虹色水晶は永遠の輝き
ドドドドドドドド――……バァンッ!!!―……ドドドドド………
『だいぶ危ないからかなり離れていて』…シールはそういって街の外へ向かったんだけど…?
私は目の前でおこった現実に、理解できないでいた。
――ちょっとドラゴン狩ってくる
そんな言葉を発し、彼女はいってしまった。
『全力でいってくる、だから私を信じて待っていて』…そういった彼女は、街の出入り口の門からでてしばらくしたと思ったら、彼女が消えたのだ。
凄まじい爆音を発し、さらには何かにぶつかる衝突音だろうか…音がすさまじすぎてわけがわからない。
彼女のたっていたところから森のほうへむけて、地面がえぐれ地割れが起こっていた。
ドドドドドドといった地響きも段々と小さくなっていった…。
時がしばらくたち、ようやく彼女がとてつもない速度で翔けたのだとわかった…いや、わかってはいない…が残った事実がソレが答えだと静かに語っているのだ。
彼女は一体何者なのだろうか…いや何者であってもいい、彼女は私の友達だ…友が何かなど関係ない。
私は彼女を信じ、ギルドへと戻った。
そこから私は平静に受付業務をした。
自分でも驚いていた、なぜこんなに普通に対応できるのか…ああ、簡単なことだ…私はもう信じて、安心しているんだ…彼女なら大丈夫だと。
なぜだろう、普通に考えたら誰も信じないことであっても…なぜか彼女なら大丈夫、そんな風に考えてしまう。
そして約3時間後、ギルドに彼女が顔をだした。
「おかえり…ごめんね、本当助かったわ。」
「…………ただいま、聞かないの?」
この時彼女は珍しく驚いた顔をして尋ねてきた。
「うん…だってなんか、あなたなら大丈夫だって…心がそう思っちゃってるのよ」
「そっか……………そっか♪」
ニコニコと笑顔になって喜ぶ彼女、ああラブリー…。
「じゃあ、これが頼まれてたやつね♪今度から気をつけてね?♪」
ゴトッと布袋を置く彼女、そっと中を見てみると…ホワイトドラゴンの瞳がキラリと輝いていた。
まあその後ギルドの裏にホワイトドラゴンが横たわっていててんやわんやの騒ぎになったり、街から森へと続く地割れに神様の怒りだと混乱になったり、翌日ゴレイクの下級議員のドラ息子が街の広場に凄惨な姿で裸貼り付けにあっていたり…今ではいい思い出である。
彼女との出会いは、そんな感じだった。
そこからもう十何年も付き合いがある、まあ最近は子供ができたようでその親バカっぷりを見せるのろけ話ばかりであるが…。
そんな彼女から手紙がきたのだ、やれ『おもしろい人がいくから、期待しててね♪』という内容の。
ここ数年はお互い忙しく…私にも子供ができたりしてあえていなかったので感覚が鈍っていた。
そう…人外レベルという感覚に…。
間違いなく、ケイジ君も彼女と同等か…彼女曰くそれ以上だという。
そうして大騒ぎになっているギルドの裏手にいってみると…
あの日あの時と同じように、ホワイトドラゴンがデンッと横たわっているのを見て、私はそっと微笑んだのだった。
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ギルドの裏のホワイトドラゴンを見てもルルさんは意外と…というか予想外に驚かなかった。
むう…さすがは人妻といったところか、人生経験豊富であるな。
ホワイトドラゴンの素材は全部売るつもりだったが、聞いたところによると防具として一級品になるらしい。
白と白でハクアに似合うと思い、一式作ってもらうことにした、もちろん作製料金は素材でまんま引いてもらう。
あとは…カレンにコートを作ってもらうことにした、白を貴重としたおしゃれなやつだ。
ただしそんじょそこらの鎧よりも物理・魔法防御力があるという超絶無駄使いコートである。
完成は一週間後とのこと…今から楽しみだ。
それ以外は瞳だけはお土産に両方もらったが、あとは全部売り払った。
そうしたら…
5水晶貨と50金貨
になったのだ。
ええと、うんちょっと待って欲しい、水晶貨ってなんだっけ…
1銀貨が大体1000円…今泊まっている高級旅館が3人3食の1泊50銀貨で確か役5万円相当…だから1金貨が10万円、その百倍だから…1000万円…
ええと…つまりは5500万円相当…だと…
うん…なんていうか…俺ぱねえ…まじぱねえ…
ルルさんによると、A級である超位種のドラゴン素材はかなりの高級品…そのドラゴンの素材がまるごととなるとそれくらい行くらしい。
S級の幻種ともなれば10水晶貨単位…つまりは億単位が普通らしい。
ちょっと疲れるけど…今後金策については考えなくてよさそうだ。
むしろドラゴンとかの超位種を探すほうが面倒くさいってレベルである。
ギルドは騒然としていたのに、ルルさんは全然動揺していなかった…聞けばなにやら過去に同じことをした人がいて、友人だとか?
ううむ…俺のような猛者がいるとは…いつか手合わせしてみたいものだ。
ああちなみに、どうやって丸ごとドラゴンを持って帰ってきたのかというと…。
まずドラゴンが壊れないように気をこめます。
次にドラゴンをむろ○しバリのハンマー投げのごとくジャイアントスイングから街のほうへ投げます。
投げたドラゴンに即追いついて飛び乗ります。
街へと10分で着きました。
といった感じだ。
トンチは昔読んでた漫画のピーチパイパイというキャラから閃いた。
まあ彼は石柱に飛び乗っていたが…。
さて金額が金額なだけに、水晶貨は後日だそうで、今はとりあえず50金貨だけもらった。それでも500万相当である…ううむ、帰りに何かお土産を…と思ったが、もうすでにある。
そう、ホワイトドラゴンの瞳…瞳は凝縮されビー玉くらいの大きさになっている。
通常ドラゴンの瞳は死後に自然凝縮されるのだが、そこまでの輝きはない…ただ稀に通称――虹色水晶――雪月花など目ではないレベルの超高級品が生まれることがある。
その輝きは、光に反射して七色に輝く…まさに虹色。
基本取引は水晶貨単位だそうだ。
原因や因果は不明…そもそも絶対数が少なすぎるのだ。
なお、今は俺の手によって強制的に圧縮され、さらに気をこめたことにより虹色水晶となったのである。
そして既にこれらは俺の手によって加工してある。
まん丸だと持ちにくいので、物理的にギュッ!として楕円形にして紐――これもホワイトドラゴンの髭でレアな一品――を通し、ペンダント型にしてみた。
うむ、これで2人にも結構な効果がある装備としてプレゼントできるだろう…もちろん、見た目も最高に綺麗だ。
2人の喜ぶ顔が楽しみだ…そんなことを考えつつ俺はスキップで旅館へと帰っていった。
「おかえりなさいませ、ケイジ様。」
ドアマン…というかドアウーマン?着物を着た女性が扉をあけてくれて旅館の中に入ると、女将が深々と頭を下げて出迎えてくれる。
「ただいま、女将さん。
ああそうだ、まだしばらく滞在するからお金先払いしておきますね。」
「かしこまりました、どれくらい延長なさいますか?」
「そうだな、とりあえず2ヶ月分で。」
そうやって金貨を30枚カウンターに出す。
「………ッ!?………かしこまりました……はい、確かに30金貨お預かりさせていただきます。」
さすが高級旅館、冷静さを装って対応を行った。
俺はほっこりしながら部屋へと戻っていったのだった。
もちろん、案内してくれた従業員さんにチップははずんでおいた。
「ただいまー」
「おかえり………ケイジ………」
「おかえりなさい、ケイジさん」
「ん、ゆっくり休めたか?
ああそうだ、2人にプレゼントだ。
2人とも目を瞑って…掌を前にだしてくれるか?」
首をかしげながらも、掌を出す二人…俺はそっとペンダントを置いた。
「オッケー、目をあけてくれ。」
「「~~~~~~~~~~~~~~~~ッッッッ!?!?!?!!!!11!?」」
2人が目を見開いてガクガクと震えて……あれやばい震えすぎた、あれ?ちょ…あれえ…
しばらく2人を落ち着かせるのに…時間がかかってしまった。
「………ケ…ケケケケイジさん?こ、ここ これ…はこれはいったい!?」
訂正、全然落ち着いていなかった。
カレンは震える両手で虹色水晶のペンダントを支えるようにしてプルプル震えている。
ハクアは目を見開いたまま虹色水晶を見続けている…っていうかフリーズしてるのかあれは。
「2人へのプレゼント…だ。」
「ぷぷぷぷれぜっちって!っとって! これ、これは!」
日本語でおk。
「~~ッッッ」
カレンは目を見開いて再度水晶を見つめる。
「に、虹色水晶は…全世界の女性の…あこがれです。
雪月花なんて…目じゃありません、しかも…しかもこんな大きくて…こんなに輝いているものなんて……」
「すごく…綺麗だろ?
けどさ、俺としては…高価だとかそういうの関係なく、コレを見てたら2人にあげたいなって思ったんだ。」
「………………………まったく…貴方にはいつも驚かされます…。
………けど…はあ…仕方ない………ですね………。
惚れちゃった…んだし………///」
カレンの瞳が優しい色になった。
「私も…頑張ります。
ケイジさんがくれたこの水晶に似合う…つりあえる女となれるように。
そして…あなたを支えられる女になれるように…頑張ります…。」
その言葉に、俺は感動した。
ありがとうでも、ない…幸せにしてよ?とかそういうのでも、ない。
俺を俺としてみてくれて、そして本当の意味で俺と歩んでくれようと思ってくれている。
依存するだけでは、ない…俺は素直に、カレンという女性のことを敬愛したのだった。
………
………………
なお、そのしばらくしたあとにハクアがフリーズから解除された。
プレゼントすることと伝えると…またしばらくの混乱とフリーズのあとに、
「ありがとう………ケイジ………………すごく………すごくうれしい。
………………私もね………私も………貴方にいつか………ううん、これから………あげる。
今私が………感じている………このとっても………とってもうれしい………気持ちを………幸せな………気持ちを………絶対私も………あげるからね。」
この子もまた、受け取るだけではない…きちんと俺のことを本当に思ってくれている…そう感じた。
『もう、受け取ったよ。ハクア…』俺はそんな気持ちで、彼女の頭を優しく撫でた。
「…しゅ…しゅごい人に(ビクッ)…惚れちゃったねぇ…お互い(ビクビクビクビク)」
「………はい………お姉………さま………(ビクンビクンビクン)」
「本当…何から…(ビクッ!)…ナニまで…規格…外…だわ…(ビクンビクンッ!)…」
あの後は4ラウンド ハクア10KO カレン11KO
両者意識酩酊のため、打ち切り。




