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異世界に住む姫はどんな旅を?  作者: 葉月 いつか
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ケモノミミの町・リルーレア

ついに来ました! ケモノミミの町です!!

この町はちょっとだけ変わっています。

いえ、物凄く変わっています。

この町にいるほとんどの女性の方が、

ケモノミミや尻尾を生やしているのです。

本物ではないですよね?


通りすがりの狐っぽい耳と尻尾が生えている女性に訪ねました。


『あの、すいません』

『私に?何か用かしら?』

『そのケモノミミと尻尾は本物なんですか?』

『凄く可愛いのー』


彼女はくすくすと笑ってました。


『本物じゃないわ、偽物よ』

『凄く似合っているのー』

『可愛いわよね!どうしてこの町の人は、

ケモノミミと尻尾を付けているのですか?』


彼女が言うにはこの町の流行みたいです。

切っ掛けは、この町で可愛いフェンリルの女の子が住み着いてからが理由で、

余りにもその姿が可愛くて真似をすると。

次々と真似をする女性が現れて、この町の全体に広まったとか。


凄く変な話ですが、平和な話でもありますね。

その可愛いフェンリルの女の子に会ってみたいですね、

これほど人気が出るということは相当可愛いはずです。

今回は私の好奇心とわがままで、

フェンリルの女の子をみんなで探す事にしました。


聞いた話によると、特徴は長くて綺麗な白髪に耳と尻尾も純白で、

身長は低めの女の子だと言ってました。

見付けるのは大変そうですが、一目でもいいから見たいです。

観光をしながら探すとスフィアが何かに気が付いて、

私の肩を軽く叩いて教えてくれました。


『リリー!あの子がフェンリルじゃない?』


スフィアの目線の先を見ると、果物が置いてある露店の前に、

先程の特徴と一致している女の子がいました。

何かを探している様子です。


『この林檎1つ頂戴!』

『今日も可愛いねエリルちゃん、1つおまけにするよ!』

『やったー!・・・あれ?お金がポケットに無い・・・』

『落としたのかい?

お金が無かったらすまないけど、売ることが出来ないなー』

『そんなー!』


凄く焦っていたので、本当に落としてしまったのでしょう。

ここは仲良くなる為にも私が奢ってあげよう!

私は果物が置いてある露店に向かいました。


『すいません、林檎を1つ下さい』

『銅貨1枚ね、毎度あり』


そして私は、女の子に林檎をあげました。


『これ、あげるわ』

『えっ、いいの?ありがとう!』


女の子は私が天使の様に見えたのかは分かりませんが、

凄く目を輝かせて、キラキラとしていました。


女の子はその場で、もぐもぐと林檎を食べていました。

あー小動物みたいで可愛いですね・・・。

おっと、重要な事を聴かないといけません。


『あなたがこの町で有名な、フェンリルちゃん?』


食べるのを辞めて、

口の中に入れてある林檎を呑み込んでから、答えてくれました。


『うん!フェンリルだよ!』

『やっぱり、そうだったんだ!

私、あなたに逢いたくて探していたのよ!』

『えっ、私に?』


不思議そうに首を傾げていました。


『うん!この町でケモノミミや尻尾が流行してるのは、

フェンリルちゃんが可愛くて真似してると聴いたから、

どんな女の子なのか直接会ってみたくてね!』

『そうなんだ!そうでしょう、可愛いでしょ!』

『うん、凄く可愛い!!』


今自分で可愛いと言っていましたが、

確かに可愛いので許します!


『あのー、林檎のお礼と言ってはなんだけど・・・

お願いがあるの、良いかな?』

『私に出来る事ならなんでもするよ!』


私は少しだけ照れながら、言いました。


『尻尾を触ってみたいんだけど、良いかしら?』

『それだけで良いの?』

『うん、ダメかな?』

『良いよ!』


女の子が了承を得てくれて、触れる事が出来ました。

あーもふもふして気持ちが良い・・・幸せです。


『あっ、友達に触らせて良いかな?』


女の子は良いよと言ってくれて、

スフィア達もフェンリルの尻尾を触って、気持ち良さそうにしてました。


『凄く、もふもふしているな』

『気持ちが良いのー』

『はい!そろそろおしまいね!』


尻尾を動かして、後ろに隠しました。


『ありがとうね、フェンリルちゃん』


女の子は私に指をさして、お別れをしました。


『私の名前はフェンリルじゃないよ、エリル!憶えておいてね。

林檎ありがとう、じゃあね!』


耳と尻尾を揺らしながら、走って行きました。


『あーエリルちゃん、可愛かったなー・・・』

『さてと、それじゃあ次は、宿屋を探すか!』

『そうね、そうしましょう』

『探すの疲れたのー』


『ごめんね、スフィア、フワリ、

わがままを聞いてくれてありがとう!』

『良いよ別に、可愛かったから癒されたよ』

『私ももふもふが、ほしいのー・・・』


フワリの言葉で何かが引っかかりました。

もふもふがほしいか・・・。


考えながら宿屋を探して見つけ、

泊まる部屋に入ってから、いいアイデアを思い付きました。


『ケモノミミと尻尾を作って、私達も付けましょう!』


突然閃いて声を出したので、

2人とも少しだけびっくりしていましたが、フワリが興味津々でした。


『いいアイデアなのー!』

『えっ?』


フワリは意気投合しましたが、

スフィアはちょっとだけ戸惑っていました。

そうと決まれば手芸屋に行きましょう、いやー楽しみですね。


宿屋の店主に手芸屋の場所を教えて貰い、そちらに向かいました。


『スフィアとフワリは、どんなケモノミミがいい?』

『私はうさぎがいいのー!』

『フワリに似合いそうね、スフィアは?』

『ケモノミミを頭に付けるのは少し恥ずかしいなー・・・

しかも、尻尾も付けるなんて』


スフィアの頬がほんのりと赤く染まっていた。

私は町に溶け込むためよ!と言い聞かせると、納得してくれました。

付けるならなるべく可愛い感じじゃない方がいいという事で、

スフィアが決めたのは狼の耳と尻尾です。


ちなみに私は無難に猫耳に決めました。

だって、可愛いですもんね!


それぞれに合う色の材料を買って、

少し早めの夜ご飯を宿屋にある食堂で済ましてから、

部屋に戻って早速手芸を始めました。


フワリはテーブルの上でじっくりと見ていましたが、

スフィアはシャワーを浴びたり、髪の手入れをしたり、

歯を磨いたり、そわそわしていました。

ようやく、みんなの分が完成出来ました。


『終わったー!!フワリ、付けてみて!!』


試しにフワリがうさ耳と尻尾を付けると、

あらまぁ、可愛いうさぎの妖精になりました。


『似合っているかな?』

『うん!とっても可愛いわよ!』

『ありがとー!』


とても喜んでくれました。

さて、次は私が猫耳と尻尾を付けましょう。


ちなみに、どうやって付けているのと言いますと、

耳は髪留めを利用をしているのです。


尻尾の部分は安全ピンを利用して付けています。

なかなか大変でしたよ作るのが、

しかし、手芸も好きなので楽しく作れました。

猫耳と尻尾を付けた私はフワリに聞きました。


『似合うかにゃ?』

『うん!似合っているのー!』

『ありがとにゃ!』


なぜか猫みたいな口調になりましたが、それは置いといて。

最後はスフィアに付けてもらいましょうか。


『スフィア、覚悟しない!』

『狼になりなさいの!』

『2人とも目が怖くなっているよ!?』


スフィアに近づいて、耳と尻尾を無理矢理付けました。


『狼スフィアだー怖いのー』

『私達、猫と兎だから食べられちゃう!』

『その茶番、付き合わないとダメかな?』


いつもは凛としているスフィアに、ケモノミミと尻尾を付けると、

ギャップが面白くて可愛いくなりました。


『さて、明日はこれを付けて町に出かけるよー!』

『楽しみなのー!』

『外は恥ずかしくて嫌だからな!?』


明日はケモノミミを付けて、お出掛けをする予定を立てました。

夕方くらいに二日目を投稿します!

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