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異世界に住む姫はどんな旅を?  作者: 葉月 いつか
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ホワイトベア出没

私達が今いるこの区域は冬の時期なると、

ホワイトベアが出没するので注意が必要みたいです。

人を見れば襲うという危険なモンスターです。


ちょっと怖いのですが、町の人に聞けば出没期間は1ヶ月以上にあり、

旅をするにはそんなに待てないので次の町に向かって歩いています。


何事も無ければいいのですか・・・。

しばらく3人で歩いていると背後から唸り声が聞こえてきました。

振り向くとホワイトベアでした。


白い毛皮がふわふわとして触ると暖かそうですが、

そんな余裕はまぁ、ありませんよね。


『リリー!フワリ!下がって!』


スフィアは槍を取り出して、戦闘態勢に入りました。

フワリはとても心配で慌てていました。


『あんなのに勝てるの!?クマだよクマ!?』

『スフィアなら大丈夫だよ』


そんな事を言いましたがやはり不安なので、

私はダガーナイフを投げる準備をしています。


その時です。

ホワイトベアが動き出しスフィアに向かって突進をして来ました。

ホワイトベアは鋭い爪を出して、右腕を思いっきり振り回してきた。


『ガァルゥルル!!!』


スフィアは後ろにジャンプをして避けた後に、

ホワイトベアの頭を狙って槍を突き出して一撃で仕留めました。


『ふー・・・こんなもんかな』

『凄い!流石スフィアね!!』

『一撃で倒しちゃったの・・・』

『ありがとう、ドラゴンに比べたら簡単に倒せたよ』


安心したと思った矢先にホワイトベアがまた現れました。

しかも今度は二体同時です。


『仲間が近くにいたのか、2人とも離れて!!』


スフィアにはそう言われましたが、

二体同時に相手をするのはさすがのスフィアでも

心配なので、ダガーナイフを構えました。


『私もやるわ』

『下がって、リリー!もし、君に何かあったら・・・ 』


『大丈夫よ、ダガーナイフを投げつけるだから。

外した時は下がるから私にもやらせて、

私もスフィアに何かあったら嫌なの・・・!』


スフィアに仕方がないなという表情をされましたが許してくれました。


『外したら、絶対に逃げるんだよ』

『うん、約束する!』


その瞬間に二体のホワイトベアが同時に突進をして来たので、

近くまで寄せてから私は頭を狙い投げつけた。


『当たって!!!』


思いっきり投げたナイフは見事に命中して、一撃で倒せる事が出来た。

残るは後一体ですね。

もう一体のホワイトベアは大きく前足を上げて攻撃を仕掛けますが、

スフィアの方が攻撃を仕掛けたのが速く、ホワイトベアの首を切り落とした。


『流石リリーだね。百発百中じゃないかい?』

『褒めすぎよ、スフィアの方が流石よ』

『フワリ、もう安全だから降りておいで』


避難するために高めに飛んでいたフワリが

ゆっくりと戻ってきて、暗い表情をしていました。


『どうしたの?』

『ごめんなさい、私は何も出来なくて・・・』

『気にすることないよ』


スフィアが励ましてあげても気にしている様子です。

何かいい方法が無いかしら?

・・・そうだ、良い事を思い付きました。


『フワリに頼みがあるの!

空を飛んで周りにホワイトベアが居ないか、確認して欲しいの!』

『それなら出来るの!任せて!』


フワリに元気が戻り、高く飛んで見渡してくれました。


『フワリー、どんな感じー?』


数十秒経つとフワリが降りて来て、報告をしてくれました。


『この辺りにはもう居ないのー』

『ありがとう、確認出来ただけで心に余裕が出来るよ』

『しばらくは、遭遇しなくて済むね』

『役に立てたのかな・・・?』


それでもフワリは少しだけ心配してましたので、

私は優しく頭を撫でてあげました。


『安心出来たから凄く役に立っているよ、フワリ』

『よしよし、良い子だ』

『えへへ、照れちゃうのー』


スフィアもフワリの頭を撫でました、機嫌が戻って良かったです。

その後はホワイトベアに遭遇する事も無く、

無事に町へ到着することが出来ました。


私達は一息をつくために、

近くにあった宿屋に入って部屋で休む事にしました。


『ふー、今日はちょっと疲れたわ・・・』

『ベッドで仮眠したら?』

『そうするね・・・ちょっと寝るわ』


リリーはベッドに倒れこむように横になり、直ぐに寝てしまいました。

フワリと一緒にリリーの寝顔を見ながら小声で話しをした。


『余程疲れていたんだな』

『ぐっすり寝てるの・・・』

『今日は買い物をして、部屋で夜ご飯を食べるか。

フワリも一緒に買い物をするかい?』

『うん、一緒に行くのー』


リリーを寝かせておいて二人でお出掛けした。

この町には来たばかりで、

どういうお店や露店があるか分からないから探すのが大変そうだ。

フワリが何かを見つけた様で肩を突かれた。


『気になるのがあったかい?』

『あれを見てなの』


フワリが指をさした露店を見てみると、

看板には衝撃なことが書かれている露店があった。

(とても美味しい!ホワイトベアのステーキ!)

と堂々と書いていて、鉄板でステーキを焼いていた。


ホワイトベアといえのば、あのホワイトベア?

まさかそんな筈では・・・。

店主に聞いてみる事にした。


『あの、すいません、聞きたいことがあるのですが』

『なんだい、お嬢ちゃん?』

『ホワイトベアのステーキというのは、

あの、ホワイトベアの肉なんですか?』


店主は笑顔で答えた。


『そうだよ、あのホワイトベアだよ』


『食べれるのですか?』

『ああ、この町の名物だよ!お嬢ちゃんは観光客かい?

ほれ、美味しいから味見してみな』


一口分の大きさに切ってくれて、お皿に盛ってくれた。

恐る恐る食べてみたら、意外と美味かった・・・。

いや、凄く美味しかった。


『美味しいな、これ!!』

『だろー?どうだい、一つ買うかい?』

『いえ、二つ下さい!』

『毎度あり!!』


つい勢いで買ってしまった・・・。

リリーには何も言わずに食べさせてみよう、

絶対に驚くと思うから反応が楽しみだ。


フワリにも内緒だよと約束して2人で楽しむ事にした。

あとは、何を買おうかな・・・?


久し振りにファーストフードでも良いな、

そうと決まれば大分絞れるので、探す手間が省ける。

数件の露店で買い出しを済まして宿屋に戻った。


部屋を開けると、リリーはまだベッドの上でぐっすりと寝ていた。


『リリー起きて、もう夜だよ』


声をかけても起きません。

フワリもリリーを起こすために、頬を突いたり引っ張ったりしたがビクともしない。

フワリが何か閃いて私に提案をしてきた。


『ここは、あれしかないの・・・』

『あれって?』

『キスしかないの』

『いや、他にもあるだろう!?』


大きめの声でツッコミをしたが、

それでもリリーは起きる気配が無かった。


これは本当にキスしか無いのか?

無理矢理起こせば起きると思うけど・・・。

そうだ、あれを試してみるか。


私はリリーの顔に近づけて、悪戯っぽく耳に息を吹きかけてみた。


『ひゃあん!?』


あ、起きました。


『えっ、今何をしたの!?』

『耳に息を吹きかけた、リリーが全然起きないから』


想像以上に効果があって驚いた、

フワリは隣でナイスだよ!と言ってくれた。


『そういえば、今何時になっちゃった?』

『6時くらいだよ』


リリーは驚いてとても焦っていた。


『もうそんな時間!?ごめんね、寝すぎちゃったわ』

『大丈夫だよ、相当疲れてそうだったから寝かせておいた。

それに、夜ご飯の買い出しはもう済んでいるから今日はここで食べよう、

美味しそうなの沢山買ったんだ』


リリーは申し訳無さそうにしていて、

直ぐにテーブルの用意と椅子を用意していた。

さて、ここからが楽しみなんだよな、

ホワイトベアのステーキを知らないで食べたリリーの反応がみたい。


『いただきます!』


リリーは早速、ステーキを口の中に入れていた。


『うん、このステーキ美味しいね!豚肉かなぁ?』


ステーキの正体を明かしたら凄く驚いていた。

予想以上に驚いてくれたので、フワリと私は大笑いした。


『フワリも知っていたの?』

『うん!だって一緒に買い物したの!』

『もー、2人とも隠していたのねー、ひどーい!』


子供っぽい表情が可愛かったリリーだった。

ご飯を食べ終えた後は、シャワーを浴びて早めに寝る事にした。


『おやすみ、スフィア、フワリ』

『おやすみなのー』

『ああ、おやすみ』


私達は一つのベッドで今日も仲良く寝ました。

夜は冷えましたので、いつも以上にくっつきました。

とても暖かいです。

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