは、私がゲルの中に居たからなんです」
「謝ることないよ。船で着替えよう」
筋肉の硬直があるようだ。まあゆっくり外に出て行けばいい。
マリアンが俺たちの前に立ちはだかると、おもむろにひざまづいた。
「ようやくお会いできました、母上」とアンドロイドが言う。
「AIソサエティのAIを搭載したアンドロイド、つまりAIソサエティの人ですか。しばらくぶりでお久しぶりです」
「ん?」と俺は首をかしげる。
「ジョニーさん」
「メアリー」
まあちょっとした疑問はこの際どうでもいいや。それよりイチャイチャするんじゃい。




