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かみんちゅ  作者: さんさん
第3章 メーリ連合国編①  ~エリーシア~
34/59

エリーに逃走はないのだ!

「さて、よく来たな。そこに座れ。」


「ああ。」


俺達は促されるまま椅子に腰掛ける。


「まあまずは、グリーンドラゴン討伐おめでとう。といったところか。」


エンジェルロストギルドマスター…元Aランクのハンターだそうだ。

さてどうしたものか…呼び出しっつうことは面倒ごとかなぁ…前の世界でもそうだった。

強い者を手元に置こうとする者、利用とするもの…まあどれも外道には人生から退場してもらったがな。

今回のこのジジイはさてさて、どちらかな。


「ところでだ、お前らが3人で討伐したというのは本当か?」


「まずは名乗ったらどうだ?ジジイ。」


「「なっ…」」


エリーとミューラが息を呑む、ノゾミはうんうんと頷いている…ノゾミさすがだな。


「小僧…口の利き方には気をつけろ。

 たかだかCランクの小童が調子にのりよって…どうやってドラゴンを倒したのかは知らんが…潰されたいか?」


ふーむ…典型的な権力大好きなゴミクズか…いやしかし、気がにごっていない…矛盾があるか。

つまりこちらを試している?まあどちらでもいいか、だってどちらにしろ、邪魔なら潰すだけだしな。


「言いたいことはそれだけか?

 いい加減本題に入ってくれ、腹の探りあいは好きじゃないし、演技とかも苦手だ。」


「ほう…演技とわかったか。」


「そやでぇジジイ♪うちのケイジはすごいんやからぁ。」


「ほう…でかくなったなぁ小僧…じゃないノゾミ…うほほほ…なんとまあ見事な…」


果実…その言葉こそでなかったが、俺にはわかった。

確かにこれはすばらしい果実だ…そしてこのジジイはまあ、なんとなく同じ匂いがするぜ。

しかしなジジイ、この果実はもう俺のもんなんだぜ…。


「久々やねぇ…相変わらず助平なことで…そんなにお尻の穴にツララさされたいん?ん?どないなん?言うてくれる?」


いかん、ノゾミの目のハイライトが消えている。

誰か助けて。


「の、ノゾミ?知り合いなの?」


エリーが空気を読んでか助け舟をだしてくれた。

確かに、なんでこのジジイとノゾミが知り合いなのだろうか。


「うん、そうなんよぉ。

 うちのいた孤児院の院長と仲がようてな、うちも小さいころは何回か遊んでもらったりしててん。

 で、うちの魔法の才能を見つけてくれたんもこのジジイやねんで?」


「ジ、ジジイて…ノゾミちゃあん…そんな悲しいこといわんでよぉ…」


「いつもいつも人の胸ばっか見てるからや!」


「わ、わしはただノゾミちゃんの成長の確認をだな…」


「まあ、もう気にせえへんけどな。」


「ほ?」


「だってうちの胸、もうケイジのもんやもん♪」


「な…なんじゃとおおおおおおおおおおお!?」


ノゾミの爆弾発言のせいでジジイが固まったまま動かない…いい加減話を進めてほしいんだが…。


「あらあら、よかったわねぇノゾミちゃん♪」


「おおきに~、ミューラさんもはよ見つけーや?」


「このクソ親父がいるせいで…ねえ?」


どうやらこの美しいミューラさんはジジイの娘らしい…おいジジイ、いつの時の子供だ…。


「くそガキが…わしの…わしのノゾミちゃんをよくもおおおおおおおおおおお!」


ジジイの攻撃 ケイジに1のダメージ。


ケイジの反撃 ジジイに9999のダメージ。


ジジイは倒れた。


「ぐほお…。

 な、なんじゃお主のその強さは…」


「あ?てめえが弱すぎるだけだろう…このエロジジイが。

 というかさっさと用件を話せ、こっちはさっきから話が進まなくてイライラしてんだよ。」


まあそのイライラもエリーとイチャイチャしてるおかげで発散してるけどな。


「ふん…がきめが。

 まあよい、話はお前らのランクあげじゃ。

 超位種を3人で撃破するような奴らがCランクだのおかしいじゃろ。

 ノゾミはAランク、ケイジ及びエリーはBランクとする。

 こーにゃんからこっそり報告は聞いた、ドラゴンに対してえげつない攻撃を加えたそうじゃの。

 …………ノゾミ、強くなったな…。」


そういってノゾミの頭を撫でるジジイ、コレだけ見ればいいジジイなんだろうけどなぁ…。


「わ、私もですか!?」


エリーがあわてて返事をする。

俺としては十分Bランククラスだと思うが、彼女としては不安なのだろう。

何せ少し前まで自分は落ちこぼれれと思っていたんだしな。


「もちろんじゃ、エリー。

 ある意味お主が一番成長したと思う。

 以前ちらりと見たことがあるが、その時に比べ成長したようだな。

 魔力もさることながら、いい瞳をしている…。」


「あ、ありがとう…ございます…。」


俺達以外に認められ、よほどうれしかったのか…エリーは静かに涙を流した。

その涙をなめたら、殴られた…うむ、かわいいやつめ。


「まあ話は以上じゃ、別に呼ばなくてもよかったんじゃが。

 ドラゴンを倒したという奴らを自分の目で見てみたいしな、あとノゾミちゃんにも会いたかったんじゃ。

 時間をとらせてすまんかったの。」


てめえ絶対後者が理由だろう…、エロイ、さすがジジイエロイ。


「ではノゾミ、エリー、またどこかで会おう、がんばるのじゃぞ。

 そしてケイジとやら、おぬしは残れ…ちょっとノゾミの件について子一時間話を聞かせてもらおうか…。」


「…。

 わかった、ノゾミ、エリー、先に宿屋に帰っていてくれ。」


「え?なんでてかそんなふざけた話なら別にもうしなくt「りょーかい、ほなエリー帰ろっか♪」ええ…あ、うん…。」


ノゾミが察したのか、エリーの両肩を押して退室する。


「………。

 さてジジイ、用件はなんだ?ノゾミの果実のことなんかじゃあないんだろう…?」


「ほっほっほ…さすが察しがいいな。

 シールがべた褒めするだけのことはある…。」


「ん?シールたんを知ってるのか?…ってことはなるほど、てめえが…。」


「(なんじゃタンって…)

 まあおぬしが思っているとおりじゃよ。

 これが彼女の実家の現状じゃ、できれば早い方が良い…彼女の病状は大分悪い方へ進んでいるようだしの…。」


差し出された紙を注視する…まったく、面倒くさいことになったもんだ…。

まあいい、愛しい女のためだ、一肌脱ぐとしますか…。














「ただいまー。」


「あ、おかえりケイジ! ご飯にする? お風呂にする? それとも…」


「お風呂に入って飯くってそんでもってお前も食う!!!!!!!11!」


「~~ッ! う、うん…ッ!」


(毎日あきんとようやるは…)


「もちろんノゾミもだぞ!」


(ま、まあそう言ううちもうちやけど…♪)


「はーい♪」







「相変わらず旨いなぁ…エリーのご飯は。」


「えへへ、ありがとう♪」


「ところで、だ。

 エリー、ノゾミ…今後について話をしたい。

 メーリの首都、イーグルベイブに行こうと思う。」


「ん~了解。」


何かを察したのか、それとも何も考えていないのか、相変わらずノゾミはどこか読めない。

まあノゾミはいい、問題は…。


「首都…なんで?別にここでいいじゃん。」


「ちょっとやぼ用があってな、嫌か?」


「………」


「大丈夫だ…エリー。

 お前のことは、何があっても俺が守る…!」


「なんで…なんで?

 もう私は実家とは縁が切れてるのよ?今さら何をしにいくの!?」



向かうはメーリの首都…そう、それはエリーの実家がある街。

彼女は俺達の家族になった、心を開いてくれた、許してくれた。

けれどまだ、彼女の心の奥底には実家のことがある…それは恐怖、不安、さまざままものが入り混じったそれを、俺は癒してやりたい。


「エリー、心を開いてくれてありがとう。

 家族になるといってくれてありがとう。

 俺にとってエリーは本当に大切な人になった。

 だから、エリー…けりを付けに行こう。

 自分と向き合おう。

 もしお前がそれで壊れそうになったら、その前に俺がお前を害する全てを壊そう。

 もしお前が逃げてしまっても、俺が無理やりとっつかまえる。

 だからエリー…行こうか…。」


「わかんない…わかんないよ…今さら何があるっていうの…?

 …………。

 …………けど、けど貴方がいうのなら…何かがある…のね…。

 ……………わかった…行きましょう…。」





こうして俺達はメーリの首都へ行くこととなった。



あ、ちなみにその日の夜間戦闘は…実家と聞いて不安になったエリーが激しく求めてきた^^;

4ラウンドしてエリーが9KO,ノゾミが2KOだった、ノゾミも一緒にエリーを癒していた。

「………。」


「エリー…。」

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