壁屋「1枚1銀貨になります^^」
みんなちょっと想像してほしい。
毎晩毎晩、親友である女の子と、同じPTメンバーの男が隣の部屋でことをいたしてるんを。
うちが真横におんのに気にせず…や!
朝起きる→食堂でイチャイチャ食べる→ギルドへ行く
クエスト受ける→イチャイチャ移動する→魔獣をあっさり倒す
街へ帰る→食堂でイチャイチャry→お風呂に入る…しかもたまに混浴
部屋へ帰る→親友が男の部屋に行く→イチャイチャどころかちょめちょめ
抑える気がないのかとなりのうちの部屋まで肉と肉がぶつかる音とか、声とか色々と駄々漏れ→ストレスがマッハ
ちなみに毎日こんな感じや……
「はいっ!ケイジ…あーん?」
「おいしい?よかったぁ…エヘヘ♪」
「今日もお疲れ様♪ご飯にする?お風呂にする?…それとも…」
「ああっ!ケイジ!ケイジィ!…すごいいいい、すごいよぉ…」
「ひぐっ!しゅごいぃぃ…もう、もう…だめえ…ッ!」
「ああああ。あついいい!すごい…すごいよお…きゅんきゅんするぅ……ッ♪」
…お分かりいただけたやろうか…1ヶ月、これを耐えたうちを褒めて欲しい。
ドンッ!
今日も今日とて壁を殴る…もう何枚目やろか…。
よくもまあ毎日毎日飽きもせずにするもんや…………そんなにすごいんかなぁ…って違う違う…
もう限界や…
「ハハッ…」
乾いた笑いがでた…。
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最近少し浮かれすぎていた。
ケイジと恋人になってから、毎日毎日バカップルもうんざりするレベルのイチャイチャをしてきたと思う。
宿屋の女将さんからは白い目で見られ、ノピちゃんからも汚物を見る目で見られている。
シエルさんにいたっては無視だった。
そして今日、ノゾミが切れた…思えばPTメンバーとして四六時中一緒にいたのだ…よくもまあ1ヶ月も耐えてくれたと思う…。
「………エリー?ケイジさん?………少し…頭冷やそうか…」
ノゾミの目にはハイライトがなかった。
横を見るとケイジが脂汗を流している。
…結局私達は、
イチャイチャしすぎない…時と場所と周りのことも考える。
ノゾミをないがしろにしない、大切にする…あれこれってノゾミもケイジのこと好きなのかな…?
そういえばうちかて女やねんから我慢できひんねんからとか言ってたし…ケイジのことは他の女の人に取られるのはいやだけど…ノゾミなら…って違う、そう!ないがしろにしない!だ。
色々な意味で早く貯金して家を買う…そのために毎日クエストを受ける
といったことをきめた。
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この世界で俺の敵となるものはいない…そんな風に思っていた時期が、俺にもありました…。
切れたノゾミはやばかった…確かに強さでいえば俺の足元にも及ばないが…あれには強さ以外の何かがあった…。
氷魔法でバインドされて、無防備な状態で指を向けられたときは、背筋がぞっとした…。
彼女はあまり怒らせないようにしよう…まあ今回は俺も悪かったしな…。
しかし俺は知っている。
気により全感覚…つまり聴覚なども超常化しており、彼女が壁ドンをしつつも、たまに布がこすれる音や、切ない声を出しているのを聞いている…つまりは自家発電をしっかりしていることは、把握済みだ。
折を見て彼女もいただきたいところだ…そう男の夢、ハーレム要員第2号だ!
ふはははは!鬼畜王に俺はなる!!!
…あとはまあエリーのためにも、だ。
俺は息子への気の流し方を完全に掴んだ今、エリー1人で俺の相手をするのは正直なところ限界を感じている。
昨日は、3ラウンドしてエリーが21KO、俺が3KOだった。
途中から彼女はもう息も絶え絶えでちょっと申し訳なさが出るくらいだった。
最後らへん、もう意識なかったしな…そんでもって俺はまだ物足りなかった…。
やはり近いうちにエリーにノゾミのことを話そう…っていうかもう肉体言語でいくか…。
俺は密かにハーレム計画を始動した。
ん?俺より強いやつにあわないのかって?
それはそれ!これはこれ!だ!某ラグビーのヘッドギアつけてる暑苦しい先生もいってたぜ!
「そこでな、ちょっと提案やねんけど…ヒーヅルを離れてメーリ連合の方に、いかへん?」
「メーリ連合?」
朝の食事の時間、ノゾミが口をひらいた。
「そうや、正直いってうちらのPTレベルやと、ヒーヅルやとものたりひんねん。
ケイジさんは知らんかも知れんけど、ヒーヅルって比較的平和なとこやねんで?
魔獣もせいぜい上位種のBランクまでや、超位種以上の数もほとんどおらんし、ここはレベルアップとレア素材集めとかもかねて、魔獣の種類も強さも豊富なメーリのほうにいこかなーって思ってん。
あとはまあ…あんたらのせいで宿屋におれんようになったから、メーリのほうにいって家でも買ったらええと思ってな…!
あっちは無駄に面積広いから、土地も安いし家も安いしなー。」
最後あたりはジト目で見てくるノゾミ…ハイライトは大切だ、有無でここまで違うとは。
「メーリかぁ…楽しそうだな!超位種もいるんだろ?是非戦ってみたいぜ!
俺は別に賛成だな、家も欲しいしな!エリーはどうだ?」
超位種!ついに戦えるぜ!ワクワクさせながらエリーの方をみると…彼女はなぜか俯いていた。
「エリー…?どうした?体調悪いのか?」
返事がない…ただのエリーのようだ。
「エリー…?……エリー!」
「…ハッ!?ご、ごめん…考え事してた…。
メーリかぁ…ちょっと…考えさせて…?
ごめんね、部屋に戻るね…。」
そういって立ち去ろうとする彼女は、声をかけるのをためらうくらい覇気がなかった。
「どうしたんだ?エリーのやつ…」
「さあ…?」
「ハッ!もしかして昨日やりすぎた…」
「おいい?あんまりストレートな言い方はやめて!
……まあ、今はそっとしといてあげよか…。
あとで落ち着いたらエリーのとこ、2人でいこか。」
「ああ、そうだな…。」
俺達はふらふらと部屋に戻るエリーをみつめることしかできなかった…。