モンスターの召喚は某RPGのようなコミュニケーションは尺の無駄だからコマンドも不要。
なんやかんやで始まった事を果たすため、巧海は街や村を探し始める。すると、遠目ではあるが村を見つけた。
「ん?なんかあの村様子がおかしいな。」その村では火事のような煙が上がっていた。
村では、略奪が行われていた。それも盗賊ではなく国の憲兵であった。
「殺れ。奪え。敵国の村を焼き払え!すべては……」
「麗しき女王様のために!」と兵士全員でハモった。
村人達は逃げ惑うばかり、女、子供、年よりも関係なく殺戮が繰り返される。
「はははぁ、さぁ、死ねぇぇぇぇぇ。」白刃が追い込まれた姉妹に振るわれようとしたとき……。もうだめだと目をつぶったそのとき、すでに斬られてもおかしくないのに斬られてないのが不思議で目を開けると、自分と同い年か二つ下くらいの少年が、ガシッ!とその白刃を受け止めている光景を目の当たりにした。
受け止められた、兵士は驚きを隠せず、引き下がろうとした。
しかし、巧海は、
「女子供には平気で襲いかかるのに、たかが刀を受け止めた相手には、怖がるのか?」そして空いた手をかざし、魔方陣を出現させ、
「魔物召喚愚者の暗殺者」とピエロのようなアサシンを召喚した。
「行け、村人を襲う憲兵を殺せ。」と命じた。
「シャァァッ!」奇妙な声で笑いながら≪顔の仮面でわからないけど、仮面が笑ってるから≫憲兵を切り刻んでいく。
「何?あれ?」先ほど妹をかばっていた姉が疑問の声をあげる。
「愚者の暗殺者。俺が召喚したモンスターだ。取り敢えず、傷を見せろ。」少女を見ると普通の人間ではない。耳がとがっている。どうやらエルフ族のようだ。≪恐らくこの世界は亜人種や異形種の世界か。多分俺も異形種なんだろうな。≫と思いつつも、少女に手をさしのべ、
「回復魔法 大地より捧げられしもの」魔法陣が少女のしたから現れて傷を治した。
「凄い。貴方は一体…………。」
「俺の名前はタクミ。龍神族の生き残りにして、龍神族の長、龍神王だ。」それを聞くと、エルフ耳がピンッと張った。
「では、あなた様は伝承の戦士なのですか?」と聞かれたがいまいちぴんとこない。
「取り敢えず、今はこの憲兵どもを片付ける。」
「愚者の暗殺者。戻れ。」と殺戮をやめ、召喚した主の元へ戻った。
「聞けぇ!どこぞの憲兵ども!俺の名はタクミ龍神王だ。貴様らの主によーく伝えろ。次にこのような真似をするなら命はないと。例え十億の軍勢が来ようと、俺はその軍勢を三十分足らずでかたをつける事ができる。てめぇらが妙な真似をしない限り手は出さんが、行ったまたは見かけた場合はそれ相応の死への覚悟を決めてやれとな。」そう言われると、憲兵はそそくさに逃げていった。
村人達に囲まれ、村長に挨拶された。
「この度は、村を救っていただき有難うございます。なんとお礼をしたら良いか。申し遅れました。私は当エルフ族の村、エリシアの村長をしております。グミョン・ドルスと言います。」
「気にせんでください。俺は、ほっとけないと思ったから助けただけです。何かお礼をしたいなら、この世界について色々教えて下さい。何せ今まで封印されてたので。」とグミョンに世界の情勢、この大陸で起きていること。この村が略奪の標的になっているのは何故かと言うところまで教えられた。
「成る程、やつらはこの大陸の国のなかでも大国とうたわれるグラインスレダと言う国の憲兵で、貴方らエルフ族、ダークエルフ族、フェアリー族、ハーフエルフ族の羽が長寿または不老不死になる薬の材料として殺し回ってる。そして、この大陸は運よく魔王に支配されていないが、グラインスレダが大国過ぎるため、その国からの支配や横暴を受けていると。まぁ、今の知りうる情報を提供していただき有難うございます。」
「他の大陸は私たちの大陸より酷い支配を受けていると言う噂を耳にします。」
「なぁ、お前らエルフ族は何か隠してること無いか?さっきからナイフやら剣やらの鉄の臭いがぷんぷんする。」そう言われると、そこかしこから切りかかられたが、それを受け流ししだいに村人達の腕や足を絡ませて動けなくした。
「甘いなぁ。この程度の不意打ちで俺を倒せると思っているなら、お前らは本当に俺をなめてる。」
「おのれぇ。」
「恐らく、お前らはさっき逃げた、憲兵の一人に何らかの脅しかそそのかしを受けて、俺を殺そうとした。本心でない殺意は自らの命をたつだけだぞ?」
「わしらはいつでも下に見られてしまうのじゃひとつでも良い。わしらを守る何かがほしいのじゃ。お主を倒せば少しでもわしらの見方が変わるはず。そう思ってたのに。」グミョンはうつ伏せで嘆くしかなかった。
「まぁ、色々教えてもらったお礼だ。今回の事は目ぇつぶってやる。その代わり、お前達にこういう下らない事させるために脅してるやつを教えろ。全部ひっくるめて救ってやる。」その頼りのある発言に先程まで殺気だっていたのがなくなり、武装を解いて話をすることになった。
一方その頃……。グラインスレダ大国のとある教会で老人六人が一人のグラインスレダの女王を囲う形で話をしていた。
「おのれぇ。我々を侮辱しよってぇ。」
「しかし相手が相手だ。手を抜くわけにはいかん。」
「なら何か策はあるのか?あの一族の戦力は最大で五人一組で一国の軍勢およそ1億を三十分でかたをつける。それの十倍の戦闘力を持つものに対して策など浮かぶはずもなかろう。」
「如何なさいますか?女王陛下。」一人の老シスターに問われると、
「では、そのものを一度城に招待し、宣戦布告するなら選りすぐりの戦士達を導入させる。和解を申してくるなら、それに応じる振りをして、不意をつく。恐らく奴は前者を選ぶだろうがな。」
「それで倒された後は如何様に?」
「どこかに剥製にして売り付けてやろう。龍神族は死体でさせ、国二つ買えるくらいの金になりうるからな。ましてやその長龍神王ならさらに金額が上がるだろう。」
「では、兵を向かわせましょう。」
「その必要はない。」手をあげて止める女王。
「何せ奴は今侵入してきている。」と持っていた杖で床を叩くと、水晶が浮かび大きくなって映像を写し出した。
「何と……。」ビックリするのも無理はない。何故ならすでにこの国の兵の半数を既に打倒済みであったからだ。
「おい、どこぞの国の下らん女王。玉座で待ってろ。テメェとそこの老人全員、さらさらの消し炭にしてやるからな。」と老人達はいやな汗をかいているが、女王はなにやら不敵な笑みを浮かべ、城に戻った。




