最終話 シュゼットは、贖罪したい
それから1年後。
レナルド様はリヴィエール王立学園を卒業された。
卒業パーティーの場で王太子殿下はリリアーヌとの婚約を発表された。リリアーヌは卒業後王太子妃教育を受け、それが完了した後に結婚式を挙げるという。
わたしとレナルド様の結婚式はわたしの卒業後すぐに行なうことに決まった。
それにより学園生活の最後の1年は学業とレナルド様との結婚の準備で多忙を極めたけれど、学業は時を遡る前の経験が活きたのでなんとか両立ができた。
貴族の頂点にあるベルクール公爵家への輿入れのため、結婚式や披露宴は大規模なものになる。やることは山積みだった。
大変だったけれど、振り返って見ればとても充実した日々だった。
♢♢♢
それからさらに1年後。
わたしはリヴィエール王立学園を卒業した。
卒業式の翌日、わたしとレナルド様は西教会での結婚式に臨んだ。
時を遡る前も含めると、レナルド様とは7年婚約していたことになる。
その間に本当に色々なことがあったけれど、ようやく結婚に至って万感の思いがした。
支度を終えて控え室で鏡の前に座り、独りもの思いに耽っていると、婚礼の衣装をまとったレナルド様がいらっしゃった。
レナルド様はわたしの白い婚礼衣装を見て、甘く微笑んだ。
「よく似合っている。今日の君は一際うつくしいな」
「ありがとうございます。レナルド様もとても素敵ですわ」
今日の婚礼の衣装にはダイヤモンドが贅沢に散りばめられており、動くたびにそれが光を反射してきらきらと輝く。大粒のブラックダイヤモンドのアクセサリーと合わせて気の遠くなるほどの額だった。
ベルクール公爵家へ嫁ぐのだから、この豪奢な衣装に相応しくあらねばと身が引き締まる思いがした。
レナルド様はわたしの前に跪くと、そっとわたしの手を取った。
「シュゼット、私は生涯君だけを愛すると改めて誓う。君の良き夫となり、必ず幸せにしてみせる。……それが私の一生涯を賭けた君への贖罪だ」
「わたしも生涯レナルド様だけを愛すると誓いますわ。良き妻としてずっとお側にいて、わたしの一生かけて贖罪いたします」
それは結婚式の誓いの言葉とは別の、わたしとレナルド様の2人だけの秘密の誓いの言葉だった。
レナルド様は立ち上がると、わたしの唇にそっと口付けされた。
お互いの誓いの言葉を心と魂に封じ込めるように。
この日、わたしとレナルド様は家族や友人、その他大勢の人々に祝福されて結婚式を挙げた。
そして、わたしとレナルド様の生涯をかけた幸せに満ちた贖罪の日々が始まった。
これで完結です。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。少しでも面白いと思っていただけましたら、ご評価くださいますと幸いです。




