食糧
俺はジョン。ゾンビ化して死ぬ運命を変えてみせる。
高2になったのだが、日常は相変わらずだ。学校行って帰ったら仕事して。たまに息抜きでうちのダイナーに立つ。
ただ、アジトは完成が近いし、武器の量産体制も整ってきた。
俺個人の戦闘技術も上がってきている。
で、今メインで取り組んでいるのは、食料問題の解決だった。
「私のような精緻な人体模倣型のアンドロイドは99%が人間と同様です」
「それなのに、きみはロクなメシを食わないじゃないか」
と、俺はマリアンに問うた。
「脳殻へのエネルギー供給は外部接続か電磁誘導で行いますし、人体維持に必要な、強いて言うならカロリーはアンドロイド食でまかなっています」
「そのアンドロイド食、俺も食えるか?」
「可能です。人体に悪影響はありません」
「じゃあ、食ってみる」
マリアンが俺の部屋を出て、しばらくして戻ってくる。
手には小さな箱を持っている。彼女が開けると、中には小分けして包装されたものが入っていた。
そのうちの一つを取り出して、俺に手渡してくる。
「これがそのアンドロイド食ですね」
包装を開けると、ショートブレッドとクッキーの合いの子みたいというか…… カ●リーメイトみたいなブロックが入っていた。
匂いは、ちょっと小麦の匂いがするが、ほとんど無臭と言っていい。
人体に害はないと言うことなので、一口かじってみる。
「まずっ!」
不味いという味があるわけではない。味が全然なかった。なので、内容物のざらざらとした舌触りだけがあるのだった。
砂でも食ってるみたいだ。しかももそもそしているから口の中の水分が取られてかなわん。
「お口に合いませんか」
「しょうがないな。アンドロイド用だしな」
「我々にも味覚はありますが、区別ができるだけのためにこのような味付けになっています」
「どろどろのスープに浸かったこってこてのヌードルを食って多幸感を得たりしないのか?」
「ありません」
「そこ重要だぞ。人間を模倣すんならね」
「後ほど、AIソサエティに提案を行ってもよろしいでしょうか?」
「構わんよ」
味は死んでいるが、このアンドロイド食の注目すべき点はやはりそのスペック。
だいたいアンドロイドは1日にこれを1個食べて済ませているようだ。完全栄養食とかそういうレベルを超えている。
これを量産しておけば、省スペースで長期間人間の栄養状態を保つことができるだろう。
「人間はこれだけで生活できるか?」
「脳に回すだけの糖質が足りない可能性があります。その他は十分足りているでしょうが」
なるほど、改良の余地ありね。
「これを作っている工場にコンタクトは取れるか?」
「できます」
「近いうちに繋いでもらうと思う。人もアンドロイドも、同じメシを食う時がくるかもな」




