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かみんちゅ  作者: さんさん
序章  ヒーヅル編①  ~異世界移動~
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ラブリーマイエンジェルシールたん

「―――と、いうわけだったのよ。」


私は家のリビングでお母さんに事の顛末を話した。


「ふぅん…隕石…ねえ…?」


お母さんは意味深な瞳でケイジのことを見つめている。


「まあいいわ、とりあえずケイジ君。今日泊まるところあるの?

 ないでしょ。うちに泊まっていきなさいな。

 拒否権はなーし♪ 娘を助けてくれたお礼、させて頂戴?」


ケイジは何か言いたげであったが、お母さんの極上スマイルに負けたのか、素直に頷いた、ウギギギギ。


「そして今日はとりあえず、寝ましょうか♪

 もう遅いし、詳しい話は明日起きてからにしましょう。」


お母さんの強引な押しもあってか、今日はもう寝ることとなった。

空に起こった異変、盗賊に襲われた恐怖、隕石…私は肉体的にも精神的にも疲れていたためか、すぐにベットの上で夢の中へと沈んでいった。




------------------------------------------------------




「さて、ケイジ君。寝る前にちょっとお話…しましょうか♪」


さっきから身体の振るえが止まらない。

握った手から汗が滴り落ちる。

この目の前の男―ケイジ―は…一体どれほどのものなのか…。

少なくとも敵ではないようだが、相手の心意をさぐらなくては…。


「単刀直入に聞くわ、あなた、何者?

 あなたみたいな尋常じゃない魔力の持ち主…みたことないわ。

 そして何より、どの系統との魔力とも違う…見たことがない。

 もしよかったら、話してくれない?誰にも言わないわ。」


彼は少し考え込むようなそぶりを見せた後に、口を開いた。


「俺は話すのが苦手だ、だからありのままに話そう。

 それにあなたは、たぶん信頼のおける方だと思う。

 まず俺は、この世界の人間ではない、異なる世界からわたってきた。

 プリメラが言っていた空に広がった闇は、たぶん俺が世界を渡るためのもので、爆発は世界に転移したときのものだと思う。

 世界を渡った理由は………強者を求めてだ。

 俺は前の世界では格闘家だった、より強く、最強を求めて、来る日も来る日も修行に、戦いにあけくれた。

 そしてもう世界では、俺より強い者はいなくなってしまったんだ。

 だから俺は、更なる強者を求めて、世界を渡った。

 この世界は、選んできたんじゃなくて、たまたまなんです。

 この世界は、俺がいた世界に比べて気が満ち溢れている…お察しのとおり隕石なんかじゃなくて、俺が気の加減を間違えただけなんです。」


彼の言葉は本当だろうか…世界を渡る…?ありえない…。

しかし彼の力は異質すぎる、抑えてるつもりだろうが、私にはわかる。

異常すぎるほどの魔力量…この世界のパワーバランスを変える程の。

しかしまあ、強者を求めてというのは、間違いないだろう…彼の獣のような瞳を見れば、わかる。

――なぜなら私と、同じ目をしているのだから――


「わかったわ、じゃあしばらくこの家にいなさいな?

 この世界の常識を教えてあげる♪

 あと、そのだだもれの魔力…ああ貴方がいう気だったかしら?

 それも抑える練習しないとね♪」


「かたじけない…それではしばらく…お世話になる。」




---------------------------------------------------------




シールさんはなんとすばらしい方か…女神のような美しさ、聖母のような優しさ…。

シールさんまじ天使。

おまけに強い…聞いてみたところ元はヒーヅルの皇族直属の近衛騎士だったそうだ。

ダブルピー…いやプリメラを懐妊して退役し、既に16年ほどたっているが、あの動きだ。

現役時代は一体どれほどの疾さだったのか。

少なくともあちらの世界にいた時の俺では見切れなかっただろう…。

こちらに来て気の流れに敏感になっていなければ、先ほどの飛ぶ影のような曲芸もできていなかったはず。

そして何より美しい…とても1児の母親とは思えない…あれやばい俺こっちの性癖だったっけか。


しばらくはここで厄介になろうか。

当面の目標は、この世界の常識を学び、自身の気を完全にコントロールし、この世界の強者の探索を行う。

決してシールさんがいるからではにい、決してだ。


とにもかく、今日は疲れた…思えばカミンチュとの死合いからずっと休んでいない…。


そんなことを考えていると、俺のまぶたは自然と閉じていった…。

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